======リドルの館====== =====基本情報===== * タイプ (Type): 邸宅 * 場所 (Location): イギリス、[[リトル・ハングルトン]]村 * 所有者 / 居住者 (Owner/Residents): [[リドル家]] ([[トーマス・リドル]]、[[メアリー・リドル]]、[[トム・リドル・シニア]])、[[フランク・ブライス]] (庭師として敷地内に居住)、[[ヴォルデモート卿]] (一時的な隠れ家として) * 主な特徴 (Key Features): 村を見下ろす丘の上に建つ、かつては壮大だった屋敷。蔦に覆われ、荒れ果てている。 =====説明と歴史===== リドルの館は、[[リトル・ハングルトン]]村で最も大きく壮麗な邸宅であり、丘の上から村と教会を見下ろすように建っていた。かつては地元の名士であった[[リドル家]]の住居だったが、その当主一家は傲慢な性格で村人からは好かれていなかった。 物語開始の約50年前(1943年)、この屋敷の応接間で当主の[[トーマス・リドル]]、その妻[[メアリー・リドル]]、そして息子の[[トム・リドル・シニア]]が、外傷もなく健康体であったにもかかわらず全員死亡しているのが発見された。[[マグル]]の警察は死因を特定できず、屋敷の合鍵を持っていた庭師の[[フランク・ブライス]]が容疑者として逮捕されたが、証拠不十分で釈放された。 この事件の真相は、リドル家の娘[[メローピー・ゴーント]]と[[トム・リドル・シニア]]の間に生まれた16歳の[[トム・マールヴォロ・リドル]](後の[[ヴォルデモート卿]])が、実の父親とその両親を殺害したというものであった。彼は叔父である[[モーフィン・ゴーント]]の杖を使い、[[許されざる呪い]]の一つである[[死の呪い]]で3人を殺害。その後、モーフィンの記憶を改竄して罪を自白させ、自らの犯行を隠蔽した。 この事件以降、リドルの館は所有者が変わったものの住む者はなく、次第に荒廃していった。窓は板で打ち付けられ、屋根の瓦はずれ、壁は蔦に覆われた。地元の子供たちの間では肝試しの場所として知られるようになった。 =====物語における役割===== リドルの館は、**//ハリー・ポッターと炎のゴブレット//** の物語が始まる上で極めて重要な役割を担う。 物語の冒頭、年老いた庭師[[フランク・ブライス]]は、長年空き家だったはずの館に明かりが灯っているのを目撃し、調査に向かう。そこで彼は、弱体化した[[ヴォルデモート卿]]と、そのしもべである[[ワームテール]] ([[ピーター・ペティグリュー]]) が、[[魔法省]]の役人[[バーサ・ジョーキンズ]]の殺害や[[ハリー・ポッター]]の捕獲計画について話し合っているのを盗み聞きする。彼らの会話には[[バーテミウス・クラウチ・ジュニア]]の存在も示唆されていた。 フランクはヴォルデモートのペットの蛇である[[ナギニ]]に発見され、最終的にヴォルデモート卿によって[[死の呪い]]で殺害される。この出来事を[[ハリー・ポッター]]は夢として目撃し、額の傷に激しい痛みを感じて目覚める。この夢は、ヴォルデモートの復活が間近に迫っていることを示す最初の不吉な前兆であり、第四巻全体のプロットの導入部となっている。 =====既知の区域===== * 応接間 (Drawing Room): [[リドル家]]の三人が殺害された部屋。後に[[ヴォルデモート卿]]が[[ワームテール]]と共に潜んでいた。 * 玄関ホール (Entrance Hall): ほこりっぽく、荒れ果てた状態だったと描写されている。 * 庭師の小屋 (Gardener's Cottage): 屋敷の敷地内にあり、[[フランク・ブライス]]が住んでいた小さな家。 =====幕後情報===== * 映画版の//ハリー・ポッターと炎のゴブレット//では、オープニングシーンで[[フランク・ブライス]]が館に侵入し、ヴォルデモートに殺害されるまでの一連の出来事が原作に忠実に、かつ視覚的に描かれている。(映画設定)