======マンドラゴラ====== =====基本情報===== * タイプ (Type): [[魔法植物]] * 別名 (Alias): マンレイク (Mandrake) * 特徴 (Features): 人間(特に赤ん坊)に似た根を持ち、引き抜かれると強力な叫び声を上げる。 * 主な用途 (Main Uses): [[マンドラゴラ回復薬]]の主成分、[[魔法薬学]]の材料、武器 * 取り扱い教員 (Handling Instructor): [[ポモーナ・スプラウト]] ([[薬草学]]教授) =====描写と成長過程===== マンドラゴラは、その根が非常に人間に似た姿をしていることで知られる[[魔法植物]]です。土の中に埋まっている根の部分は、まるで醜い小さな赤ん坊のような姿をしており、まだらな薄緑色の肌をしています。頭頂部からは、植物の葉が直接生えているように見えます。 マンドラゴラは人間と同じように成長し、その過程でいくつかの段階を経ます。 * **苗木**: この段階では、根は人間の赤ん坊そっくりです。その叫び声は、聞いた者を数時間にわたって気絶させる力があります。 * **思春期**: 成長するにつれて、マンドラゴラは人間のティーンエイジャーのように気難しく、秘密主義的になります。この時期には、互いの鉢に移動しようとすることもあります。(『[[ハリー・ポッターと秘密の部屋]]』) * **成熟期**: マンドラゴラが完全に成熟すると、その叫び声は**致死的**となり、直接聞いた者は即死します。成熟の兆候として、彼らが互いの鉢を出入りするようになることが挙げられます。 =====魔法的な特性と用途===== マンドラゴラの最も重要な魔法的特性は、その根と叫び声にあります。 * **[[マンドラゴラ回復薬]]**: 成熟したマンドラゴラを切り刻んで煮込むことで、強力な回復薬である[[マンドラゴラ回復薬]]を調合できます。この薬は、[[呪い]]や[[変身術]]によって[[石化]]させられた人々を元に戻す唯一の治療薬です。 * **武器としての利用**: マンドラゴラの叫び声は、非常に強力な音響兵器として利用できます。苗木の叫び声は敵を無力化し、成熟したものの叫び声は敵を殺害することができます。第二次[[魔法戦争]]における[[ホグワーツの戦い]]では、[[ネビル・ロングボトム]]や他の生徒たちが、襲来する[[死喰い人]]に対してマンドラゴラを投げつけ、武器として使用しました。 =====取り扱いと注意点===== マンドラゴラは非常に危険な植物であるため、取り扱いには最大限の注意が必要です。特に、その叫び声から身を守ることが不可欠です。 * **[[イヤーマフ]]の着用**: マンドラゴラを扱う際は、必ず[[イヤーマフ]](耳あて)を着用しなければなりません。これにより、叫び声の危険な効果を防ぐことができます。 * **植え替え**: [[薬草学]]の授業では、生徒たちは[[イヤーマフ]]を着用し、マンドラゴラを一つの鉢から別の鉢へ植え替える作業を行います。これは基本的ながらも危険を伴う作業です。 =====物語における役割===== * **[[ハリー・ポッターと秘密の部屋]]**: マンドラゴラは物語の核心的な要素として登場します。[[サラザール・スリザリン]]の[[バジリスク]]によって[[石化]]させられた[[ミセス・ノリス]]、[[コリン・クリービー]]、[[ジャスティン・フィンチ=フレッチリー]]、[[ほとんど首無しニック]]、そして[[ハーマイオニー・グレンジャー]]を治療するため、[[ポモーナ・スプラウト]]教授がマンドラゴラを育てることになります。彼らが成熟し、[[セブルス・スネイプ]]が[[マンドラゴラ回復薬]]を完成させるまで、被害者たちは[[医務室]]で待たなければなりませんでした。 * **[[ハリー・ポッターと死の秘宝]]**: [[ホグワーツの戦い]]の際、城の防衛手段の一つとして使用されました。[[ポモーナ・スプラウト]]教授の指示のもと、生徒たちが温室からマンドラゴラを運び出し、城壁の上から[[死喰い人]]の軍勢に向かって投げつけました。 =====名前の由来===== マンドラゴラ (//Mandragora//) は、現実に存在するナス科の植物で、その根が人型に見えることから、古くから多くの神話や伝説で語られてきました。根を引き抜くと悲鳴を上げ、それを聞いた者は死ぬか発狂するという迷信は、ヨーロッパの民間伝承で広く知られており、J.K. ローリングはこの伝説を基に魔法界のマンドラゴラを創造しました。 =====舞台裏の情報===== * 映画版では、マンドラゴラの苗木が鉢から引き抜かれる際の甲高い叫び声と、暴れて[[ドラコ・マルフォイ]]の指に噛みつこうとする様子が視覚的に描かれています。(映画設定) * Pottermoreによると、マンドラゴラは強力で危険なため、魔法省の管理下に置かれているとされています。(Pottermore)