======ペベレル家====== =====概要===== ペベレル家は、中世に存在した、歴史的に重要で影響力のある[[純血]]の魔法族の家系である。この一族が魔法界で最もよく知られている理由は、彼らが伝説的な三つの秘宝、すなわち[[死の秘宝]]の最初の所有者であったという事実にある。 [[ビードルの物語]]に収められた『[[三兄弟の物語]]』は、ペベレル家の三兄弟、[[アンチオク・ペベレル]]、[[カドマス・ペベレル]]、そして[[イグノタス・ペベレル]]の実話に基づいていると考えられている。彼らの血筋は後世にまで続き、[[ハリー・ポッター]]と[[ヴォルデモート卿]]という、第二次魔法戦争における宿命の敵対者双方へと繋がっている。 =====歴史===== ペベレル家の最も重要な歴史は、[[死の秘宝]]の起源と密接に結びついている。[[ゼノフィリウス・ラブグッド]]が語り、[[アルバス・ダンブルドア]]もその真実性を認めた『[[三兄弟の物語]]』によると、三人のペベレル兄弟が旅の途中で死の化身である「[[死]]」に出会ったとされる。彼らは協力して危険な川を渡り、「[[死]]」を出し抜いた。 「[[死]]」は彼らの賢さを称えるふりをして、それぞれに望むものを与えることを提案した。 * **[[アンチオク・ペベレル]]**: 長男。彼は誰にも負けない最強の杖を望み、**[[長老の杖]]**を手に入れた。しかし、彼はその力を自慢したために殺害され、杖を奪われた。 * **[[カドマス・ペベレル]]**: 次男。彼は死者を呼び戻す力を望み、**[[蘇りの石]]**を手に入れた。彼は亡くなった恋人を呼び戻したが、彼女が現世に馴染めず苦しむ姿を見て絶望し、自らの命を絶った。 * **[[イグノタス・ペベレル]]**: 三男。最も謙虚で賢明だった彼は、「[[死]]」から隠れるためのものを望み、**[[透明マント]]**を手に入れた。彼はマントを使って長年「[[死]]」の追跡を逃れ、天寿を全うした後にマントを息子に譲り、旧友として「[[死]]」と共に去った。 [[アルバス・ダンブルドア]]は、この物語は寓話であり、実際にはペベレル兄弟が極めて強力で才能ある魔法使いで、自らの力でこれらの秘宝を創り出したのだろうと推測している。 =====遺産と子孫===== ペベレル家の最も永続的な遺産は、彼らが創り出した三つの[[死の秘宝]]と、後世にまで続く二つの主要な血筋である。 * **カドマスの血筋**: 次男カドマスの家系は、時を経て[[ゴーント家]]へと繋がった。[[蘇りの石]]は指輪にはめ込まれ、ゴーント家の家宝として代々受け継がれた。最終的に、その指輪は[[マールヴォロ・ゴーント]]を経て[[ヴォルデモート卿]]の手に渡り、彼の[[分霊箱]]の一つとなった。これにより、ヴォルデモートはカドマス・ペベレルの直系の子孫であることがわかる。 * **イグノタスの血筋**: 三男イグノタスの家系は、代々[[透明マント]]を家宝として受け継ぎ、最終的に[[ポッター家]]へと繋がった。[[ジェームズ・ポッター]]を経て、そのマントは息子の[[ハリー・ポッター]]に受け継がれた。イグノタス自身は[[ゴドリックの谷]]に埋葬されており、彼の墓石には[[死の秘宝]]のシンボルが刻まれている。 この二つの血筋により、[[ハリー・ポッター]]と[[ヴォルデモート卿]]は、非常に遠い血縁関係にあることが示唆されている。 =====既知の構成員===== * **[[アンチオク・ペベレル]]**: 長男。[[長老の杖]]の最初の所有者。 * **[[カドマス・ペベレル]]**: 次男。[[蘇りの石]]の最初の所有者であり、[[ゴーント家]]の祖先。 * **[[イグノタス・ペベレル]]**: 三男。[[透明マント]]の最初の所有者であり、[[ポッター家]]の祖先。 =====幕後情報===== * J.K. ローリングは、ペベレル (Peverell) という姓は、彼女が子供の頃に住んでいた場所の近くで出会った名前から着想を得たと述べている。(J.K. Rowling公式ウェブサイト) * 映画『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1』では、[[ハリー・ポッター]]と[[ハーマイオニー・グレンジャー]]が[[ゴドリックの谷]]の墓地を訪れた際、イグノタス・ペベレルの墓石に[[死の秘宝]]のシンボルがはっきりと描かれているのが映し出される。(映画設定)