======グリフィンドールの剣====== =====基本情報===== * タイプ: [[妖精]] (ゴブリン) 製の武具, [[ホークラックス]]破壊の道具, [[ホグワーツ]]の遺物 * 所有者: [[ゴドリック・グリフィンドール]], [[アルバス・ダンブルドア]], [[ハリー・ポッター]], [[ネビル・ロングボトム]] //(その他、助けを必要とする真のグリフィンドール生)// * 製造者: 妖精王ラグヌク一世 =====記述と外観===== グリフィンドールの剣は、熟練した[[妖精]]の職人技によって作られた、見事な銀製の剣である。柄頭には、卵ほどの大きさのルビーがはめ込まれている。柄のすぐ下には、[[ゴドリック・グリフィンドール]]の名前が刻まれている。[[妖精]]製の金属の特性により、汚れをはじき、手入れを必要とせず、常に輝きを保っている。 =====魔法の特性と用途===== * **[[妖精]]製の品質:** この剣は[[妖精]]によって鍛えられたため、非常に頑丈で、通常の物理的・魔法的ダメージでは破壊されない。 * **力の吸収:** グリフィンドールの剣の最も重要な特性は、自らをより強くするものだけを吸収する能力である。この能力により、[[ハリー・ポッター]]が[[秘密の部屋]]で[[バジリスク]]を倒した際に、その牙から極めて強力な[[バジリスク]]の毒を吸収した。 * **[[ホークラックス]]の破壊:** [[バジリスク]]の毒を吸収したことで、この剣は[[ヴォルデモート卿]]の[[ホークラックス]]を破壊できる数少ない道具の一つとなった。作中では、[[マールヴォロ・ゴーントの指輪]]、[[スリザリンのロケット]]、そして蛇の[[ナギニ]]を破壊するために使用された。 * **[[組分け帽子]]との関連:** この剣は[[ホグワーツ]]の[[組分け帽子]]と深いつながりを持っている。助けを必要とする真の[[グリフィンドール]]生が帽子の前に現れると、その人物は帽子の中から剣を引き出すことができる。これは、その人物が[[ゴドリック・グリフィンドール]]の正当な後継者であることを証明するものである。 =====歴史===== グリフィンドールの剣は、中世期に妖精王ラグヌク一世によって[[ホグワーツ]]の創設者の一人、[[ゴドリック・グリフィンドール]]のために鍛えられた。[[妖精]]の伝承では、グリフィンドールがラグヌクから剣を「盗んだ」とされているが、魔法使い側の歴史では、ラグヌクが完成した剣に執着し、それを不正に手に入れようとしたため、グリフィンドールが正当な防衛として取り返したとされている。この所有権を巡る歴史的な対立は、後々まで魔法使いと[[妖精]]の関係に影を落とすことになる。 何世紀にもわたり、剣は[[ホグワーツ城]]の校長室に保管されていた。1992年、[[ハリー・ポッター]]は[[秘密の部屋]]で[[トム・リドル]]の記憶と対峙した際、[[組分け帽子]]からこの剣を引き出し、[[バジリスク]]を打ち破った。 1997年、[[アルバス・ダンブルドア]]は遺言でこの剣をハリーに遺したが、[[魔法省]]は歴史的遺物であるとしてこれを差し止め、引き渡しを拒否した。しかし、これは[[セブルス・スネイプ]]と協力したダンブルドアの計画の一部であった。スネイプは[[ベラトリックス・レストレンジ]]の[[グリンゴッツ]]銀行の金庫に偽物の剣を置き、本物の剣を[[ディーンの森]]にある凍った池に隠した。ハリーは[[ロン・ウィーズリー]]の助けを借りてこの剣を回収し、[[スリザリンのロケット]]を破壊した。 その後、剣は一行に協力していた[[妖精]]の[[グリップフック]]によって持ち去られるが、最終的には[[ホグワーツの戦い]]のクライマックスで再び[[組分け帽子]]から現れ、[[ネビル・ロングボトム]]の手に渡った。ネビルはこの剣で[[ヴォルデモート卿]]の最後の[[ホークラックス]]である[[ナギニ]]を斬り殺し、闇の帝王の滅亡に大きく貢献した。 =====物語における役割===== * **真の[[グリフィンドール]]生の象徴:** この剣は、単なる武器ではなく、勇気、決意、自己犠牲といった[[グリフィンドール寮]]の価値観を体現する象徴である。ハリーやネビルのような人物が剣を引き出す場面は、彼らが困難な状況下で真の勇気を示したことを証明している。 * **[[ヴォルデモート卿]]を倒すための鍵:** [[ホークラックス]]を破壊する能力を得たことで、剣は物語の後半における中心的な役割を担うことになった。それは[[ヴォルデモート卿]]の不死性を打ち破るための希望の光であり、ハリーたちの旅の重要な目標となった。 * **魔法使いと[[妖精]]の対立の具現化:** 剣の所有権を巡る争いは、魔法界に根深く存在する種族間の不信と偏見を浮き彫りにした。[[グリップフック]]の行動は、[[妖精]]たちが魔法使いから受けてきた長年の抑圧と、それに対する彼らの視点を表している。 =====舞台裏情報===== * J.K. ローリングは、グリフィンドールの剣がアーサー王伝説におけるエクスカリバーの伝説(正当な英雄が岩から剣を引き抜く)に類似していることを示唆している。(作者の発言) * 映画『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』では、若き日の[[アルバス・ダンブルドア]]がこの剣を手にしている場面が描かれている。(『ファンタスティック・ビースト』シリーズ)