======アモルテンシア====== =====基本情報===== * **タイプ (Type):** [[惚れ薬]] * **所有者 (Owners):** [[メローピー・ゴーント]]、[[ロミルダ・ベイン]]、[[ロン・ウィーズリー]] (意図せず摂取) * **製造者 (Maker):** 不明 =====記述と外見===== アモルテンシアは、特徴的な真珠母のような光沢 (mother-of-pearl sheen) を持つ液体です。また、その蒸気は飲む者や嗅ぐ者にとって魅力的な香りを放ちながら、独特の螺旋状に立ち上ります。これは、[[ホラス・スラグホーン]]が上級[[魔法薬学]]の授業で生徒たちに示した際に描写されました。 =====魔法特性と用途===== アモルテンシアは、現存する中で最も強力な[[惚れ薬]]です。しかし、この魔法薬が作り出すのは真実の愛ではありません。[[ホラス・スラグホーン]]が説明したように、真実の愛を製造したり模倣したりすることは不可能です。この薬は、飲んだ者に対して薬を盛った人物への強力な熱狂や執着心を引き起こします。 その効果は永続的ではなく、効果を持続させるためには定期的に相手に飲ませ続ける必要があります。アモルテンシアには[[解毒薬]]が存在します。 この魔法薬の最も特異な性質は、その香りです。それは嗅ぐ者一人ひとりにとって異なる、その人が最も惹かれるものの香りがします。 * [[ハリー・ポッター]]が嗅いだ香り: - [[糖蜜タルト]] - [[ほうき]]の柄の木の匂い - [[隠れ穴]]で嗅いだことのある、花のようないい匂い (後に[[ジニー・ウィーズリー]]に関連するものと示唆される) * [[ハーマイオニー・グレンジャー]]が嗅いだ香り: - 刈りたての草の匂い - 新しい羊皮紙の匂い - (彼女が明言を避けた3つ目の香り。後に[[ロン・ウィーズリー]]に関連するものと示唆される) =====歴史===== この魔法薬の起源は不明ですが、物語における最も重要な使用例は、[[ヴォルデモート卿]]の母親である[[メローピー・ゴーント]]によるものです。彼女はアモルテンシアを使い、マグルの[[トム・リドル・シニア]]を魅了し、結婚しました。 [[アルバス・ダンブルドア]]は、[[ヴォルデモート卿]]がこのような欺瞞に満ちた関係から生まれたことが、彼が愛を理解できず、感じることもできない一因であると推測しています。 =====物語における役割===== アモルテンシアは、『[[ハリー・ポッターと謎のプリンス]]』で初めて登場します。[[ホラス・スラグホーン]]教授が上級[[魔法薬学]]の授業で生徒たちに見せ、その強力な効果と危険性について警告しました。 物語の後半では、[[ロミルダ・ベイン]]が[[ハリー・ポッター]]を自分に惚れさせるためにアモルテンシアを仕込んだ[[大鍋チョコレート]]を贈ります。しかし、そのチョコレートを偶然食べたのは[[ロン・ウィーズリー]]でした。ロンはロミルダに異常な執着を見せ、ハリーは彼をスラグホーン教授の元へ連れて行き、[[解毒薬]]を飲ませることになります。この出来事は、間接的にロンが毒入り蜂蜜酒を飲む事件へと繋がりました。 =====幕後情報===== 「アモルテンシア (Amortentia)」という名前は、ラテン語に由来すると考えられます。ラテン語の「Amor」は「愛」を意味し、「tentia」は「持つ」「誘惑する」といった意味合いを持つ単語に関連しており、その効果を的確に表現しています。