======生ける屍====== //この記事は魔法生物について解説しています。同名の[[魔法薬]]については[[生ける屍の水薬]]の項目を参照してください。// =====基本情報===== * タイプ (Type): [[闇の魔術]]によって生み出された魔法生物、動く死体 * 所有者 (Owners): [[ヴォルデモート卿]]、その他の[[闇の魔法使い]] * 製造者 (Maker): [[闇の魔法使い]] =====描述与外观===== 生ける屍 (インフェリウス, Inferius) は、[[闇の魔術]]によって魔法をかけられ、術者の操り人形として動く人間の死体である。外見は死体そのものであり、氷のように冷たく、青白い肌をしており、目は窪んで何も見ていない。長期間水中に潜んでいることが多く、その姿はやつれて恐ろしい印象を与える。 『[[ハリー・ポッターと謎のプリンス]]』で[[ハリー・ポッター]]と[[アルバス・ダンブルドア]]が遭遇した生ける屍は、やせ衰えた男女や子供の姿をしており、全員が白く濁った目を持っていた。 =====魔法特性与用途===== 生ける屍は、術者である[[闇の魔法使い]]の命令を忠実に実行する番人として利用される。彼らは自身の意思や魂を持たず、思考能力もないため、複雑な障害を乗り越えることはできない。しかし、物理的な力は非常に強く、集団で獲物に襲いかかる。主な攻撃方法は、犠牲者を生きたまま水中に引きずり込み、溺死させることである。 彼らの最大の弱点は**熱**と**光**であり、これらを極端に恐れる性質を持つ。したがって、[[インセンディオ]]のような炎を生み出す呪文が最も効果的な対抗策となる。[[アルバス・ダンブルドア]]は巨大な火の縄を操り、湖から現れた無数の生ける屍を退けた。 =====歴史===== 生ける屍の軍団を組織するという考えは、[[ヴォルデモート卿]]以前にも存在した。悪名高い[[闇の魔法使い]]である[[ゲラート・グリンデルバルド]]も、生ける屍の軍隊を組織することを計画していたとされる。 [[ヴォルデモート卿]]は、自身の[[分霊箱]]の一つである[[サラザール・スリザリンのロケット]]を隠した洞窟の湖に、彼が殺害したであろう魔法使いや[[マグル]]の死体からなる無数の生ける屍を配置した。これらは、[[分霊箱]]に近づこうとする侵入者を排除するための、恐るべき防衛機構であった。 また、[[アルバス・ダンブルドア]]は『吟遊詩人ビードルの物語』の注釈の中で、生ける屍と[[蘇りの石]]によって呼び戻された者の違いを明確に説明している。生ける屍は魂のないただの操り人形であるのに対し、[[蘇りの石]]で呼び戻された者は、元の人物の魂の影を伴っている。 =====在故事中的作用===== 生ける屍は、『[[ハリー・ポッターと謎のプリンス]]』のクライマックスで重要な役割を果たす。[[ハリー・ポッター]]と[[アルバス・ダンブルドア]]が[[分霊箱]]を求めて洞窟を訪れた際、[[分霊箱]]を護っていた[[絶望の薬]]をダンブルドアが飲み干した後、湖から出現した。 ハリーが湖の水を飲もうとしたことで生ける屍の集団が目覚め、彼を水中に引きずり込もうとする。衰弱しきっていたダンブルドアは最後の力を振り絞り、強力な炎の魔法で生ける屍を撃退し、ハリーを救った。この戦いでダンブルドアは魔力を大幅に消耗し、その後の天文台の塔での[[セブルス・スネイプ]]との対決、そして死に至る悲劇の遠因となった。この出来事は、[[ヴォルデモート卿]]の残忍さと、人間の命を道具としてしか見なさない非道な性質を象徴している。 =====幕后信息===== * **名前の由来**: 英語名の **Inferius** (複数形: Inferi) は、ラテン語で「下方の」「地下の」を意味する //inferus// に由来する。これはローマ神話における冥界の神々や死者の霊を指す言葉 //Di Inferi// と関連しており、死者から作られるこの生物の性質を的確に表している。 * **ゾンビとの違い**: 生ける屍は、マグル文化におけるゾンビとしばしば比較されるが、いくつかの点で異なる。彼らは知性を持たず、肉体を食らうといった欲求もなく、完全に術者の命令下にあるという点で、魔法によって動かされる精巧な人形に近い存在である。