======バジリスク (Basilisk)====== =====基本情報===== * **魔法省分類 (Ministry of Magic Classification):** //XXXXX// ([[魔法省]]が最高の危険度を示す分類) * **別名 (Alias):** 蛇の王 (King of Serpents) * **原産地 (Native to):** ギリシャ * **特徴 (Characteristics):** 鮮やかな緑色の鱗を持つ巨大な蛇、致死性の凝視、極めて強力な毒を持つ牙 * **誕生方法 (Birth):** 鶏の卵を[[ヒキガエル]]が孵すことによって生まれる。この繁殖方法は[[魔法省]]によって禁止されている。 =====説明と生態===== バジリスクは「蛇の王」として知られる、魔法界で最も危険な生物の一つです。その体長は最大で50フィート(約15メートル)に達することもあります。全身は毒々しいほどの鮮やかな緑色で、一対の大きな黄色の目を持ち、これが最大の武器となります。オスのバジリスクは、頭部に緋色の羽飾りを持っていることでメスと区別されます。([[秘密の部屋]]に登場した個体の性別は不明) この生物は、[[闇の魔術]]である「ヒキガエルに鶏の卵を孵させる」という方法でのみ誕生します。著名な[[パーセルマウス]]であったギリシャの[[闇の魔法使い]]、**卑劣なるヘルポ**が最初にバジリスクを創り出したとされています。 バジリスクは非常に長寿であり、十分な食料があれば数百年は生きると言われています。[[ホグワーツ魔法魔術学校]]の[[秘密の部屋]]に棲んでいたバジリスクは、約千年間生き続けていました。蜘蛛はバジリスクを天敵として恐れ、その存在を感知すると逃げ出します。バジリスクの唯一の弱点は、雄鶏の鳴き声であり、これを聞くと即死します。 =====魔法能力と危険性===== バジリスクの危険性は、主にその二つの強力な武器に由来します。 * **致死性の凝視 (Lethal Gaze):** * **直接の凝視:** バジリスクの黄色い目と直接視線が合うと、即座に死に至ります。[[トム・リドル]]が[[秘密の部屋]]を解放した際、[[マートル・ワレン]]はこの方法で命を落としました。 * **間接的な凝視:** 鏡や水の反射、カメラのレンズ、あるいは[[ゴースト]]を通して間接的に目を見た場合、死は免れるものの、代わりに石化(Petrification)します。作中では以下の犠牲者が出ました。 * [[ミセス・ノリス]]: 床の水たまりに映った姿を見た。 * [[コリン・クリービー]]: カメラのレンズ越しに見た。 * [[ジャスティン・フィンチ-フレッチリー]]: [[ほとんど首無しニック]]の体を通して見た。 * [[ハーマイオニー・グレンジャー]]: 手鏡に映った姿を見た。 * [[ほとんど首無しニック]]: ゴーストであるため、二度死ぬことはできず、完全に石化した。 * 石化の治療には、成熟した[[マンドレイク]]から作られる**マンドレイク回復薬**が必要です。 * **猛毒の牙 (Venomous Fangs):** * バジリスクの牙には極めて強力な毒が含まれており、噛まれると数分で死に至ります。知られている唯一の解毒剤は、[[不死鳥の涙]]だけです。 * この毒は非常に破壊的な性質を持ち、[[分霊箱]] (Horcrux) のような極めて強力な魔法で守られた物体さえも破壊することができます。 =====物語における役割===== * **サラザール・スリザリンの怪物:** [[ホグワーツ]]の創設者の一人である[[サラザール・スリザリン]]は、マグル生まれの生徒を学校から排除するため、[[秘密の部屋]]にバジリスクを隠しました。彼の[[スリザリンの継承者]]だけが、[[パーセルタング]]を使ってバジリスクを操ることができるとされていました。 * **『ハリー・ポッターと秘密の部屋』:** [[トム・リドル]]の[[日記]]を通じて、[[ジニー・ウィーズリー]]がバジリスクを解放し、ホグワーツ内で複数の石化事件を引き起こしました。物語のクライマックスで、[[ハリー・ポッター]]は[[秘密の部屋]]でバジリスクと対決します。彼は[[組分け帽子]]から現れた[[グリフィンドールの剣]]と、[[ダンブルドア]]の[[不死鳥]]である[[フォーカス]]の助けを得て、バジリスクを倒しました。この戦いでハリーは牙に噛まれて毒に侵されましたが、[[フォーカス]]の涙によって一命を取り留めました。 * **分霊箱の破壊:** バジリスクを倒した際に[[グリフィンドールの剣]]がその毒を吸収したため、剣は[[分霊箱]]を破壊する能力を得ました。以降、この剣は[[ヴォルデモート卿]]の[[分霊箱]]を破壊するための重要な武器となります。また、『[[ハリー・ポッターと死の秘宝]]』では、[[ロン・ウィーズリー]]と[[ハーマイオニー・グレンジャー]]が[[秘密の部屋]]に戻り、バジリスクの骸骨から牙を抜き取って、[[ヘルガ・ハッフルパフのカップ]]を破壊しました。 =====関連する魔法と物品===== * **[[パーセルタング]] (Parseltongue):** バジリスクを制御するための蛇語。 * **[[バジリスクの牙]] (Basilisk Fang):** 猛毒を含み、[[分霊箱]]を破壊できる数少ない物質の一つ。 * **[[不死鳥の涙]] (Phoenix Tears):** バジリスクの毒に対する唯一の解毒剤。 * **[[グリフィンドールの剣]] (Sword of Gryffindor):** バジリスクの毒を吸収し、[[分霊箱]]を破壊する力を持った。 * **[[マンドレイク]] (Mandrake):** その回復薬はバジリスクによる石化を治療できる。 =====名前の語源===== 「バジリスク (Basilisk)」という名前は、ギリシャ語で「小さな王」を意味する「basiliskos (βασιλίσκος)」に由来します。これは、神話上のバジリスクが頭に王冠のような模様を持つとされたことから来ており、「蛇の王」という別名と一致します。 =====舞台裏情報===== * 『[[ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅 (書籍)]]』では、バジリスクの繁殖が17世紀から非合法化されていることが記されています。(公式副読本) * 映画版『ハリー・ポッターと秘密の部屋』では、バジリスクはより巨大で威圧的な蛇として描かれていますが、原作で言及されたオスの特徴である緋色の羽飾りは見られません。(映画設定)