======幻の動物とその生息地====== =====基本情報===== * **種類 (Type):** [[ホグワーツ魔法魔術学校]] 指定教科書、魔法生物学関連書籍 * **著者 (Author):** [[ニュート・スキャマンダー]] * **所有者 (Owners):** [[ハリー・ポッター]]、[[ロン・ウィーズリー]]、[[ハーマイオニー・グレンジャー]] をはじめとする多数の [[ホグワーツ魔法魔術学校]] 生徒 * **出版社 (Publisher):** オブスキュラス・ブックス (Obscurus Books) =====概要と外見===== 『幻の動物とその生息地』 (//Fantastic Beasts and Where to Find Them//) は、著名な魔法動物学者[[ニュート・スキャマンダー]]によって執筆された、魔法生物に関する最も権威ある図鑑の一つです。本書は長年にわたり、[[ホグワーツ魔法魔術学校]] の選択科目「[[魔法生物の飼育]]」の指定教科書として採用されています。 [[ハリー・ポッター]]が3年生の時に使用した版は、特に「怪物的な本」として知られています。この版は緑色の表紙を持ち、意図的に傷つけられたような爪痕がついています。タイトルは金色で型押しされていますが、一部が欠けているように見えました。最も顕著な特徴は、本自体に生命が宿っているかのように、不用意に開こうとする者を激しく噛みつくことです。この本を安全に開く唯一の方法は、背表紙を優しく撫でることです。 =====魔法的な特性と用途===== 本書の主な用途は、魔法界に生息する多種多様な魔法生物についての知識を深めるための教材です。それぞれの生物について、詳細な生態、習性、危険度が解説されています。 特筆すべきは、[[魔法省]]が定めた危険度分類が記載されている点です。この分類は「X」から「XXXXX」までの5段階で評価されます。 * **XXXXX:** //魔法使い殺しとして知られる/飼育または懐柔不可能// (例: [[アクロマンチュラ]]、[[バジリスク]]、[[ドラゴン]]) * **XXXX:** //危険/専門知識が必要/熟練魔法使いのみ取扱可能// (例: [[ケンタウルス]]、[[スフィンクス]]) * **XXX:** //有能な魔法使いならば対処可能// (例: [[河童]]、[[ニーズル]]) * **XX:** //無害/飼育可能// (例: [[ノーム]]) * **X:** //退屈// [[ハリー・ポッター]]が所有していた版は、前述の通り、所有者以外を攻撃する防犯魔法がかけられていました。これは、教科書としては極めて珍しい特性です。 =====歴史===== 本書は1927年に[[オブスキュラス・ブックス]]社から初版が発行されました。著者の[[ニュート・スキャマンダー]]が世界中を旅して集めたフィールドワークの成果が結実したものであり、たちまち魔法生物学の標準テキストとしての地位を確立しました。 [[ハリー・ポッター]]が[[ホグワーツ魔法魔術学校]]に入学した1990年代には、すでに第52版を重ねるほどのベストセラーとなっていました。このことからも、本書が長期間にわたり魔法界で広く受け入れられていることがうかがえます。 =====物語における役割===== 『幻の動物とその生息地』は、シリーズ第3巻『[[ハリー・ポッターとアズカバンの囚人]]』で初めて登場します。新たに「[[魔法生物の飼育]]」の教授に就任した[[ルビウス・ハグリッド]]が、3年生の教科書としてこの「怪物的な本」を指定しました。 生徒たちはこの本を制御するのに大変苦労し、[[ダイアゴン横丁]]のフローリシュ・アンド・ブロッツ書店の店員は、乱暴な本を檻に入れて管理していました。この教科書の存在は、[[ハグリッド]]の少し風変わりで危険を顧みない教育方針を象徴するエピソードとして描かれています。物語の中で、本書に記載されている生物([[ヒッポグリフ]]など)が重要な役割を果たします。 =====舞台裏情報===== * **現実世界での出版:** 2001年、著者J.K.ローリングが[[ニュート・スキャマンダー]]名義で、本書を現実世界で出版しました。この本の収益は慈善団体「コミック・リリーフ」に寄付されました。このバージョンには、[[ハリー・ポッター]]や[[ロン・ウィーズリー]]による落書きやメモが書き加えられているという設定で、ファンに楽しまれています。(関連書籍) * **映画シリーズ:** 本書とその著者[[ニュート・スキャマンダー]]は、映画『ファンタスティック・ビースト』シリーズのインスピレーションの源となりました。この映画シリーズは、本書が執筆されるに至ったスキャマンダーの若き日の冒険を描いており、日本語の映画タイトルは「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」です。(映画設定)