======グリモールド・プレイス12番地====== =====基本情報===== * タイプ (Type): 住宅、[[ブラック家]]の邸宅、[[不死鳥の騎士団]]の本部 * 場所 (Location): [[ロンドン]]、イズリントン区 * 所有者 / 居住者 (Owner/Residents): [[ブラック家]]、[[クリーチャー]]、[[不死鳥の騎士団]]、[[ハリー・ポッター]] * 主な特徴 (Key Features): [[忠誠の呪文]]によって麻瓜から隠されている、くらまし呪文がかけられている、陰鬱で荒れ果てた内装、多くの[[闇の魔術]]に関連する品々、屋敷しもべ妖精の首の剥製 =====記述と歴史===== グリモールド・プレイス12番地は、純血を重んじる旧家のひとつである**ブラック家**が何世代にもわたって住んでいた邸宅です。その名は「//grim old place//」(気味の悪い古びた場所)のもじりであり、その名の通り、建物全体が暗く、埃っぽく、長年の放置による荒廃と闇の魔術の気配に満ちています。 この建物は[[忠誠の呪文]] (Fidelius Charm) によって、その秘密を知らない者からは見えないように隠されています。麻瓜には11番地と13番地が直接隣り合っているように見え、魔法使いであっても、[[秘密の守人]]から場所を教えてもらわない限り、その存在に気づくことはできません。 内装はブラック家の純血主義と闇の魔術への傾倒を色濃く反映しており、蛇をモチーフにした装飾品(ドアノッカーや燭台など)が随所に見られます。玄関ホールには、[[トロール]]の足でできた傘立てや、壁に飾られた多くの[[屋敷しもべ妖精]]の首の剥製があります。また、[[シリウス・ブラック]]の母、**[[ワルブルガ・ブラック]]**の肖像画がカーテンの後ろに掛かっており、大きな音を立てるとヒステリックに叫びだします。客間には、一族の歴史を綴った巨大な**[[ブラック家の家系図]]**のタペストリーが飾られています。 1995年、[[シリウス・ブラック]]が[[アズカバン]]から脱獄した後、彼はこの家を[[不死鳥の騎士団]]の新しい本部として提供しました。当時、[[秘密の守人]]は[[アルバス・ダンブルドア]]でした。騎士団のメンバーは、長年放置されていたこの屋敷を清掃し、多くの危険な[[闇の魔術]]の品々を処分しようと試みました。この清掃作業中、彼らは[[サラザール・スリザリン]]のロケット(後の[[分霊箱]])を発見しますが、当時はその重要性に気づきませんでした。 シリウスの死後、屋敷は遺言により[[ハリー・ポッター]]へと相続されました。1997年、[[ダンブルドア]]の死に伴って[[忠誠の呪文]]が解け、秘密を知る者すべてが[[秘密の守人]]となりました。しかし、[[アラスター・ムーディ]]がかけていた追加の防御呪文により、[[セブルス・スネイプ]]は屋敷の場所を他人に伝えることができなくなっていました。その後、[[ハリー・ポッター]]、[[ロン・ウィーズリー]]、[[ハーマイオニー・グレンジャー]]が[[分霊箱]]を探す旅の途中で一時的な隠れ家として使用しましたが、[[魔法省]]の役人である[[ヤックスリー]]が侵入したため、放棄せざるを得なくなりました。 =====物語における役割===== グリモールド・プレイス12番地は、物語後半において極めて重要な役割を果たします。 * **[[不死鳥の騎士団]]の本部として:** 第二次魔法戦争におけるレジスタンス活動の中心地として機能しました。騎士団の会合が開かれ、[[ヴォルデモート]]卿に対抗するための戦略が練られました。[[ハリー・ポッター]]にとっては、外部の世界から隔離され、孤独と怒りを感じる場所でもありました。 * **[[ブラック家]]の過去を明らかにする場所として:** この家は[[シリウス・ブラック]]と彼の家族の複雑な過去を物語る場所です。彼の部屋に残された[[グリフィンドール]]の装飾は、家族への反抗の証でした。また、彼の弟である[[レギュラス・アークタルス・ブラック]]が[[ヴォルデモート]]卿に反旗を翻した英雄であったことが、この家で明らかになります。 * **[[分霊箱]]の捜索における鍵として:** [[クリーチャー]]から[[レギュラス・アークタルス・ブラック]]と本物のロケットの物語を聞いたことで、ハリーたちは[[分霊箱]]の捜索に大きな進展を得ました。この家は、彼らが「R.A.B.」の正体を知るための決定的な舞台となりました。 =====既知の部屋や場所===== * **玄関ホール (Entrance Hall):** [[ワルブルガ・ブラック]]の肖像画、トロールの足の傘立て、[[屋敷しもべ妖精]]の首の剥製がある。 * **地下キッチン (Basement Kitchen):** 広くて薄暗い、洞窟のような部屋。[[不死鳥の騎士団]]が会合を開く主な場所。 * **客間 (Drawing Room):** [[ブラック家の家系図]]のタペストリーがある。多くの[[闇の魔術]]の品々が保管されており、中には[[まね妖怪ボガート]]が潜む書き物机や、[[サラザール・スリザリン]]のロケットが隠されていたガラス棚があった。 * **シリウスの部屋 (Sirius's Room):** 家族の趣味とは対照的に、[[グリフィンドール]]の旗やポスター(オートバイ、水着の麻瓜の女の子など)で飾られている。 * **レギュラスの部屋 (Regulus's Room):** [[スリザリン]]の紋章が飾られ、[[ヴォルデモート]]卿に関する新聞の切り抜きがスクラップブックにまとめられている。[[クリーチャー]]が偽のロケットをここに保管していた。 =====舞台裏情報===== * 映画版では、[[ブラック家の家系図]]が魔法によって壁に自動的に描かれていく様子が視覚的に表現されているが、これは原作にはない描写である。(映画設定) * 映画の撮影地として、ロンドンのクレアモント・スクエアが使用されたことから、ファンの間ではこの場所がグリモールド・プレイスのモデルになったと考えられている。(映画設定)