======パーセルマウス====== =====概要===== パーセルマウス (Parselmouth) とは、蛇の言語である [[パーセルタング]] を理解し、話すことができる魔法使いや魔女を指す、極めて稀な呼称である。この能力は通常、[[サラザール・スリザリン]] の血筋と深く関連しており、魔法界では[[闇の魔法]]や[[闇の魔法使い]]の印として広く恐れられている。 この能力を持つ者は、多くの場合、自分が人間の言語ではなく[[パーセルタング]]を話していることに気づかない。話していない者にとって、その言葉は単なるシューシューという蛇の嘶きにしか聞こえない。 =====能力と特徴===== パーセルマウスの能力は、ほとんどの場合、生まれつきのものであり、血統によって受け継がれる。学習によってこの言語を習得することはほぼ不可能とされるが、例外も存在する。 * **遺伝的特性**: この能力は、[[サラザ-ル・スリザリン]]の子孫である[[ゴーント家]]に代々受け継がれてきた。 * **蛇とのコミュニケーション**: パーセルマウスは、あらゆる種類の蛇と会話し、ある程度はその行動を操ることができる。この能力は、[[ヴォルデモート卿]]が[[秘密の部屋]]にいる[[バジリスク]]を制御するために使用された。 * **世間からの評判**: [[サラザール・スリザリン]]との関連性から、パーセルマウスであることは、しばしばその人物が邪悪であるという偏見を招く。[[ハリー・ポッター]]がこの能力を持っていることが[[ホグワーツ]]で明らかになった際、彼は「スリザリンの継承者」であると疑われ、生徒たちから孤立した。 =====歴史と評判===== この能力の最も有名な保持者は、[[ホグワーツ魔法魔術学校]]の創設者の一人である[[サラザール・スリザリン]]である。彼はこの能力を誇りにしており、[[スリザリン寮]]の紋章にも蛇が描かれている。スリザリンは、自分の子孫だけが[[秘密の部屋]]を開け、そこに潜む怪物を操れるように、部屋の入り口を[[パーセルタング]]でしか開かないように設計した。 この歴史的背景により、[[パーセルタング]]を話す能力は、何世紀にもわたって[[闇の魔法]]と結びつけられてきた。[[ヴォルデモート卿]]がスリザリンの正当な後継者としてこの能力を行使したことで、その悪評はさらに決定的なものとなった。 =====既知のパーセルマウス===== * **[[サラザール・スリザリン]]**: 歴史上最も有名なパーセルマウス。 * **[[ゴーント家]]**: スリザリンの直系の子孫。[[マールヴォロ・ゴーント]]、[[モーフィン・ゴーント]]、[[メローピー・ゴーント]]などがこの能力を持っていた。 * **[[ヴォルデモート卿]]**: 本名[[トム・マールヴォロ・リドル]]。[[ゴーント家]]の最後の末裔であり、この能力を強力な武器として利用した。 * **[[ハリー・ポッター]]**: 例外的なケース。彼はスリザリンの血を引いていないが、赤ん坊の頃に[[ヴォルデモート卿]]の「死の呪い」が跳ね返った際、ヴォルデモートの魂の一部が彼に付着した。この[[分霊箱]]化により、彼は[[パーセルタング]]を話す能力を得た。//[[ハリー・ポッターと死の秘宝]]//において、ヴォルデモートの魂の欠片が破壊された後、彼はこの能力を失った。 * **[[ロン・ウィーズリー]]**: 正確にはパーセルマウスではない。//[[ハリー・ポッターと死の秘宝]]//の[[ホグワーツの戦い]]の最中、[[ハリー・ポッター]]が寝言で発した[[パーセルタング]]の音を真似て、[[秘密の部屋]]の入り口を開けることに成功した。 =====幕後情報===== * **能力の本質**: J.K. ローリングは、パーセルマウスの能力が本質的に悪ではないことを明言している。[[ハリー・ポッター]]や[[アルバス・ダンブルドア]]のような善良な魔法使いも、この言語を(話したり理解したり)できたことがその証拠である。(作者インタビュー) * **ダンブルドアの理解力**: [[アルバス・ダンブルドア]]は[[パーセルタング]]を話すことはできなかったが、理解することはできた。これは、彼が[[憂いの篩]]で[[ゴーント家]]の記憶を分析する際に重要な役割を果たした。 * **古代ギリシャのパーセルマウス**: 古代ギリシャの有名な[[闇の魔法使い]]である「卑劣なるヘルポ」もパーセルマウスであったことが知られている。彼は最初の[[バジリスク]]を創り出した人物でもある。([[幻の動物とその生息地]])