======カドガン卿====== =====简介===== カドガン卿 (Sir Cadogan) は、[[ホグワーツ魔法魔術学校]]の七階の踊り場にある肖像画に描かれた騎士である。彼は、無謀ともいえるほどの勇敢さと、挑戦を求める過剰な熱意で知られている。物語の中では、[[太ったレディ]]が[[シリウス・ブラック]]に襲われた後、一時的に[[グリフィンドール]]寮の入り口の番人を務めた。その性格はしばしばコミカルに描かれるが、[[ホグワーツ]]への忠誠心は本物であり、[[ホグワーツの戦い]]では城の防衛者たちを鼓舞した。 =====生平===== カドガン卿の人生は、生前の歴史的なものと、[[ホグワーツ]]の肖像画としての生活に分けられる。 ====ホグワーツでの肖像画としての生活==== - **[[ハリー・ポッターとアズカバンの囚人]]**: カドガン卿が初めて登場するのは、[[ハリー・ポッター]]、[[ロン・ウィーズリー]]、[[ハーマイオニー・グレンジャー]]が初めて「[[占い学]]」の授業に向かう途中である。彼は出会う生徒たちに決闘を挑むなど、好戦的な性格を見せた。[[太ったレディ]]の肖像画が[[シリウス・ブラック]]によって切り裂かれた後、[[アルバス・ダンブルドア]]の指名により、一時的に[[グリフィンドール]]寮の肖像画の番人を引き受けた。しかし、彼は非常に複雑で頻繁に変わる合言葉(「[[フォルトゥナ・マジョール]]」など)を設定し、生徒たちを困らせた。最終的に、[[ネビル・ロングボトム]]が書き留めた合言葉のリストを[[シリウス・ブラック]]が手に入れ、寮への侵入を許してしまう。この失態により、彼は番人を解任され、[[太ったレディ]]が役職に復帰した。 - **[[ハリー・ポッターと死の秘宝]]**: [[ホグワーツの戦い]]の最中、カドガン卿は自身の肖像画の枠から枠へと愛馬に跨って駆け巡り、剣を振りかざしながら[[ホグワーツ]]の防衛者たちを鼓舞し、声援を送った。彼は[[不死鳥の騎士団]]と[[ダンブルドア軍団]]の側に立ち、最後まで城への忠誠を示した。 ====歴史上の生平 (Pottermore)==== J.K.ローリングが公式サイト Pottermore で明かした情報によると、カドガン卿は実在した魔法使いであり、[[アーサー王]]に仕えた[[円卓の騎士]]の一人であった。彼は偉大な魔法使い[[マーリン]]の友人でもあったという。彼の最も有名な伝説は、ワイ川のワイバーンとの対決である。この戦いで彼は愛馬を失い、杖を折られたが、最終的には折れた杖の破片から放った呪文でワイバーンを内部から爆発させ、見事に討ち取ったとされる (Pottermore)。 =====外見と性格===== - **外見**: 肖像画の中のカドガン卿は、身体に合っていない鎧を身に着けた、短気そうな見た目の小柄な騎士として描かれている。彼は常に太った灰色のポニーに跨っている。 - **性格**: 彼の性格は **//極めて勇敢//** であるが、その勇敢さはしばしば無謀さや向こう見ずさと紙一重である。挑戦や危険な任務を何よりも好み、自ら困難に飛び込んでいくことを名誉と考えている。古風で芝居がかった口調で話し、常に決闘を申し込むなど、非常に好戦的で喧嘩っ早い一面も持つ。一方で、その忠誠心は本物であり、[[ホグワーツ]]とその生徒たちを守るという強い意志を持っている。 =====魔法能力と技術===== 肖像画の住人であるため、彼が自ら[[魔法]]を使う場面は描かれていない。しかし、生前の彼はワイバーンを倒すほどの強力な魔法使いであったことが示唆されている (Pottermore)。肖像画としては、剣術に長けており、常に剣を抜いて威嚇する。また、他の魔法のかかった肖像画と同様に、城内の異なる肖像画の間に移動する能力を持っている。 =====重要な持ち物===== - **鎧 (Suit of Armour)**: 彼の騎士としての身分を象徴する、身体に合っていない鎧。 - **剣 (Sword)**: 彼が常に携え、振りかざす武器。 - **ダービー (Derby)**: 彼の愛馬である太った灰色のポニー。(Pottermore) =====人間関係===== - **[[太ったレディ]] (The Fat Lady)**: カドガン卿が一時的に彼女の役職を奪ったため、二人の関係は良好とは言えない。[[太ったレディ]]は彼を厄介者と見なしていた。 - **[[ネビル・ロングボトム]] (Neville Longbottom)**: [[ネビル]]がカドガン卿の合言葉をすべて書き留めて紛失したことが、[[シリウス・ブラック]]の[[グリフィンドール塔]]侵入の直接的な原因となった。 - **[[ハリー・ポッター]]と友人たち**: 彼らはカドガン卿を風変わりで少し迷惑な存在だと感じていたが、彼の[[ホグワーツ]]への忠誠心は認めていた。 - **[[アルバス・ダンブルドア]] (Albus Dumbledore)**: [[グリフィンドール]]寮の安全を守るため、カドガン卿に番人の任務を託した。 =====名前の語源===== 「Cadogan (カドガン)」はウェールズ語由来の名前で、「**cad** (戦い)」と「**gwgan** (栄光、または、しかめ面をする者)」という単語から来ている可能性がある。これは彼の好戦的で名誉を求める性格に非常によく合致している。「Sir (卿)」は騎士に与えられる敬称である。 =====舞台裏情報===== - 映画『[[ハリー・ポッターとアズカバンの囚人]]』では、カドガン卿の役割は大幅に縮小されている。彼は登場するものの、[[グリフィンドール]]寮の番人を務めるエピソードは完全にカットされた。(映画設定) - J.K.ローリングは Pottermore を通じて、彼の背景、特にワイ川のワイバーンとの戦いに関する詳細な物語を提供した。これは、彼の勇敢さが単なる肖像画上の演出ではなく、生前の経験に基づいていることを示している。(Pottermore)