====== ハリー・ポッターと秘密の部屋 (映画) ====== ===== 基本情報 ===== * **邦題 (Japanese Title):** ハリー・ポッターと秘密の部屋 * **原題 (Original Title):** //Harry Potter and the Chamber of Secrets// * **公開日 (Release Date):** 2002年11月23日 (日本) * **監督 (Director):** クリス・コロンバス (Chris Columbus) * **原作 (Based On):** J・K・ローリング著『[[ハリー・ポッターと秘密の部屋]]』 * **脚本 (Screenplay):** スティーブ・クローブス (Steve Kloves) * **音楽 (Music):** ジョン・ウィリアムズ (John Williams) ===== 概要 ===== 本作は、[[ハリー・ポッター]]シリーズの映画化第2作目にあたる作品です。[[ホグワーツ魔法魔術学校]]での2年目を迎えたハリーが、校内で次々と起こる石化事件の謎と、伝説として語り継がれてきた「[[秘密の部屋]]」の真相に迫る姿を描きます。物語は前作よりもダークな雰囲気を増し、魔法界に潜む純血主義の思想や歴史的な対立が深く掘り下げられています。監督は前作に引き続きクリス・コロンバスが務め、[[アルバス・ダンブルドア]]役のリチャード・ハリスにとっては遺作となりました。 ===== あらすじ ===== 夏休みを[[ダーズリー家]]で過ごしていた[[ハリー・ポッター]]の前に、[[屋敷しもべ妖精]]の[[ドビー]]が現れます。[[ドビー]]はハリーに[[ホグワーツ]]へ戻ってはならないと警告しますが、ハリーは[[ロン・ウィーズリー]]とその兄弟たちに助け出され、新学期を迎えます。 しかし、校内では不可解な出来事が続発します。壁には血で「秘密の部屋は開かれたり。継承者の敵よ、心せよ」というメッセージが記され、生徒や[[ほとんど首無しニック]]までもが石にされる事件が発生。ハリーは自分が蛇と話せる[[パーセルマウス]]であることを知り、周囲から「スリザリンの継承者」ではないかと疑われてしまいます。 [[ハリー]]、[[ロン]]、そして[[ハーマイオニー・グレンジャー]]の3人は、[[ポリジュース薬]]を使ってスリザリン生に変身し、情報を探ろうとします。やがて、50年前に[[ホグワーツ]]で起きた事件の真相を知るため、ハリーは[[トム・マールヴォロ・リドル]]の古い[[トム・リドルの日記]]に導かれます。日記を通じて、ハリーは[[トム・リドル]] (後の[[ヴォルデモート卿]]) こそが真の継承者であり、部屋に潜む怪物が[[バジリスク]]であることを突き止めます。 [[ジニー・ウィーズリー]]が[[秘密の部屋]]に連れ去られたことを知り、ハリーは[[ギルデロイ・ロックハート]]教授と共に部屋の入り口を発見。[[バジリスク]]との死闘の末、[[ダンブルドア]]の[[不死鳥]]である[[フォークス]]と[[グリフィンドールの剣]]の助けを借りて[[バジリスク]]を倒し、その牙で[[トム・リドルの日記]]を破壊して[[ジニー]]を救出します。事件の終結後、ハリーは巧みな計略で[[ルシウス・マルフォイ]]を欺き、[[ドビー]]をマルフォイ家から解放することに成功します。 ===== 原作小説との主な相違点 ===== この映画化作品は、原作のプロットに比較的忠実ですが、上映時間の制約などからいくつかの変更や省略点が存在します。 * **省略された要素** * [[ほとんど首無しニック]]の「絶命日パーティー」の場面は完全に省略されています。 * [[アーガス・フィルチ]]が[[スクイブ]]であり、「付け焼き刃魔法コース」を受講しているという設定は描かれていません。 * [[ウィーズリー家]]の庭で行われる「ノーム駆除」の場面は登場しません。 * [[ギルデロイ・ロックハート]]の授業内容や、彼の過去の功績を再現するシーンの多くが簡略化されています。 * **変更・追加された要素** * 決闘クラブのシーンで、[[ドラコ・マルフォイ]]がハリーに対して蛇を出す呪文は、原作の「サーペンソーティア」ではなく、映画独自のものです。(映画設定) * [[ハーマイオニー]]が[[バジリスク]]の正体に気づくきっかけが、図書館で破り取った本の1ページからであると明確に描写されています。 * 物語の終盤、[[ダンブルドア]]の校長室で、[[ルシウス・マルフォイ]]がハリーに対して「[[アバダ・ケダブラ]]」を唱えようとし、[[ドビー]]によって阻止されるシーンが追加されています。これは原作にはない、映画独自の演出です。(映画設定) * エンドクレジット後に、記憶を失った[[ロックハート]]が自身の著書の表紙を飾っている短いシーンが追加されています。(映画設定) ===== 幕後情報 ===== * [[ギルデロイ・ロックハート]]役には当初ヒュー・グラントがキャスティングされていましたが、スケジュールの都合で降板し、ケネス・ブラナーが演じることになりました。 * [[暴れ柳]]に激突するフォード・アングリアのシーンでは、14台もの同型車が撮影のために使用されたと言われています。(映画製作の逸話) * [[屋敷しもべ妖精]]の[[ドビー]]は、本作で初めて登場する完全CGキャラクターであり、撮影現場では彼の代わりにモデル人形が置かれ、俳優たちが視線を合わせる助けとなりました。