====== ホグワーツ校長 ====== ===== 概要 ===== ホグワーツ校長 (Headmaster of Hogwarts) は、[[ホグワーツ魔法魔術学校]]における最高の権威を持つ役職です。校長は学校の運営、教育方針、そして生徒の安全に対して最終的な責任を負います。英国魔法界において極めて尊敬され、大きな影響力を持つ地位と見なされています。 ===== 職務と責任 ===== 校長の職務は多岐にわたりますが、主なものは以下の通りです。 * **教職員の任免:** 校長は、各科目の教授や管理人といった職員を自らの判断で採用または解任する権限を持ちます。例として、[[アルバス・ダンブルドア]]は[[リーマス・ルーピン]]や[[ホラス・スラグホーン]]を雇用しました。 * **生徒の懲戒:** 退学処分を含む、生徒に対するあらゆる懲戒処分の最終決定権を持ちます。 * **学校の安全保障:** [[吸魂鬼]]の配置に関する交渉や、[[第二次魔法戦争]]中における城の防衛魔法の強化など、学校全体の安全を守るための措置を講じます。 * **外部機関との連携:** [[魔法省]]との公式な窓口としての役割を担いますが、学校の独立性を守るために省と対立することも少なくありません。 * **儀式における役割:** 学期の始めと終わりに開催される饗宴でスピーチを行い、新入生を歓迎し、学期を総括して寮杯の勝者を発表します。 ===== 特権と権限 ===== * **[[校長室]]:** 校長は、特別な[[パスワード]]によって守られた石のガーゴイルの先にある[[校長室]]への唯一のアクセス権を持ちます。この円形の部屋には歴代校長の肖像画が飾られており、彼らは現職の校長に助言を与えることができます。また、[[組分け帽子]]や[[グリフィンドールの剣]]といった、[[ホグワーツ]]にとって極めて重要な魔法の品が保管されています。 * **学校への支配力:** 校長は[[ホグワーツ城]]そのものと深く結びついており、城の防衛システムや魔法的な仕掛けを制御する力を持っています。[[ドローレス・アンブリッジ]]が不当に校長に就任した際には、[[校長室]]が彼女の入室を拒みました。 * **[[屋敷しもべ妖精]]への命令権:** [[ホグワーツ]]に仕える全ての[[屋敷しもべ妖精]]は、校長に忠誠を誓い、その命令に従います。 ===== 歴代の校長 ===== 物語で言及された、あるいは登場した主な校長は以下の通りです。 - **[[フィニアス・ナイジェラス・ブラック]]**: //スリザリン//出身で、「[[ホグワーツ]]史上最も不人気な校長」と自称しています。その肖像画は[[校長室]]と[[グリモールド・プレイス十二番地]]の両方に飾られ、重要な情報伝達役を果たしました。 - **[[アーマンド・ディペット]]**: [[アルバス・ダンブルドア]]の先代の校長。[[トム・マールヴォロ・リドル]]が「[[秘密の部屋]]」を最初に開けた時代の校長であり、[[リドル]]の策略によって[[ルビウス・ハグリッド]]を退学させました。 - **[[アルバス・ダンブルドア]]**: 物語における中心的な校長であり、数十年にわたってその職を務めました。史上最も偉大な魔法使いの一人とされ、[[ヴォルデモート]]との戦いにおいて[[不死鳥の騎士団]]を率いた指導者です。 - **[[ドローレス・アンブリッジ]]**: [[魔法省]]の権力介入により、「上級尋問官」を経て校長に就任しました。しかし、その正当性は学校自身にも教職員や生徒にも認められず、実質的に校長としての権限を行使できませんでした。 - **[[セブルス・スネイプ]]**: [[アルバス・ダンブルドア]]の死後、[[ヴォルデモート]]が支配する[[魔法省]]によって校長に任命されました。しかし、彼は密かに[[ダンブルドア]]の遺志を継ぎ、[[不死鳥の騎士団]]のスパイとして生徒を守るために行動していました。 - **[[ミネルバ・マクゴナガル]]**: [[ダンブルドア]]の下で長年副校長を務め、彼が不在の際には何度も校長代理として学校を預かりました。[[第二次魔法戦争]]終結後、正式に校長に就任しました。(Pottermore) ===== 後継者の選定 ===== 通常、校長は[[ホグワーツ理事会]]によって選出されます。しかし、[[魔法省]]が「教育令」を発令して介入したり([[アンブリッジ]]のケース)、戦時下のような非常事態において事実上の権力者が指名したり([[スネイプ]]のケース)といった例外も存在します。 ===== 物語における役割 ===== 「ホグワーツ校長」という役職は、単なる学校の管理者にとどまりません。特に[[アルバス・ダンブルドア]]がその地位にあった時代には、[[ヴォルデモート]]と[[死喰い人]]に対する抵抗勢力の最後の砦として、また魔法界の善の象徴として機能しました。 校長の交代は、[[ホグワーツ]]と魔法界全体の政治的な状況を色濃く反映しています。[[アンブリッジ]]や[[スネイプ]]の就任は、それぞれ[[魔法省]]の腐敗と[[ヴォルデモート]]による支配の象徴でした。また、[[校長室]]は、[[ハリー・ポッター]]が[[ダンブルドア]]から重要な真実を学ぶ場所であり、物語の謎を解き明かすための重要な舞台装置として繰り返し登場します。