======プリベット通り (Privet Drive)======
=====基本情報=====
  * タイプ: [[マグル]]の住宅街
  * 所在地: イギリス、サリー州、[[リトル・ウィンジング]]
  * 所有者 / 居住者: [[ダーズリー家]] ([[バーノン・ダーズリー]]、[[ペチュニア・ダーズリー]]、[[ダドリー・ダーズリー]])、[[ハリー・ポッター]]
  * 主な特徴: 完璧に普通で画一的な外観、[[リリー・ポッター]]の犠牲によって[[アルバス・ダンブルドア]]がかけた強力な[[血の守り]]の魔法
=====概要と歴史=====
プリベット通りは、イギリスのサリー州にある架空の町、[[リトル・ウィンジング]]に位置する、ごくありふれた[[マグル]]の住宅街です。ここの住民、特にプリベット通り4番地に住む[[ダーズリー家]]は、普通であることを何よりも重んじ、奇妙で謎めいた事柄を極度に嫌います。通りの家々はすべて同じようなデザインで、手入れの行き届いた庭があり、退屈なほど整然としています。
この通りの歴史における最も重要な出来事は、1981年11月1日に、赤ん坊の[[ハリー・ポッター]]が叔母である[[ペチュニア・ダーズリー]]の家の玄関先に置き去りにされたことです。[[ヴォルデモート卿]]によって両親を殺害されたハリーを保護するため、[[アルバス・ダンブルドア]]は、母親[[リリー・ポッター]]の自己犠牲による古代の愛の魔法を利用した「[[血の守り]]」をかけました。この魔法は、ハリーが血縁者（ペチュニア）と共に暮らし、その場所を「家」と呼べる限り、[[ヴォルデモート卿]]とその手下から彼を護る強力な盾となりました。この保護は、ハリーが17歳で成人するか、プリベット通り4番地を永久に離れるまで有効でした。
=====物語における役割=====
プリベット通りは、ハリーにとって二重の意味を持つ場所です。
一つは、抑圧と退屈の象徴です。ダーズリー家からの絶え間ない冷遇と、魔法から切り離された[[マグル]]の世界を象徴しており、彼が毎年夏に戻らなければならない苦痛な場所でした。物語の多くは、彼が[[ホグワーツ魔法魔術学校]]へ戻る日を心待ちにする場面から始まります。
もう一つは、皮肉にも彼にとって最も安全な聖域であったという役割です。強力な[[血の守り]]の魔法により、彼が17歳になるまで、[[ヴォルデモート卿]]はプリベット通りで彼に直接手を出すことができませんでした。この安全な避難所という側面は、物語が進むにつれてより明確になります。
**主な出来事:**
  * ハリーが[[ホグワーツからの手紙]]を初めて受け取る。
  * [[ルビウス・ハグリッド]]が訪れ、ハリーに彼が魔法使いであることを告げる。
  * [[屋敷しもべ妖精]]の[[ドビー]]が現れ、ハリーのホグワーツ行きを妨害しようとする。
  * ハリーが誤って[[マージ・ダーズリー]]に魔法をかけてしまい、家を飛び出す。
  * ハリーと[[ダドリー・ダーズリー]]が[[吸魂鬼]] (ディメンター) に襲われる。
  * ハリーがプリベット通りを永久に離れる際、[[不死鳥の騎士団]]による護送作戦が行われ、「[[七人のポッターの戦い]]」が勃発する。
=====既知の区域=====
  * **[[プリベット通り4番地]]**: ダーズリー家の住居であり、ハリーが幼少期から17歳になる直前まで過ごした家。
    * **階段下の物置**: ハリーが11歳まで寝室として与えられていた、狭く埃っぽい物置。
    * **居間**: ダーズリー家が客をもてなしたりテレビを見たりする部屋。大量の[[ホグワーツからの手紙]]が暖炉から噴出した場所でもある。
    * **ダドリーの二番目の寝室**: ハリーがホグワーツ入学後に与えられた、ダドリーのお下がりの部屋。
=====舞台裏情報=====
  * 名前の由来について、作者の[[J・K・ローリング]]は、郊外の生垣としてありふれており、ダーズリー家の個性のなさと正常さへの執着を象徴するものとして「プリベット（//Privet//、イボタノキの意）」という名前を選んだと語っています。(作者インタビュー)
  * 映画版では、『[[ハリー・ポッターと賢者の石]]』の撮影にバークシャー州ブラックネルに実在する家屋が使用されましたが、後の作品ではリーヴスデン・スタジオに建設されたセットが使われました。(映画設定)