======礼服ローブ====== =====基本情報===== * タイプ (Type): [[魔法使い]]と[[魔女]]のための正装 * 所有者 (Owners): 様々な[[魔法使い]]や[[魔女]]。特に[[ハリー・ポッター]]、[[ロン・ウィーズリー]]、[[ハーマイオニー・グレンジャー]]などが物語の中で着用した。 * 製造者 (Maker): 特定の製造者は不明だが、[[ダイアゴン横丁]]にある[[マダム・マルキン]]の洋装店などの専門店で販売されている。 =====描写と外見===== 礼服ローブは、[[魔法界]]における公式な場や祝祭の際に着用される特別な衣装です。デザイン、色、素材は多岐にわたり、着用者の好みや経済状況、そして時代の流行を反映しています。//ハリー・ポッターと炎のゴブレット//で描かれた[[クリスマス・ダンスパーティ]]では、様々なスタイルの礼服ローブが登場しました。 * **[[ロン・ウィーズリー]]**: 年代物で、くすんだ栗色(マルーン色)のベルベット製。襟と袖口にはカビ臭いレースの飾りがびっしりと付いており、ロン自身は「テシー大おばさんのドレスみたいだ」と酷評した。 * **[[ハリー・ポッター]]**: [[ウィーズリー夫人]]が買ってくれた、ボトルグリーンのローブ。ハリー自身は特に不満はなかった。 * **[[ハーマイオニー・グレンジャー]]**: 流れるような勿忘草色(ペリウィンクルブルー)の生地で作られており、彼女の印象を大きく変え、多くの生徒を驚かせた。 * **[[ビクトール・クラム]]**: 深紅色のローブを着用。 * **[[フラー・デラクール]]**: 銀灰色のサテンでできたローブを着用。 * **[[パーバティ・パチル]]**: 鮮やかなショッキングピンクのローブ。 * **[[パドマ・パチル]]**: 明るいターコイズブルーのローブ。 * **[[アルバス・ダンブルドア]]**: 星の刺繍が施された、深いプラム色のローブ。 また、//ハリー・ポッターと謎のプリンス//における[[ホラス・スラグホーン]]のクリスマス・パーティーでは、スラグホーン自身が孔雀の羽で縁取られた豪華な錦のローブを着用していました。 =====魔法的な特性と用途===== 礼服ローブ自体に特殊な魔法の力が付与されているという記述は原作にはありません。その主な機能は、マグル社会のタキシードやイブニングドレスと同様に、社会的・文化的なものです。 着用される主な場面は以下の通りです。 * **ダンスパーティー**: [[三大魔法学校対抗試合]]の際に行われた[[クリスマス・ダンスパーティ]]が最も代表的な例。 * **結婚式**: [[ビル・ウィーズリー]]と[[フラー・デラクール]]の結婚式では、参列者の多くが礼服ローブを着用した。 * **フォーマルな祝宴**: [[ホラス・スラグホーン]]が主催したクリスマス・パーティーなど。 * **[[魔法省]]の公式行事** このように、礼服ローブは[[魔法界]]の重要な社交行事において、敬意と祝意を示すための不可欠な服装とされています。 =====歴史===== 礼服ローブの明確な起源は不明ですが、ロンのローブが何世代も前のものであることから、その習慣は古くから[[魔法界]]に根付いていることが示唆されます。1994年の[[三大魔法学校対抗試合]]の際には、[[ホグワーツ魔法魔術学校]]の四年生以上の生徒に対して、[[クリスマス・ダンスパーティ]]への参加に際して礼服ローブの準備が義務付けられました。これは、この種の衣装が特別な教育的・社交的行事の一環として公式に認識されていることを示しています。 =====物語における役割===== 礼服ローブは、特に//ハリー・ポッターと炎のゴブレット//において、物語に深みを与える重要な役割を果たしました。 * **登場人物の成長の象徴**: 礼服ローブとダンスパーティーの準備は、ハリー、ロン、ハーマイオニーたちが子供時代の冒険から、思春期の複雑な人間関係や社会性へと足を踏み入れる転換点を象徴しています。 * **キャラクターの背景描写**: ロンが古臭いお下がりのローブを恥じる様子は、ウィーズリー家の経済的な苦境と、ロン自身の劣等感を浮き彫りにしました。 * **人間関係の進展**: ハーマイオニーが美しいローブ姿で登場し、皆を驚かせた場面は、彼女の新たな一面を読者に示すと共に、ロンが彼女に対して抱く複雑な感情のきっかけとなりました。 * **世界観の構築**: 礼服ローブの存在は、[[魔法界]]がマグル社会とは異なる独自の文化や慣習を持つことを具体的に示し、物語の世界をより豊かにしています。 =====舞台裏情報===== * **映画版での変更**: 映画「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」では、ハーマイオニーの礼服ローブの色が原作の勿忘草色(ペリウィンクルブルー)からピンクのドレスに変更されました。これは、視覚的な華やかさを重視した映画独自の演出です。(映画版設定) * **デザインの多様性**: 映画シリーズ全体を通して、魔法使いの服装は原作の描写よりも現代的なマグルのファッションに近いデザインが採用される傾向にあり、礼服ローブもその影響を受けて様々なデザインで描かれました。(映画版設定)