======チョコレート・フロッグ・カード====== =====基本情報===== * タイプ (Type): [[魔法道具]]、収集品 * 所有者 (Owners): [[魔法使い]]や[[魔女]]全般、特に[[ロン・ウィーズリー]]、[[ハリー・ポッター]]、[[ネビル・ロングボトム]]などの[[ホグワーツ]]の生徒 * 製造者 (Maker): 不明 ([[チョコレート・フロッグ]]の製造者) =====記述と外観===== チョコレート・フロッグ・カードは、お菓子の[[チョコレート・フロッグ]]に一枚ずつ同封されている、五角形のカードである。表面には有名な[[魔女]]や[[魔法使い]]の動く立体的な肖像画が描かれている。この肖像画は、[[ホグワーツ]]城内の絵画のように動き、時にはカードのフレームから一時的に姿を消すこともある。 カードの裏面には、その人物の簡単な経歴や功績が記されており、魔法界の歴史を学ぶ上での小さな情報源となる。 =====魔法の特性と用途===== このカードの主な用途は、若い[[魔法使い]]たちの間での収集や交換である。これは[[マグ]]ルの世界のトレーディングカードに似た文化であり、子供たちの間で人気の趣味となっている。 カードにかけられた魔法により、肖像画は生きているかのように振る舞う。最も顕著な特徴は、肖像画の人物がカードのフレームから出入りできる点である。[[ハリー・ポッター]]が[[ホグワーツ特急]]で初めて手に入れた[[アルバス・ダンブルドア]]のカードでは、[[ダンブルドア]]がにっこり笑った後、フレームから姿を消してしまった。 また、裏面の伝記は単なるおまけではなく、時に重要な情報を提供する。物語の中で、[[ハリー]]、[[ロン]]、[[ハーマイオニー・グレンジャー]]は[[ダンブルドア]]のカードに書かれていた「[[錬金術]]師[[ニコラス・フラメル]]のパートナー」という記述から、[[賢者の石]]の謎を解く決定的な手がかりを得た。 =====歴史===== カード自体の起源や製造の歴史について、原作小説で詳細に語られてはいない。しかし、[[チョコレート・フロッグ]]のおまけとして長年にわたり魔法界で親しまれている、ごく一般的な文化の一部であることが示唆されている。[[ロン・ウィーズリー]]の発言から、カードの収集が一般的な趣味であり、子供たちは全種類を集めようと競い合っていることがうかがえる。 =====物語における役割===== このカードは、物語、特に第一巻『[[ハリー・ポッターと賢者の石]]』において極めて重要な役割を果たす。 * **プロットの推進**: [[ハリー]]が[[ホグワーツ特急]]で初めて手にした[[アルバス・ダンブルドア]]のカードが、[[賢者の石]]の創造者である[[ニコラス・フラメル]]を特定する決定的な手がかりとなった。図書館で名前を見つけられずに行き詰まっていた三人組は、このカードの裏面の記述によって調査を大きく前進させることができた。 * **世界観の構築**: このカードを通じて、[[ハリー]]と読者は魔法界の著名な人物や歴史を知ることになる。ハリーが[[ダンブルドア]]の偉大さ([[グリフィンデルバルド]]を打ち破ったことなど)を具体的に知るのもこのカードがきっかけである。また、[[魔法使い]]の日常的な文化を描写し、世界に深みを与えている。 * **キャラクターの描写**: [[ロン・ウィーズリー]]が熱心な収集家であることは、彼が魔法界で育ったことを示す象徴的な特徴である。彼は「同じカードを6枚も持っている」と不満を言うなど、収集家としての一面を見せ、[[ハリー]]にカードの仕組みや価値を教えた。これは二人の友情の始まりを彩る重要な要素となった。 =====舞台裏情報===== * J.K. ローリングは公式サイトPottermore(現在のWizarding World)で、原作には登場しなかった多くの[[魔女]]や[[魔法使い]]のカードを公開している。(Pottermore) * 初期の『ハリー・ポッター』シリーズのビデオゲームでは、チョコレート・フロッグ・カードが主要な収集アイテムとして登場し、プレイヤーは城の至る所でカードを見つけることができた。(ゲーム設定) * 映画版では、カードは原作通りの五角形ではなく、長方形として描かれているシーンもある。(映画設定) * [[ロン・ウィーズリー]]は『[[ハリー・ポッターと賢者の石]]』の時点で約500枚のカードを所有していたが、まだ[[アグリッパ]]と[[プトレマイオス]]を持っていなかった。