======レストレンジ家====== =====概要===== レストレンジ家 (Lestrange family) は、魔法界で最も古く、最も裕福な[[純血]]の魔法族の家系のひとつです。彼らは「[[聖28一族]]」の一員として知られており、純血の優越性を固く信じる思想で悪名高いです。特に20世紀後半には、[[ヴォルデモート卿]]への狂信的な忠誠心と、[[死喰い人]]としての残忍な活動によって、魔法界に恐怖をもたらしました。 =====家族の歴史===== レストレンジ家の血統は古く、その名は19世紀の魔法大臣、ラドルファス・レストレンジにまで遡ります (Pottermore)。しかし、彼らが物語において重要な役割を果たすのは、20世紀に入ってからです。 [[トム・マールヴォロ・リドル]]が[[ホグワーツ魔法魔術学校]]に在学していた時代、既にレストレンジ家の者が彼の初期の追随者、すなわち[[死喰い人]]の前身となる集団に加わっていました。これは、レストレンジ家が早くから[[闇の魔術]]とヴォルデモートの思想に傾倒していたことを示唆しています。 第一次魔法戦争において、レストレンジ家はヴォルデモートの中核的な支持者として活動しました。特に[[ロドルファス・レストレンジ]]と彼の弟[[ラバスタン・レストレンジ]]、そしてロドルファスの妻である[[ベラトリックス・レストレンジ]] (旧姓 ブラック) は、ヴォルデモート失踪後も忠誠を誓い続けました。彼らは、ヴォルデモートの居場所に関する情報を求めて、[[不死鳥の騎士団]]のメンバーであった[[フランク・ロングボトム]]と[[アリス・ロングボトム]]夫妻を[[磔の呪い]]で拷問し、再起不能な精神的ダメージを与えました。この罪により、彼らは[[アズカバン]]への終身刑を宣告されました。 1996年、アズカバンの集団脱獄によって自由の身となった彼らは、直ちにヴォルデモート卿のもとへ馳せ参じ、第二次魔法戦争で再び主要な役割を担いました。彼らは[[神秘部の戦い]]や[[ホグワーツの戦い]]を含む数々の戦闘に参加し、その残虐性で多くの人々を手にかけました。また、ヴォルデモートはレストレンジ家を深く信頼しており、自身の[[分霊箱]]のひとつである[[ハッフルパフのカップ]]を彼らが[[グリンゴッツ魔法銀行]]に所有する金庫に預けていました。 =====既知のメンバー===== * **[[ロドルファス・レストレンジ]] (Rodolphus Lestrange)**: [[ベラトリックス・レストレンジ]]の夫。熱心な[[死喰い人]]であり、ロングボトム夫妻への拷問に関与した。 * **[[ラバスタン・レストレンジ]] (Rabastan Lestrange)**: ロドルファスの弟。兄や義姉と共にロングボトム夫妻を拷問し、[[アズカバン]]に投獄された[[死喰い人]]。 * **[[ベラトリックス・レストレンジ]] (Bellatrix Lestrange)** (旧姓 [[ブラック家|ブラック]] (née Black)): ブラック家出身で、レストレンジ家に嫁いだ魔女。ヴォルデモート卿の最も忠実で危険な部下の一人。極めて強力な闇の魔女であり、そのサディスティックな性格で知られる。 * **リタ・レストレンジ (Leta Lestrange)**: 20世紀初頭の魔女。[[ニュート・スキャマンダー]]の[[ホグワーツ魔法魔術学校|ホグワーツ]]時代の友人であり、彼の兄[[テセウス・スキャマンダー]]の婚約者だった。彼女の複雑な家系の物語は、主に映画『ファンタスティック・ビースト』シリーズで描かれている。(映画『ファンタスティック・ビースト』シリーズ) * **レストレンジ (姓のみ)**: [[トム・マールヴォロ・リドル]]がホグワーツに在学していた頃の、彼の最初の追随者の一人。 * **ラドルファス・レストレンジ (Radolphus Lestrange)**: 1835年から1841年まで[[魔法大臣]]を務めた人物。[[神秘部]]の閉鎖を試みたことで知られる。(Pottermore) =====イデオロギーと評判===== レストレンジ家は、純血の血統を何よりも重視する選民思想に深く染まっています。彼らはマグル生まれや「血を裏切る者」を激しく軽蔑し、魔法界を純血の魔法使いのみで支配するというヴォルデモートの理念を熱狂的に支持しました。 その評判は、//残酷//、//傲慢//、そして//精神的な不安定さ//と密接に結びついており、特にベラトリックスの狂気的な行動によって決定づけられました。彼らは目的のためなら[[許されざる呪文]]の使用を躊躇せず、多くの魔法使いから恐怖と憎悪の対象とされています。 =====関連する場所と物品===== * **[[レストレンジ家の金庫]]**: [[グリンゴッツ魔法銀行]]の地下深くにある、厳重に警備された金庫。ヴォルデモートの[[分霊箱]]である[[ハッフルパフのカップ]]が保管されていた。金庫には[[双子の呪い]]や[[灼熱の呪い]]がかけられ、盲目のドラゴンが番をしていた。 * **レストレンジ家の霊廟 (Lestrange Mausoleum)**: フランスのパリにある一族の墓所。リタ・レストレンジの家系の歴史において重要な場所として登場する。(映画『ファンタスティック・ビースト』シリーズ) =====名前の由来===== 「Lestrange」という姓は、フランス語の //"L'étrange"// に由来していると考えられます。これは「奇妙な者」や「異質な者」を意味し、一族の風変わりで不吉、そして社会から隔絶された性質を的確に表しています。 =====幕後情報===== * レストレンジ家が「[[聖28一族]]」の一つであるという設定は、J.K.ローリングが公式サイト Pottermore で初めて公開したものです。 * リタ・レストレンジをはじめとする20世紀初頭の家族の複雑な背景や歴史の多くは、原作小説には登場せず、映画『ファンタスティック・ビースト』シリーズで詳しく描かれています。