======ホグワーツ理事会====== =====概要===== ホグワーツ理事会 (Hogwarts Board of Governors) は、[[ホグワーツ魔法魔術学校]] の運営を監督するために設置された12人の理事からなる統治機関である。理事会は学校の全体的な方針に関与し、最も重要な権限として [[校長]] の任免権を持つ。物語の中では、特に [[ルシウス・マルフォイ]] が理事長を務めていた時期に、その権限が [[魔法省]] の政治的圧力や純血主義思想によって濫用される様子が描かれた。 =====権限と役割===== 理事会の主な権限と役割は以下の通りである。 * **校長の任免:** 理事会は [[ホグワーツ魔法魔術学校]] の [[校長]] を任命、および停職・罷免する権限を持つ。これは理事会の最も強力な権限であり、1992年から1993年にかけて [[アルバス・ダンブルドア]] を停職させた際に実際に行使された。 * **学校運営の監督:** 理事会は学校の安全や教育水準に関する問題について監督責任を負う。[[秘密の部屋]] が開かれた際に生徒への襲撃事件が続発したことや、[[バックビーク]] が [[ドラコ・マルフォイ]] を負傷させた事件など、重大なインシデントに対して理事会が対応した。 * **外部からの影響:** 理事会は完全に独立した組織ではなく、[[魔法省]] や影響力のある魔法族、日刊予言者新聞などの世論から強い影響を受ける。[[ルシウス・マルフォイ]] は他の理事たちを脅迫することで、自身の意向に従わせることができた。 =====判明している理事===== 物語の中で名前が明かされている理事は [[ルシウス・マルフォイ]] のみである。 * **[[ルシウス・マルフォイ]]**: 1993年まで理事長を務めていた。純血の名家の当主として強い影響力を持ち、他の理事たちを脅して [[アルバス・ダンブルドア]] の停職決議を強行した。しかし、[[ジニー・ウィーズリー]] が [[秘密の部屋]] に連れ去られた後、他の理事たちの反発に遭い、最終的に理事の座を追われた。 * **他の11人の理事**: 原作において名前は明かされていない。[[ルシウス・マルフォイ]] によって、家族に呪いをかけると脅されるなどして、不本意ながら彼の決定に従っていたことが示唆されている。 =====作中での役割===== * ****[[ハリー・ポッターと秘密の部屋]]**:** 物語の核心的な組織として登場する。[[ルシウス・マルフォイ]] は、[[スリザリンの継承者]] による [[マグル生まれ]] の生徒への襲撃を止められないことを理由に、理事会を動かして [[アルバス・ダンブルドア]] を停職に追い込んだ。これは、[[トム・リドルの日記]] を使った自身の計画を、ダンブルドアの妨害なしに遂行するための策略であった。しかし、[[ジニー・ウィーズリー]] が犠牲になりそうになると、理事たちは自分たちの過ちに気づき、マルフォイの脅迫を退けてダンブルドアの復職を要求した。この事件の後、マルフォイは理事長の職を解任された。 * ****[[ハリー・ポッターとアズカバンの囚人]]**:** [[ドラコ・マルフォイ]] が [[バックビーク]] に負傷させられた事件で、[[ルシウス・マルフォイ]] が理事会に苦情を申し立てたことが言及されている。これがきっかけとなり、[[危険生物処理委員会]] によるバックビークの裁判と処刑決定へと繋がった。 * ****[[ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団]]**:** この巻では、[[コーネリウス・ファッジ]] 率いる [[魔法省]] が [[教育令]] を通じてホグワーツへの直接的な支配を強めたため、理事会の権限は事実上無力化された。[[ドローレス・アンブリッジ]] が「ホグワーツ高等尋問官」に就任し、最終的にダンブルドアを学校から追放したのは、理事会の決定ではなく [[魔法省]] 大臣の権限によるものであった。