======ホグワーツ・エクスプレス====== =====基本情報===== * タイプ (Type): [[魔法道具]]、交通機関 * 所有者 (Owners): [[魔法省]]、[[ホグワーツ魔法魔術学校]] * 製作者 (Maker): 不明([[マグル]]から接収された蒸気機関車を魔法的に改造)(Pottermore) =====記述と外観===== **ホグワーツ・エクスプレス**は、生徒たちをロンドンと[[ホグワーツ]]の間で輸送するために使用される、鮮やかな深紅色の蒸気機関車である。機関車の前面には「ホグワーツ・エクスプレス 5972」と記された銘板が取り付けられている。列車は多数の客車を牽引しており、各客車には生徒たちが学年の友人たちと旅をするためのコンパートメント(個室)がいくつか設けられている。 =====魔法的な特性と用途===== この列車の主な目的は、[[ホグワーツ魔法魔術学校]]の生徒たちを、学期の始めと終わりに安全かつ秘密裏に輸送することである。列車は年に少なくとも6回、ロンドンの[[キングズ・クロス駅]]にある[[9と4分の3番線]]と、ホグワーツ最寄りの[[ホグズミード駅]]との間を往復する。 車内では[[お菓子売りの魔女]]が巡回し、[[蛙チョコレート]]や[[バーティ・ボッツの百味ビーンズ]]といった魔法界の人気のお菓子を販売している。また、列車は生徒たちにとって重要な社交の場であり、新入生が初めて友人を作る場所でもある。各寮の[[監督生]]は、旅の途中で廊下を巡回し、秩序を維持する役目を担っている。 =====歴史===== ホグワーツ・エクスプレスが導入される以前、生徒たちは各自で学校まで辿り着かなければならなかった。移動手段は[[箒]]、[[姿現わし]]、あるいは魔法をかけられた乗り物など多岐にわたったが、これらの方法は安全性が低く、[[マグル]]に目撃される危険性も高かった。[[国際魔法使い機密保持法]]が制定されると、より安全で目立たない移動手段の確保が急務となった。 19世紀初頭、当時の魔法大臣オッタライン・ギャンボルは、マグルが発明した蒸気機関車をこの問題の解決策として採用するという、大胆な提案を行った。魔法省はイングランドのクルーで製造された蒸気機関車を接収し、英国史上最大規模の**隠蔽呪文**と167回もの**忘却呪文**を駆使してこの計画を極秘裏に実行した。こうして、ホグワーツ・エクスプレスは魔法界の所有物となり、生徒たちのための安全な交通手段として定着した。(Pottermore) =====物語における役割===== ホグワーツ・エクスプレスは、シリーズ全体を通じて数多くの重要な出来事の舞台となった。 * **[[ハリー・ポッターと賢者の石]]**: [[ハリー・ポッター]]が初めて[[ロン・ウィーズリー]]と[[ハーマイオニー・グレンジャー]]に出会う場所。ここでの出会いが、三人の友情の始まりとなった。 * **[[ハリー・ポッターとアズカバンの囚人]]**: 列車が[[アズカバン]]から逃亡した[[シリウス・ブラック]]を捜索する[[吸魂鬼]] (ディメンター) によって停車させられる。[[リーマス・ルーピン]]が[[守護霊の呪文]]で吸魂鬼を撃退し、初めてハリーにその存在を示した。 * **[[ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団]]**: ハリーが初めて[[ルーナ・ラブグッド]]と出会い、親交を深める。 * **[[ハリー・ポッターと謎のプリンス]]**: [[ホラス・スラグホーン]]が主宰する「[[スラグ・クラブ]]」の会合が車内で行われる。また、[[ドラコ・マルフォイ]]がハリーを[[全身金縛り術]]で攻撃し、[[透明マント]]の下に置き去りにした。 * **[[ハリー・ポッターと死の秘宝]]**: [[ホグワーツの戦い]]が始まる直前、未成年の生徒たちを避難させるために使用された。物語のエピローグでは、19年後、成長したハリーたちが自身の子どもたちをこの列車で見送るシーンが描かれている。 =====舞台裏情報===== * 映画版『ハリー・ポッター』シリーズで使用された蒸気機関車は、実在するグレート・ウエスタン鉄道4900形5972号機「オルトン・ホール」である。(映画設定) * 機関車の番号「5972」は、原作小説には登場せず、映画化にあたって加えられた設定である。(映画設定)