======干しイラクサ====== =====基本情報===== * タイプ (Type): [[魔薬]]の材料 * 主な使用者 (Owners): [[魔薬]]の作り手、[[ホグワーツ魔法魔術学校]]の生徒 * 出所 (Maker): 自然産物([[イラクサ]]を乾燥させたもの) =====概要と外見===== 干しイラクサ (Dried Nettles) は、[[イラクサ]]という植物の葉や茎を乾燥させたもので、基本的な[[魔薬]]の材料の一つである。新鮮な状態では刺毛に触れると痛みを伴うが、乾燥させたり調理したりすることでその性質は失われる。外見に関する詳細な描写は原作にはないが、一般的には暗緑色の乾燥した植物片の形をしていると考えられる。 [[ホグワーツ魔法魔術学校]]では一年生の必携品リストに含まれており、最も初歩的な[[魔薬]]の授業から使用される基本的な材料である。 =====魔法的な特性と用途===== 干しイラクサは、主に治癒や回復に関連する特性を持つと考えられる。物語で確認されている主な用途は以下の通りである。 * **[[おできを治す薬]]の材料:** [[ハリー・ポッター]]が受けた最初の[[魔薬]]の授業で、[[セブルス・スネイプ]]教授の指導のもと製造したのが「[[おできを治す薬]] (Boil-Cure Potion)」であり、干しイラクサはその主成分の一つであった。この薬は、名前の通りおできや吹き出物を治す効果がある。 * **[[イラクサ酒]]の原料:** 魔法界で飲まれる「[[イラクサ酒]] (Nettle Wine)」の原料となる。この飲み物は薬効があるとされ、様々な場面で登場する。 * [[クィディッチ・ワールドカップ]]での騒乱後、精神的なショックを受けた[[モリー・ウィーズリー]]夫人に勧められた。 * [[ポモーナ・スプラウト]]教授は、病気になった[[マンドレイク]]の治療薬として[[イラクサ酒]]を言及している。 * [[ルビウス・ハグリッド]]は、[[アクロマンチュラ]]の[[アラゴグ]]の葬儀の後、悲しみを紛らわすために[[ハリー・ポッター]]たちに[[イラクサ酒]]を振る舞った。 =====歴史===== 干しイラクサは、魔法界において古くから利用されてきた基本的な薬草である。[[ホグワーツ]]の一年生の教科書リストに「[[魔薬]]の基本材料一揃い」が含まれていることから、魔法使いの子どもたちが最初に触れる[[魔薬]]材料の一つであることがわかる。 [[ハリー・ポッター]]の世代においては、[[セブルス・スネイプ]]教授の最初の授業で扱われた。この授業中、[[ネビル・ロングボトム]]が干しイラクサを入れるタイミングを間違え、[[大鍋]]を溶かしてしまうという出来事が起こった。 =====物語における役割===== 干しイラクサは、物語の導入部において、[[魔薬]]学という科目の具体的なイメージを読者に提示する上で重要な役割を果たした。[[ハリー・ポッター]]が初めて挑む[[魔薬]]作りを通して、その世界の緻密なルールや、材料を正しく扱うことの重要性、そして[[セブルス・スネイプ]]教授の厳格で理不尽な指導スタイルが読者に示された。 また、[[イラクサ酒]]という形で繰り返し登場することで、魔法界の日常的な文化や民間療法の一端を描き出し、世界観に深みを与えている。 =====舞台裏情報===== * イラクサ (Nettle, 学名: //Urtica dioica//) は、[[マグル]]の世界にも実在する植物である。ヨーロッパやアジアに広く分布し、古くから薬草や食用として利用されてきた。現実世界でも、ハーブティーやスープ、利尿作用や抗炎症作用を持つ伝統薬として用いられる。 * J.K. ローリングは、しばしば現実世界の民間伝承や薬草学の知識を魔法界の植物や[[魔薬]]の設定に取り入れており、干しイラクサもその一例である。