======マグル避け呪文====== =====呪文基本情報===== * 呪文名 (Incantation): 不明。特定の呪文ではなく、[[マグル]]を特定の場所から遠ざける効果を持つ呪文の総称。英語では //Muggle-Repelling Charm// と呼ばれる。 * 発音 (Pronunciation): 不明 * 杖の動き (Wand Movement): 不明 * 光の色 (Light Color): 不明、または不可視 * 効果 (Effect): [[マグル]]が魔法のかけられた区域に近づくのを防ぐ。効果の現れ方は複数あり、急用を思い出させてその場を立ち去らせたり、魔法の建築物を廃墟のように見せかけたりする。 * 分類 (Type): [[魔呪 (チャーム)|魔呪]]、[[防御呪文]]、隠蔽呪文 =====既知の用途と歴史===== マグル避け呪文は、[[魔法界]]の存在を[[マグル]]から隠し、[[国際魔法使い機密保持法]]を維持するために不可欠な魔法の一つである。作中では、大規模な魔法イベントの会場や、魔法使いが生活する重要な拠点を隠すために使用されている。 * **[[クィディッチ・ワールドカップ]] (1994年):** 第422回[[クィディッチ・ワールドカップ]]の会場となった荒野には、大規模なマグル避け呪文がかけられていた。これにより、キャンプ場に近づいた[[マグル]]は「急な約束を思い出し」、慌てて引き返していった。ただし、キャンプ場の管理人である[[ロバーツ氏]]のように、その土地から離れられない[[マグル]]に対しては効果が限定的であり、[[魔法省]]の役人が頻繁に[[忘却術]]をかける必要があった。 * **[[ホグワーツ城]]:** [[ホグワーツ魔法魔術学校]]は何世紀にもわたる古代魔法によって守られており、その中には強力なマグル避け呪文も含まれている。[[マグル]]が城に近づくと、彼らの目には「**危険、立ち入り禁止**」という警告看板が掲げられた古い廃墟として映る。この事実は『[[ホグワーツの歴史]]』にも記されている。 * **[[分霊箱]]探しの旅 (1997年-1998年):** [[ハリー・ポッター]]、[[ロン・ウィーズリー]]、[[ハーマイオニー・グレンジャー]]が[[ヴォルデモート卿]]の[[分霊箱]]を探してイギリス中を移動していた際、[[ハーマイオニー・グレンジャー]]は野営するたびにテントの周囲にマグル避け呪文をかけていた。これにより、彼らの隠れ家が[[マグル]]に発見されるのを防いでいた。 =====学習と対抗策===== この呪文の習得難易度について、原作では明確に言及されていない。しかし、17歳の[[ハーマイオニー・グレンジャー]]が日常的に使用していたことから、優秀な魔女や魔法使いであれば[[N.E.W.T.]]レベルの学習で習得可能であると推測される。個人が携帯用の防御として使用することも、[[ホグワーツ城]]のように永続的な大規模防御として組み込むことも可能である。 この呪文に対する特定の[[対抗呪文]]は知られていない。呪文の対象は[[マグル]]のみであり、魔法使いには影響がないため、対抗する必要性が低いと考えられる。 =====名前の語源===== * **マグル避け呪文 (Muggle-yoke jumon):** 日本語の名称は呪文の効果をそのまま説明している。「[[マグル]]」は非魔法族の人間を指し、「避け(よけ)」は動詞「避ける(よける)」から来ており、何かを遠ざける、寄せ付けないという意味を持つ。「呪文(じゅもん)」は魔法の言葉を意味する。 * **Muggle-Repelling Charm:** 英語名も同様に「[[マグル]]を撃退する魔呪」という意味で、非常に直接的な名前である。 =====舞台裏情報===== * マグル避け呪文は、魔法使いの世界と非魔法使いの世界を分離するという『ハリー・ポッター』シリーズの根幹的な世界設定を支える重要な概念である。これにより、なぜ広大な[[ホグワーツ城]]や[[ダイアゴン横丁]]のような場所が[[マグル]]に発見されないのかという疑問に、論理的な説明を与えている。 * 映画版『[[ハリー・ポッターと謎のプリンス]]』では、[[アルバス・ダンブルドア]]が[[ホグワーツ]]の防衛魔法について語るシーンで、この呪文の効果が間接的に言及されている。(映画設定)