======サリー州====== =====基本情報===== * タイプ (Type): [[マグル]]の郡 * 所在地 (Location): [[イングランド]]南東部 * 所有者 / 居住者 (Owner/Residents): [[ダーズリー家]]、[[ハリー・ポッター]](幼少期および夏休み期間) * 主な特徴 (Key Features): 典型的な郊外の住宅地、整然としていて非魔法的、[[リトル・ウィンジング]]という町が存在する =====解説と歴史===== サリー州は、ロンドンの南西に位置する[[イングランド]]の実在の郡です。魔法界の観点からは、この場所は主に[[ハリー・ポッター]]が幼少期を過ごした[[ダーズリー家]]の所在地として知られています。一家が住むのは、サリー州にある架空の町、**[[リトル・ウィンジング]]** の **[[プリベット通り4番地]]** です。 [[ヴァーノン・ダーズリー]]と[[ペチュニア・ダーズリー]]は、彼らが何よりも重んじる「普通」で「まとも」な生活を送るために、この典型的な郊外の地を選びました。この地域は、同じような作りの家が整然と立ち並び、住民も画一的な価値観を持つ、魔法とは全く無縁の[[マグル]]社会を象徴する場所として描かれています。[[ハリー・ポッター]]は、[[ホグワーツ魔法魔術学校]]に入学するまでの10年間、この場所で叔父叔母一家から冷遇されながら育ちました。 =====物語における役割===== サリー州、特に[[プリベット通り4番地]]は、物語において極めて重要な役割を果たします。 * **古代魔法による保護**: [[アルバス・ダンブルドア]]は、[[リリー・ポッター]]が[[ハリー]]のために自らを犠牲にした際に生まれた強力な愛の魔法を利用し、[[プリベット通り4番地]]に特別な守りの呪文をかけました。ハリーが母の血を分けた親族([[ペチュニア・ダーズリー]])と共に暮らし、その場所を「家」と呼ぶ限り、[[ヴォルデモート卿]]とその部下たちは彼に危害を加えることができませんでした。この保護は、ハリーが17歳になるか、自らの意志でその家を永久に去るまで有効でした。そのため、ハリーは毎年夏休みになると、不本意ながらも[[ダーズリー家]]の元へ戻る必要がありました。 * **魔法界との対比**: サリー州の退屈で抑圧的な環境は、[[ホグワーツ]]や[[ダイアゴン横丁]]といった魔法界の活気と驚きに満ちた世界との鮮やかな対比を生み出しています。ハリーにとって、ここは逃げ出したい場所であると同時に、彼の安全を確保する唯一の避難所でもありました。 * **重要な出来事の舞台**: * [[ハリー]]が[[ホグワーツ]]からの入学許可証を大量に受け取る。 * [[屋敷しもべ妖精]]の[[ドビー]]が現れ、[[ホグワーツ]]に戻らないよう警告する。 * [[ハリー]]が叔母の[[マージョリー・ダーズリー]]を魔法で膨らませてしまい、家出する。 * [[ハリー]]と[[ダドリー・ダーズリー]]が[[吸魂鬼]] (ディメンター) に襲われる。 * [[不死鳥の騎士団]]が[[ハリー]]を[[プリベット通り]]から救出し、[[グリモールド・プレイス12番地]]へ連れて行く。 * [[ハリー]]が17歳になる直前、「7人のポッター」作戦が実行され、[[ダーズリー家]]の家を永久に去る。 =====既知の区域===== * **[[リトル・ウィンジング]] (Little Whinging)**: [[ダーズリー家]]が住む架空の町。 * **[[プリベット通り4番地]] (Number 4, Privet Drive)**: [[ダーズリー家]]の家であり、[[ハリー]]の法的な保護地。 * **マグノリア・クレセント (Magnolia Crescent)**: [[ハリー]]が家出した際に目撃した[[騎士バス]]が現れた通り。 * **公園**: [[ハリー]]と[[ダドリー]]が[[吸魂鬼]]に襲われた場所。 =====舞台裏情報===== * J.K. ローリングは、「リトル・ウィンジング」という名前について、響きが「いかにも郊外らしく、軽蔑的な感じがする」ために選んだと語っています。(J.K. Rowling 公式サイト) * 映画シリーズでは、[[プリベット通り]]の家々の画一性を強調するため、非常に似通った外観のセットが組まれました。これにより、ダーズリー家が望む「普通」の世界観が視覚的に表現されています。(映画設定)