======トラップドア====== =====基本情報===== * タイプ: 魔法の仕掛け、防御設備 * 所有者: [[アルバス・ダンブルドア]]、[[ホグワーツ魔法魔術学校]]の教職員 * 制作者: [[アルバス・ダンブルドア]]の指示の下、[[ホグワーツ魔法魔術学校]]の教職員によって設置 =====概要と外見===== [[ホグワーツ魔法魔術学校]]の3階、立ち入り禁止の廊下に設置された木製の落とし戸。床に埋め込まれており、金属製のリング状の取っ手がついている。このトラップドアは、巨大な三頭犬である[[フラッフィー]]によって守られており、その真下に位置している。 見た目はごく普通の落とし戸だが、その先には[[賢者の石]]を守るための一連の魔法の防衛設備が隠されている。 =====魔法の特性と用途===== このトラップドアの主な機能は、[[賢者の石]]が隠された地下室への唯一の入り口を塞ぐことである。 トラップドア自体に特別な魔法がかけられているという記述はないが、その真の「鍵」は物理的なものではなく、番人である[[フラッフィー]]を無力化することにある。[[フラッフィー]]は音楽を聴くと深い眠りに落ちる習性があり、これを利用しなければトラップドアに近づくことさえできない。一度[[フラッフィー]]が眠れば、トラップドアは誰でも開けることが可能になる。 トラップドアを開けると、その下には暗い垂直の通路が口を開けており、侵入者は遥か下の階層へと落下する。落下した先には、[[ポモーナ・スプラウト]]教授が仕掛けた[[悪魔の罠]]が待ち受けている。 =====歴史===== 1991年、[[ヴォルデモート]]卿による強奪の危険から[[賢者の石]]を保護するため、[[グリンゴッツ魔法銀行]]の金庫から[[ホグワーツ魔法魔術学校]]城内に移された際に、[[アルバス・ダンブルドア]]の指揮の下で設置された。これは、[[ミネルバ・マクゴナガル]]、[[フィリウス・フリットウィック]]、[[セブルス・スネイプ]]、[[ポモーナ・スプラウト]]、そして[[クィリナス・クィレル]]といった教職員たちが協力して作り上げた一連の防衛網の最初の関門であった。 学年度の終わり、[[クィリナス・クィレル]]教授(実際には[[ヴォルデモート]]に寄生されていた)がこのトラップドアを通過し、[[賢者の石]]を盗み出そうとした。その後、彼を追って[[ハリー・ポッター]]、[[ロン・ウィーズリー]]、[[ハーマイオニー・グレンジャー]]もこのトラップドアを通り抜けた。 =====物語における役割===== 『[[ハリー・ポッターと賢者の石]]』において、物語の中核をなす謎の象徴として、またクライマックスへの入り口として極めて重要な役割を果たす。 * **謎の提示**: 学期初頭に[[アルバス・ダンブルドア]]が「3階の右側の廊下」への立ち入りを禁じたことで、生徒たちの好奇心を掻き立て、城内に何か重要なものが隠されていることを示唆した。 * **調査のきっかけ**: [[ハリー・ポッター]]たちが[[アーガス・フィルチ]]から逃れる際に偶然この廊下に迷い込み、[[フラッフィー]]とトラップドアを発見したことが、[[賢者の石]]を巡る彼らの調査を開始させる直接のきっかけとなった。 * **突破口**: [[ルビウス・ハグリッド]]がうっかり「音楽を聴かせればコロッと眠る」と漏らしたことで、ハリーたちは最初の障害を突破する方法を知ることになる。 * **クライマックスへの扉**: 物語の終盤、ハリー、ロン、ハーマイオニーは[[賢者の石]]を守るため、自らの意志でこのトラップドアをくぐる決意をする。これは、彼らが子供時代の無邪気な冒険から、真の危険と対峙する段階へと移行したことを示す象徴的な瞬間である。 =====舞台裏情報===== * トラップドアを三頭犬が守るという構想は、ギリシャ神話に登場する冥界の番犬「ケルベロス」への明確なオマージュである。作中でも[[ルビウス・ハグリッド]]は、[[フラッフィー]]を「漏れ鍋で会ったギリシャ人の知り合いから買った」と語っている。 * 映画版では、ハリーたちが[[フラッフィー]]の巨大な足の一つをどかしてトラップドアのリングハンドルを掴むという、より視覚的に緊張感のある描写が追加されている。(映画の設定)