======グリンゴット魔法銀行====== =====基本情報===== * **タイプ (Type):** [[銀行]]、魔法界の主要金融機関 * **地点 (Location):** [[イギリス]]、[[ロンドン]]の[[ダイアゴン横丁]]と[[ノクターン横丁]]の交差点 * **所有者 / 住民 (Owner/Residents):** [[ゴブリン]] (創設者: グリンゴット) * **重要特徴 (Key Features):** [[ゴブリン]]による運営、高度な魔法的防衛、地下金庫へのトロッコシステム、警備用の[[ドラゴン]] =====記述と歴史===== グリンゴット魔法銀行は、イギリス魔法界で唯一の銀行であり、ウィザーディング・ワールドで最も安全な場所の一つとされています。その純白の大理石でできた壮麗な建物は、[[ダイアゴン横丁]]の他の店よりもひときわ高くそびえ立っています。正面には一対の磨かれた青銅の扉があり、緋色と金色の制服を着た[[ゴブリン]]が警備をしています。 銀行の内部に入ると、広大な大理石のホールが広がっており、高いカウンターに沿って多くの[[ゴブリン]]が帳簿をつけたり、金貨を天秤で測ったり、宝石を鑑定したりしています。このホールから、地下深くにある金庫へと続く通路が伸びています。金庫への移動には、[[ゴブリン]]が操縦する高速のトロッコが使用され、複雑に絡み合った鍾乳石や石筍が垂れ下がる地下トンネルを駆け抜けます。 グリンゴットは1474年にゴブリンのグリンゴットによって創設されました。その運営は一貫して[[ゴブリン]]が行ってきましたが、歴史上、魔法省が管理下に置こうとした時期もあり、これは魔法使いと[[ゴブリン]]の間の緊張関係の一因となっています。銀行のモットーは //Fortius Quo Fidelius// (ラテン語で「誠実なればこそ強固なり」) です。 =====物語における役割===== グリンゴットは物語の最初から最後まで、重要な役割を果たします。 * **[[賢者の石]]編:** [[ハリー・ポッター]]が初めて魔法界の富に触れる場所です。[[ルビウス・ハグリッド]]に連れられて自分の金庫 (687番) に両親の遺産があることを知り、またハグリッドが[[ダンブルドア]]の代理として713番金庫から[[賢者の石]]を回収する場面が描かれます。この出来事が、[[ヴォルデモート]]による石の強奪計画の引き金となりました。 * **[[秘密の部屋]]編:** [[ウィーズリー家]]が彼らの金庫からわずかながらの財産を引き出す様子が描かれ、魔法界における経済格差が示唆されます。 * **[[アズカバンの囚人]]編:** シリウス・ブラックが無実の罪でアズカバンに収監された後も、彼の金庫(711番)が維持されており、後に彼がハリーに金貨を送る資金源となります。 * **[[死の秘宝]]編:** 物語のクライマックスにおいて、ハリー、[[ロン・ウィーズリー]]、[[ハーマイオニー・グレンジャー]]が、[[ベラトリックス・レストレンジ]]の金庫に隠された[[ヴォルデモート]]の[[分霊箱]]、[[ハッフルパフのカップ]]を盗み出すために、前代未聞の銀行強盗を敢行します。彼らは[[ポリジュース薬]]、[[服従の呪文]] ([[インペリオ]]) を駆使し、最終的には警備用の[[ドラゴン]]に乗って脱出しました。この事件は、グリンゴットの「難攻不落」という神話を打ち破るものでした。 =====既知のエリア===== * **大理石ホール (Marble Hall):** 銀行の主要な公共スペース。 * **地下金庫 (The Vaults):** * **687番金庫:** [[ポッター家]]の金庫。ハリーが相続した金貨が保管されていました。 * **713番金庫:** 極めて高いセキュリティレベルの金庫。[[賢者の石]]が一時的に保管されていました。鍵穴がなく、[[ゴブリン]]が直接扉に触れて開ける必要がありました。 * **レストレンジ家の金庫:** 最も深い場所にある高セキュリティ金庫の一つ。[[ハッフルパフのカップ]]や[[グリフィンドールの剣]]の偽物などが保管され、[[ジェミニオ]] (複製呪い) や[[フラグランテ]] (焼熱呪い) といった強力な防衛呪文がかけられていました。 * **ウィーズリー家の金庫:** 比較的浅い階層にあり、中身はほとんど空に近い状態でした。 * **金庫破りの滝 (Thief's Downfall):** 地下通路にある魔法の滝。この下を通過すると、あらゆる魔法的変装や呪文が洗い流されます。 =====舞台裏情報===== * 映画『ハリー・ポッターと賢者の石』において、グリンゴットの内部ロケ地としてロンドンにあるオーストラリア大使館「オーストラリア・ハウス」が使用されました。(映画設定) * 「Gringotts」という名前は、鋳塊を意味する「ingot」や、お金を表す俗語「grin」に由来する可能性があります。