======スパイダー (蜘蛛)====== =====概要===== **スパイダー** (Spider / 蜘蛛) は、[[魔法界]]に広く生息する節足動物であり、[[魔法薬学]]の材料として利用される無害な普通種から、人間と会話する知性を持ち、魔法使いを捕食する極めて危険な巨大種まで、多岐にわたる種が存在する。 物語において最も重要な役割を果たすのは、**[[アクロマンチュラ]]** と呼ばれる巨大な[[魔法生物]]である。彼らは[[ホグワーツ]]の敷地内にある[[禁じられた森]]に巨大なコロニーを形成しており、特に『[[ハリー・ポッターと秘密の部屋]]』の物語において中心的な役割を担った。また、[[ロン・ウィーズリー]]が極度の蜘蛛恐怖症であるため、彼に関連する場面で頻繁に登場し、物語に緊張感を与える要素ともなっている。 =====種族としての特徴 (アクロマンチュラ)===== [[アクロマンチュラ]] (Acromantula) は、[[魔法省]]によって危険度最高レベルの //XXXXX//(魔法使い殺し/飼育・懐柔不可能)に分類される、極めて危険な[[魔法生物]]である。 * **知性**: 人間と同等の知性を持ち、人間の言語を理解し話すことができる。しかし、その知性は極めて動物的かつ凶暴な本能に支配されている。 * **外見**: 全身が太く黒い毛で覆われており、脚を広げると最大で 4.5 メートル (15フィート) にも達する。興奮したり怒ったりすると、巨大なハサミをカチカチと鳴らす習性がある。目は通常黒いが、老齢の個体([[アラゴグ]]など)は白内障により乳白色になる。 * **毒**: 非常に強力な毒を持ち、その毒液は[[魔法薬]]の材料として極めて希少価値が高い。1パイントで100[[ガリオン]]もの高値で取引されることがある。 * **巣**: 巨大なドーム状の巣を張る。 * **社会性**: 族長である最年長の雄と雌を中心とした大規模なコロニーを形成して生活する。部外者に対しては極めて排他的かつ攻撃的である。 * **食性**: 肉食性であり、大型の哺乳類を捕食する。人間の肉を特に好むとされている。 * **繁殖**: 雌は一度に100個ほどの卵を産む。卵はビーチボールほどの大きさで、白く柔らかい。 =====物語における役割===== * **[[秘密の部屋]]の謎**: 『[[ハリー・ポッターと秘密の部屋]]』において、[[ハリー・ポッター]]と[[ロン・ウィーズリー]]は、[[ルビウス・ハグリッド]]の助言に従い蜘蛛を追って[[禁じられた森]]へ入る。そこでコロニーの族長である[[アラゴグ]]と遭遇し、50年前に[[秘密の部屋]]から現れた怪物が蜘蛛ではないこと、その正体が[[バジリスク]]であることを突き止める重要な手がかりを得た。 * **[[スラグホーン]]の記憶**: 『[[ハリー・ポッターと謎のプリンス]]』では、[[アラゴグ]]が老衰で死亡する。[[ハリー]]は[[アラゴグ]]の葬儀を利用して[[ホラス・スラグホーン]]に接近し、希少な[[アクロマンチュラ]]の毒液を採取する手伝いをすることで彼の信頼を得た。この出来事が、後に[[分霊箱]]に関する決定的な記憶を引き出すきっかけとなった。 * **[[ホグワーツの戦い]]**: 『[[ハリー・ポッターと死の秘宝]]』における[[ホグワーツの戦い]]では、[[ヴォルデモート]]卿の軍勢によって巣を追われた[[アクロマンチュラ]]の群れが[[ホグワーツ城]]に侵入し、[[死喰い人]]と防衛側の双方を無差別に攻撃した。 =====著名な個体===== * **[[アラゴグ]]** (Aragog): [[禁じられた森]]に生息する[[アクロマンチュラ]]のコロニーを率いた族長。[[ハグリッド]]が[[ホグワーツ]]在学中に卵から育てたが、[[秘密の部屋]]を開いた怪物であるとの濡れ衣を着せられ、森に逃がされた。 * **モサグ** (Mosag): [[アラゴグ]]の妻。名前は映画で初めて言及された。(映画設定) =====語源===== [[アクロマンチュラ]] (Acromantula) の名前は、ギリシャ語で「先端」や「頂上」を意味する //acro// と、大型の蜘蛛であるタランチュラ (tarantula) を組み合わせた造語であると考えられている。 =====舞台裏情報===== * 映画『[[ハリー・ポッターと秘密の部屋]]』に登場する[[アラゴグ]]のデザインは、ウルフスパイダーをモデルにしている。(映画設定) * 各種のビデオゲーム作品においても、[[禁じられた森]]などを探索する際の一般的な敵キャラクターとして頻繁に登場する。(ゲーム設定)