======グリンゴッツ魔法銀行====== =====基本情報===== * タイプ: [[魔法銀行]] * 所在地: イギリス、[[ロンドン]]、[[ダイアゴン横丁]]と[[ノクターン横丁]]の交差点 * 所有者 / 居住者: [[ゴブリン]] (創設者は[[ゴブリンのグリンゴット|グリンゴット]]) * 主な特徴: * [[ゴブリン]]によって運営されている、イギリス魔法界で唯一知られる銀行。 * 「//[[ホグワーツ]]に次いで最も安全な場所//」と評されるほどの厳重な警備体制。 * [[ロンドン]]の地下深くまで広がる、複雑な通路と[[金庫]]網。 * [[ドラゴン]]や[[スフィンクス]](Pottermore)などの[[魔法生物]]や、強力な魔法による防衛が施されている。 * 「盗人の没落」と呼ばれる、あらゆる魔法による変身や隠蔽を見破る滝が設置されている。 =====記述と歴史===== **グリンゴッツ魔法銀行**は、[[ダイアゴン横丁]]の他の店を見下ろすようにそびえ立つ、雪のように白い大理石の建物です。正面には磨き上げられた青銅の扉があり、緋色と金色の制服を着た[[ゴブリン]]の守衛が立っています。その奥にある銀の扉には、「//忍び込み、奪う者に告ぐ、見つかるのは宝にあらず、//」で始まる、盗人への警告文が刻まれています。 内部は広大な大理石のホールになっており、高い天井からは巨大なシャンデリアが吊るされています。長いカウンターでは多くの[[ゴブリン]]が帳簿をつけたり、金貨を天秤で測ったり、宝石を鑑定したりして働いています。 銀行の創設者は、[[ゴブリンのグリンゴット|グリンゴット]]という名の[[ゴブリン]]です。歴史を通じて[[魔法省]]が管理しようとした時期もありましたが、基本的に常に[[ゴブリン]]がその運営権を握ってきました。[[ゴブリン]]は、銀行内の宝はあくまで自分たちが保護している「[[ゴブリン]]のもの」と見なす文化を持っており、これが魔法使いとの間でしばしば緊張関係を生む原因となっています。 =====物語における役割===== グリンゴッツは物語を通じて、魔法界の経済と安全の象徴として、また数々の重要な出来事の舞台として機能します。 * **『ハリー・ポッターと賢者の石』**: [[ハリー・ポッター]]が初めて魔法界に足を踏み入れた際、[[ルビウス・ハグリッド]]と共に訪れます。彼は両親が遺した財産が保管されている**687番金庫**と、[[アルバス・ダンブルドア]]の依頼で[[ハグリッド]]が引き出した**713番金庫**([[賢者の石]]が隠されていた)を目の当たりにします。後に、[[クィリナス・クィレル]]が713番金庫に侵入を試みたことが明らかになり、グリンゴッツの安全神話が揺らぐ最初の事件となりました。 * **『ハリー・ポッターと死の秘宝』**: 物語のクライマックスにおいて、グリンゴッツは決定的に重要な舞台となります。[[ハリー]]、[[ロン・ウィーズリー]]、[[ハーマイオニー・グレンジャー]]の三人は、[[ヴォルデモート卿]]の[[分霊箱]] (ホークラックス) の一つである[[ヘルガ・ハッフルパフのカップ]]を盗み出すため、[[グリップフック]]の協力を得て**[[レストレンジ家の金庫]]**への侵入を敢行します。彼らは[[ポリジュース薬]]で[[ベラトリックス・レストレンジ]]に化け、「服従の呪い」を駆使しますが、「双子の呪い」や「灼熱の呪い」といった強力な防衛魔法に苦しめられます。最終的に、金庫の番をしていた[[ウクライナ・アイアンベリー種]]の[[ドラゴン]]に乗って脱出し、この前代未聞の銀行破りは魔法界に衝撃を与えました。この事件により、[[ヴォルデモート卿]]は[[ハリー]]たちが[[分霊箱]]を探していることを確信します。 =====既知の区域===== * **大理石ホール (Marble Hall)**: 銀行のメインロビー。顧客が[[ゴブリン]]の行員と取引を行う場所。 * **地下金庫 (Underground Vaults)**: 銀行の心臓部。大理石のホールからトロッコに乗ってアクセスする。 * **金庫番号687番 (Vault 687)**: [[ポッター家]]の金庫。金貨、銀貨、銅貨が山積みになっている。 * **金庫番号711番 (Vault 711)**: [[シリウス・ブラック]]の金庫。彼の遺産が保管されていた。 * **金庫番号713番 (Vault 713)**: 機密性の高い物品を保管するための最高警備レベルの金庫。かつて[[賢者の石]]が保管されていた。 * **[[レストレンジ家の金庫]] (Lestrange Vault)**: 最高警備レベルの金庫の一つ。[[ヘルガ・ハッフルパフのカップ]]や[[グリフィンドールの剣]](複製品)などが保管されていた。 =====幕後情報===== * 映画版『ハリー・ポッターと賢者の石』において、グリンゴッツの外観はロンドンのオーストラリア高等弁務官事務所(Australia House)で撮影されました。(映画設定) * [[ゴブリン]]と魔法使いの間の銀行の所有権を巡る対立は、魔法界における根深い偏見と不信のテーマを象徴しています。 * Pottermoreによると、グリンゴッツの最も深い金庫の一部は[[スフィンクス]]によって守られており、謎を解かなければ通ることができないとされています。(Pottermore)