======ピーター・ペティグリューの杖====== =====基本情報===== * タイプ: [[杖]] * 所有者: [[ピーター・ペティグリュー]]、[[ハリー・ポッター]] (第二の杖)、[[ロン・ウィーズリー]] (第二の杖) * 製作者: 不明 (第一の杖、おそらく[[ギャリック・オリバンダー]])、[[ギャリック・オリバンダー]] (第二の杖) =====説明と外観===== ピーター・ペティグリューは生涯で少なくとも二本の杖を所有しました。 * **第一の杖**: ペティグリューが[[ホグワーツ魔法魔術学校]]在学中から[[不死鳥の騎士団]]のメンバーとして活動していた時期まで使用していた杖です。この杖の材質、芯、長さに関する詳細な記述は原作にはありません。1981年に[[シリウス・ブラック]]と対峙した際に、ペティグリューが自身の死を偽装するために使用され、その後行方不明となりました。 * **第二の杖**: 1995年以降にペティグリューが使用した杖で、[[ヴォルデモート卿]]によって与えられました。この杖は**栗の木 (Chestnut)** 製で、長さは**9と4分の1インチ**、芯は**ドラゴンの心臓の琴線 (Dragon heartstring)** です。[[ハリー・ポッター]]が[[マルフォイの館]]でペティグリューから奪い取った際、この杖はもろい感触がしたと描写されています。 =====魔法特性と用途===== * **第一の杖**: ペティグリューはこの杖を使い、強力な爆発呪文で通りを吹き飛ばし、12人の[[マグル]]を殺害しました。この一件は、[[シリウス・ブラック]]に罪を着せ、自らの死を偽装するためのものでした。また、彼は[[動物もどき]] (Animagus) でしたが、その変身術の習得過程でもこの杖が使用されたと考えられます。 * **第二の杖**: この杖は、捕らえられた[[ギャリック・オリバンダー]]がペティグリューのために作るよう強制されたものです。ペティグリューはこの杖を使い、[[ヴォルデモート卿]]の復活の儀式で自らの手を切り落としました。1998年、ハリーがペティグリューからこの杖を力ずくで奪ったことにより、杖の忠誠心はハリーに移りました。しかし、ハリーが使用した際、杖はなじまず、彼の魔法は以前より弱々しいものになりました。これは、[[杖の忠誠心]]が完全にハリーに与えられていなかったため、あるいは杖そのものがペティグリューの卑劣な性質に染まっていたためかもしれません。その後、杖は[[ロン・ウィーズリー]]に渡され、ロンはハリーよりもうまく使いこなすことができました。 =====歴史===== ペティグリューの第一の杖は、1981年に彼が裏切りを完了させた際に失われました。彼は[[シリウス・ブラック]]を追い詰められたように見せかけ、強力な呪文で大混乱を引き起こし、自らの指を切り落として[[ネズミ]]の姿で下水道へ逃げ込みました。残されたのは、杖の所有者が死亡したことを示す証拠の一部として扱われました。 長い潜伏期間を経て、ペティグリューは1995年に[[ヴォルデモート卿]]から新たな杖を与えられました。この第二の杖は、1998年の春に[[マルフォイの館]]の地下牢で起きた戦闘まで彼が使用しました。[[ハリー・ポッター]]と[[ロン・ウィーズリー]]が脱出を試みた際、ペティグリューはハリーに組み伏せられ、杖を奪われました。この出来事により、杖の所有権はハリーに移りました。 ハリーは自身のヒイラギの杖が壊れてしまったため、一時的にこの杖を使用しましたが、その性能に満足することはありませんでした。その後、ロンが自身の壊れた杖の代わりにしばらくこの杖を使用しました。この杖の最終的な行方については、物語の中で言及されていません。 =====物語における役割===== ペティグリューの杖は、彼の裏切りと欺瞞の象徴として物語で重要な役割を果たします。第一の杖は、[[シリウス・ブラック]]が有罪となる決定的な証拠の一部となり、//ハリー・ポッターとアズカバンの囚人//のプロットの根幹をなす出来事を引き起こしました。 第二の杖は、//ハリー・ポッターと死の秘宝//において[[杖の忠誠心]]という複雑な魔法の法則を探る上で重要な小道具となります。ハリーがこの杖を手にしても本来の力を発揮できないという事実は、魔法使いと杖の深いつながりを浮き彫りにし、彼が最終的に[[ニワトコの杖]]の真の主となるための伏線としても機能しています。 =====舞台裏情報===== * 第二の杖の材質、芯、長さの詳細は、J.K. ローリングによって公式サイト(旧Pottermore)で明らかにされました。 * 映画版『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1』では、第二の杖はペティグリューの[[ネズミ]]としての性質を反映したかのような、歪んで節くれだったデザインで描かれています。(映画設定)