======真実薬====== =====基本情報===== * タイプ (Type): [[魔薬]] * 所有者 (Owners): [[魔法省]]、[[セブルス・スネイプ]]、[[ドローレス・アンブリッジ]]、[[ホラス・スラグホーン]] (所持) * 製造者 (Maker): 不明(熟練した[[魔法薬学]]の専門家が調合可能) =====記述と外観===== 真実薬は、無色無臭の液体であり、見た目は水と区別がつきません。[[セブルス・スネイプ]]によれば、わずか**三滴**で、飲んだ者は誰に対しても心の奥底にある秘密を洗いざらい話してしまうとされています。その強力さから、現在知られている中で最も強力な「真実を吐かせる薬」と見なされています。 =====魔法の特性と用途===== 真実薬を飲んだ者は、尋問者からの質問に対して真実のみを語ることを強制されます。しかし、その効果は絶対的なものではなく、いくつかの対抗策や限界が存在します。 * **解毒剤 (Antidote):** 真実薬の効果を打ち消すための[[解毒剤]]が存在します。 * **閉心術 (Occlumency):** 熟練した[[閉心術]]士は、薬の効果に抵抗し、精神を防御することができると考えられています。[[ドローレス・アンブリッジ]]は、[[アルバス・ダンブルドア]]ほどの強力な魔法使いにはこの薬が効かないだろうと推測していました。 * **法的制限 (Legal Restrictions):** [[魔法省]]はその使用を厳しく管理しています。[[ハーマイオニー・グレンジャー]]が指摘したように、尋問や裁判で安易に使用することは許されていません。これは、薬の信頼性が完全ではないことや、倫理的な問題が関係しているためです。 =====物語における役割===== 真実薬は物語の重要な局面で何度か登場し、真実を暴くための強力な手段として、また倫理的なジレンマを提示する道具として機能します。 * **[[ハリー・ポッターと炎のゴブレット]]において:** - [[セブルス・スネイプ]]が、自身の薬品棚から材料を盗んだ犯人だと疑い、[[ハリー・ポッター]]を脅迫するために使用を示唆しました。 - 物語のクライマックスで、正体を現した[[バーテミウス・クラウチ・ジュニア]]に[[アルバス・ダンブルドア]]が使用し、[[ヴォルデモート]]卿の復活に関する全ての計画を自白させました。 * **[[ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団]]において:** - [[ドローレス・アンブリッジ]]が[[ダンブルドア軍団]]の活動についてハリーを尋問するために使用しようとしましたが、スネイプが偽の薬を渡したため失敗に終わりました。彼女は他の生徒にも使用を試みていました。 * **[[ハリー・ポッターと謎のプリンス]]において:** - ハリーは[[ヴォルデモート]]の[[分霊箱]]に関する重要な記憶を引き出すため、[[ホラス・スラグホーン]]に真実薬を使うことを考えましたが、最終的には倫理的な理由と成功率を考慮し、[[幸運の液体]] ([[フェリックス・フェリシス]]) を使用することを選びました。 * **[[ハリー・ポッターと死の秘宝]]において:** - [[リータ・スキーター]]が『アルバス・ダンブルドアの真っ白な人生と真っ黒な嘘』を執筆する際、情報源である[[バチルダ・バグショット]]に真実薬を使い、情報を不法に引き出したことを告白しています。 =====名前の語源と舞台裏情報===== * **名前の語源 (Etymology):** - 英語名の **Veritaserum** はラテン語に由来します。//Veritas// はラテン語で「**真実**」を意味し、//serum// は「**血清、液体**」を意味します。合わせて「真実の液体」となります。 * **作者による補足 (Author's Commentary):** - J.K. ローリングは、なぜ魔法界の法廷で真実薬が常用されないのかについて説明しています。彼女によれば、この薬は[[解毒剤]]や[[閉心術]]によって効果を防ぐことが可能であり、また、薬を飲んだ者は嘘をつけなくなるものの、質問に対して沈黙したり、誤解を招くような部分的な真実を語ったりすることはできるため、法的な証拠として絶対的な信頼性を持つわけではないとされています。(Pottermore)