======アストロノミーの塔の戦い====== =====概要===== アストロノミーの塔の戦いとは、第二次魔法戦争における重要な転換点となった戦いです。1997年6月30日の夜、[[死喰い人]]が[[ドラコ・マルフォイ]]の手引きによって[[ホグワーツ魔法魔術学校]]に侵入し、[[不死鳥の騎士団]]および[[ダンブルドア軍団]]のメンバーと衝突しました。この戦いは、[[アルバス・ダンブルドア]]校長の死という悲劇的な結末を迎え、魔法界全体に大きな衝撃を与えました。 =====背景===== [[ヴォルデモート卿]]は、ルシウス・マルフォイの失態を罰するため、その息子である[[ドラコ・マルフォイ]]に対し、[[アルバス・ダンブルドア]]を殺害するという極めて困難な任務を課しました。ドラコの母[[ナルシッサ・マルフォイ]]は息子の身を案じ、[[セブルス・スネイプ]]に助けを求めました。スネイプは、ドラコを護り、彼が任務に失敗した際には自らが手を下すという[[破れぬ誓い]]を結びます。 ドラコは1996年から1997年にかけての学年度中、[[必要の部屋]]に隠されていた[[姿をくらますキャビネット棚]]を修理することに専念しました。このキャビネット棚は、[[ボージン・アンド・バークス]]にある対のものと繋がっており、[[死喰い人]]を厳重に警備された[[ホグワーツ]]城内へ直接侵入させるための唯一の手段でした。 戦いの直前、ダンブルドアと[[ハリー・ポッター]]は[[ヴォルデモート]]の[[分霊箱]]の一つを発見・破壊するため、遠方の洞窟へ赴いていました。彼らが[[ホグズミード]]村へ帰還したとき、[[アストロノミーの塔]]の真上に[[闇の印]]が浮かんでいるのを発見します。これは[[死喰い人]]がダンブルドアをおびき寄せるために仕掛けた罠でした。 =====戦闘の経過===== ====アストロノミーの塔での対峙==== [[分霊箱]]を守るための魔法薬によって著しく衰弱していたダンブルドアは、ハリーと共に[[アストロノミーの塔]]の頂上にたどり着きます。そこで待ち構えていた[[ドラコ・マルフォイ]]は、ダンブルドアの[[武装解除]]に成功し、無意識のうちに[[ニワトコの杖]]の新たな所有者となります。 しかし、ドラコはとどめを刺すことをためらいます。その後、[[姿をくらますキャビネット棚]]を通って城内に侵入した[[アレクト・カロー]]、[[アミカス・カロー]]、[[フェンリール・グレイバック]]といった[[死喰い人]]たちが塔に到着し、ドラコに殺害を急かさせます。最終的に現れたのは[[セブルス・スネイプ]]でした。ダンブルドアは「セブルス…頼む…」と懇願しますが、スネイプは「[[アバダ・ケダブラ]]」の呪文を唱え、ダンブルドアを殺害しました。ダンブルドアの遺体は塔から落下していきました。 この間、ハリーはダンブルドアが死の直前にかけた**全身金縛りの術**により、[[透明マント]]の下で身動きが取れず、ただ見ていることしかできませんでした。 ====ホグワーツ城内の戦闘==== 塔の上で対峙が繰り広げられている間、城の廊下では激しい戦闘が勃発していました。[[不死鳥の騎士団]]のメンバー([[リーマス・ルーピン]]、[[ニンファドーラ・トンクス]]、[[ビル・ウィーズリー]])と、[[幸運の液体]]([[フェリックス・フェリシス]])を飲んだ[[ダンブルドア軍団]]のメンバー([[ロン・ウィーズリー]]、[[ハーマイオニー・グレンジャー]]、[[ジニー・ウィーズリー]]、[[ネビル・ロングボトム]]、[[ルーナ・ラブグッド]])が、侵入してきた[[死喰い人]]たちと戦いました。 * この戦闘で、[[ビル・ウィーズリー]]は人狼である[[フェンリール・グレイバック]]に顔を切り裂かれ、重傷を負いました。 * ダンブルドアの死後、彼がハリーにかけていた呪文が解け、ハリーは逃走するスネイプとマルフォイを追跡します。 * 追跡の途中、ハリーはスネイプに対して[[半純血のプリンス]]が考案した[[セクタムセンプラ]]などの呪文を使おうとしますが、当の本人であるスネイプには全く通用しませんでした。 * [[ベラトリックス・レストレンジ]]は逃走の際に[[ハグリッドの小屋]]に火を放ち、混乱を拡大させました。スネイプとドラコを含む[[死喰い人]]たちは、最終的に[[ホグワーツ]]の敷地から姿をくらまし、逃走に成功しました。 =====結末と影響===== * **[[アルバス・ダンブルドア]]の死**:[[ヴォルデモート]]に対抗する最も偉大な魔法使いの死は、魔法界に計り知れない衝撃と絶望をもたらしました。 * **[[セブルス・スネイプ]]の裏切り**:[[不死鳥の騎士団]]のメンバーの目の前でダンブルドアを殺害したことにより、スネイプは[[ヴォルデモート]]側の完全なスパイであると見なされました。 * **[[ホグワーツ]]の閉鎖**:戦闘後、[[ホグワーツ]]は一時的に閉鎖され、ダンブルドアの葬儀が執り行われました。 * **ハリーの決意**:この事件を受け、[[ハリー・ポッター]]は7年生として[[ホグワーツ]]には戻らず、残された[[分霊箱]]を探し出し、[[ヴォルデモート]]を滅ぼす旅に出ることを決意します。[[ロン・ウィーズリー]]と[[ハーマイオニー・グレンジャー]]も彼に同行することを誓いました。 =====主要な参加者===== ====不死鳥の騎士団とダンブルドア軍団==== * [[アルバス・ダンブルドア]] (†) * [[ハリー・ポッター]] * [[ミネルバ・マクゴナガル]] * [[リーマス・ルーピン]] * [[ニンファドーラ・トンクス]] * [[ビル・ウィーズリー]] (重傷) * [[ロン・ウィーズリー]] * [[ハーマイオニー・グレンジャー]] * [[ジニー・ウィーズリー]] * [[ネビル・ロングボトム]] * [[ルーナ・ラブグッド]] ====死喰い人==== * [[セブルス・スネイプ]] * [[ドラコ・マルフォイ]] * [[ベラトリックス・レストレンジ]] * [[フェンリール・グレイバック]] * [[アレクト・カロー]] * [[アミカス・カロー]] * コーバン・ヤックスリー * ソーフィン・ロウル =====幕後情報===== * **映画版での描写**:映画『ハリー・ポッターと謎のプリンス』では、この戦いはより大規模に描かれています。(映画設定) * [[ベラトリックス・レストレンジ]]が大広間の窓を破壊し、[[闇の印]]を空に打ち上げるシーンは映画オリジナルの演出です。(映画設定) * [[死喰い人]]が[[ハグリッドの小屋]]を焼き払うシーンは原作にも存在しますが、映画ではより派手な攻撃として描かれています。(映画設定)