======ウルフスベーン薬====== =====基本情報===== * タイプ: [[魔法薬]] * 主な使用者: [[リーマス・ルーピン]] * 製作者: 発明者は[[ダモクレス・ベルビー]]。作中では[[セブルス・スネイプ]]が調合。 =====説明と外観===== 完成した薬からは、かすかに青い煙が立ち上る。味は非常に不味いとされている。[[リーマス・ルーピン]]は味を良くするために砂糖を加えようとしたが、[[セブルス・スネイプ]]はそれによって薬の効果が損なわれると警告した。 =====魔法的な特性と用途===== ウルフスベーン薬は、[[人狼]](ライカンスロープ)の治療薬では**ない**。その主な効果は、満月の夜に変身した[[人狼]]が、人間の理性を保ったまま、穏やかで無害な狼の姿でいられるようにすることである。 * 薬を服用した[[人狼]]は、誰かを襲うことなく、静かな場所で変身の時をやり過ごすことができる。 * 満月の一週間前から毎日一杯ずつ服用する必要がある。 * 一度でも服用を忘れると、薬の効果は完全に失われ、服用者は危険な[[人狼]]へと変身してしまう。 * 材料が非常に高価で、調合も極めて難しいため、多くの[[人狼]]にとって入手は困難である。 =====歴史===== ウルフスベーン薬は、魔法界の歴史においては比較的新しい発明品である。発明者は、高名な魔法薬師である[[ダモクレス・ベルビー]]。彼は[[ホラス・スラグホーン]]のかつての教え子であった。この薬の発明は、[[人狼]]による被害を抑制し、彼らの社会生活を改善する上で画期的な進歩と見なされている。 =====物語における役割===== 『[[ハリー・ポッターとアズカバンの囚人]]』において、この薬は物語の重要な鍵となる。[[アルバス・ダンブルドア]]の計らいにより、[[セブルス・スネイプ]]が毎月[[リーマス・ルーピン]]のためにこの薬を調合し、彼が[[ホグワーツ]]で教鞭を執ることを可能にした。しかし、物語のクライマックスでルーピンが服用を忘れたため、彼は[[人狼]]へと変身し、結果的に[[ピーター・ペティグリュー]]の逃亡を許してしまった。 シリーズ全体を通して、ウルフスベーン薬の入手の難しさは、[[リーマス・ルーピン]]が直面する社会的偏見と経済的困窮を象徴している。 =====舞台裏情報===== * 主成分であるウルフスベーン(和名:トリカブト)は、現実世界でも非常に強力な毒性を持つ植物であり、その危険な性質が薬の複雑さと[[人狼]]という存在の性質を反映している。 * 公式サイト「Pottermore」では、この薬の調合の難しさや、魔法社会におけるその影響について、さらに詳しい情報が提供されている。(Pottermore)