======国際クィディッチ協会====== =====概要===== **国際クィディッチ協会** (International Quidditch Association) は、魔法界で最も人気のあるスポーツ、[[クィディッチ]]の国際的な統括団体である。この組織は、[[クィディッチ]]の公式ルールの制定と更新、4年ごとに開催される[[クィディッチ・ワールドカップ]]の主催、そしてスポーツの公正性を維持するための国際的な監督責任を担っている。その活動は、[[マグル]]に魔法界の存在を気付かせないよう、[[国際魔法使い機密保持法]]を遵守しながら行われる。 =====基本情報===== * **種類:** [[クィディッチ]]の国際統括団体 * **設立:** 不明(ただし、1473年に第1回[[クィディッチ・ワールドカップ]]を主催していることから、それ以前に設立されたことは確実である) * **主な役割:** * [[クィディッチ]]の国際公式ルールの制定・管理 * [[クィディッチ・ワールドカップ]]の計画と運営 * 国際試合における選手の行動規範や用具に関する規定の施行 * [[クィディッチ]]の国際的な普及と発展 =====歴史と役割===== 国際クィディッチ協会の設立時期は明確ではないが、その存在が不可欠となったのは、[[クィディッチ]]が国際的な人気を獲得し始めた中世以降である。1473年には、記録上最初の[[クィディッチ・ワールドカップ]]を主催した。この大会の決勝戦では、後に「記録されている限りのすべてのファウル」とされる約700もの反則行為が記録され、協会が厳格なルールを整備する必要性を浮き彫りにした(『[[クィディッチ今昔]]』)。 1692年に[[国際魔法使い機密保持法]]が施行されると、協会の役割はさらに重要になった。何千人もの魔法使いが一同に会するワールドカップのような大規模イベントを、[[マグル]]の目を盗んで開催することは極めて困難な課題となり、協会は各国の[[魔法省]]と連携し、厳重な秘密保持措置を講じるようになった。 協会は、試合の安全性を確保し、公平性を保つために数多くのルールを導入してきた。例えば、試合中に選手が対戦相手に[[杖]]を使用することを禁止する規則(1538年制定)や、[[ゴールデンスニッチ]]の捕獲によって試合が終了し、捕獲したチームに150点が与えられるという中心的なルールを正式化したのもこの協会である。 =====著名な規則と決定===== * **ファウルのリスト化:** 1473年のワールドカップで発生した700のファウルをすべて記録し、公式な反則リストの基礎とした(『[[クィディッチ今昔]]』)。 * **杖の使用禁止:** 1538年、試合中における対戦相手への[[杖]]の使用を全面的に禁止した(『[[クィディッチ今昔]]』)。 * **ストゥージングの禁止:** チェイサーが相手チームのキーパーを複数人でゴールポストから突き飛ばす戦術「ストゥージング (Stooging)」を反則行為に指定した(『[[クィディッチ今昔]]』)。 * **ブルージェン (Blatching):** 相手選手を妨害する意図で衝突する行為「ブルージェン (Blatching)」を禁止した(『[[クィディッチ今昔]]』)。 * **チームロゴへの介入:** ポルトリー・プライド・オブ・プレイスのロゴが、[[呪い]]をかけられたデザートスプーンから取られたデザインだったため、協会が介入し、2つの「C」と1つの「V」を組み合わせたものに変更させた逸話がある(『[[クィディッチ今昔]]』)。 =====作中での言及===== 『[[ハリー・ポッターと炎のゴブレット]]』で言及される1994年の[[クィディッチ・ワールドカップ]]では、運営組織として「**[[国際魔法使い連盟]][[クィディッチ]]委員会** (International Confederation of Wizards' Quidditch Committee - ICWQC)」という名称が登場する。これは、国際クィディッチ協会そのものであるか、あるいは[[国際魔法使い連盟]]の下に設置された下部組織である可能性が高い。両者の正確な関係は原作では明記されていないが、国際的な[[クィディッチ]]の試合を管轄するという点で、その役割は一致している。 =====幕後情報===== * 「国際クィディッチ協会」という名称と、その歴史や規則に関する詳細な設定の大部分は、J.K. ローリングが慈善活動のために執筆したコンパニオンブック『[[クィディッチ今昔]]』に由来する。この本は、[[ホグワーツ]]の図書館の蔵書という設定で書かれている。 * 本編シリーズ(特に『[[ハリー・ポッターと炎のゴブレット]]』)で言及される「[[国際魔法使い連盟]][[クィディッチ]]委員会」と『[[クィディッチ今昔]]』で語られる「国際クィディッチ協会」が同一の組織を指すのか、あるいは別組織なのかは、ファンの間でも議論の対象となることがある。一般的には、ほぼ同等の機能を持つ組織として解釈されている。