======第一の課題====== =====概要===== **第一の課題** (The First Task) とは、1994年から1995年にかけて[[ホグワーツ魔法魔術学校]]で開催された[[三校対抗試合]]における最初の競技である。この課題の目的は、各校の代表選手が巣を守る母ドラゴンと対峙し、そのドラゴンが守っている**[[金色の卵]]**を奪取することであった。この課題は、選手の勇気と、危険な状況下で冷静に魔法を操る能力を試すものである。 =====課題の詳細===== * **目的:** 各代表選手は、それぞれに割り当てられた巣を守る母ドラゴンの群れから、[[金色の卵]]を一つ盗み出す。この卵には[[第二の課題]]への手がかりが隠されている。 * **場所:** [[ホグワーツ]]の敷地内、[[禁じられた森]]の端に特別に設けられた石造りの闘技場。 * **ドラゴン:** [[魔法省]]の[[魔法生物規制管理部]]によって、四種類の異なるドラゴンがルーマニアから運び込まれた。選手たちは、試合直前に[[バーテミウス・クラウチ・シニア]]が持つ紫色の袋から、自分が対戦するドラゴンのミニチュアモデルを引いて対戦相手を決定した。 * [[セドリック・ディゴリー]]: [[スウェーデン・ショート-スナウト種]] * [[フラー・デラクール]]: [[ウェールズ・グリーン種]] * [[ビクトール・クラム]]: [[中国火の玉種]] (チャイニーズ・ファイアボール) * [[ハリー・ポッター]]: [[ハンガリー・ホーンテール種]] * **採点:** 五人の審査員([[アルバス・ダンブルドア]]、[[イゴール・カルカロフ]]、[[オリンペ・マクシーム]]、[[バーテミウス・クラウチ・シニア]]、[[ルード・バグマン]])が、各選手のパフォーマンスをそれぞれ10点満点で評価し、その合計点で順位を決定する。 =====物語における役割===== ====準備==== 規則では、選手は課題の内容を事前に知ることは許されていなかったが、実際にはすべての選手がドラゴンの存在を事前に知っていた。[[ハリー・ポッター]]は[[ルビウス・ハグリッド]]からこっそりとドラゴンを見せてもらい、その後、公平を期すためにライバルである[[セドリック・ディゴリー]]にもその情報を伝えた。[[イゴール・カルカロフ]]と[[オリンペ・マクシーム]]も、それぞれ自校の代表選手である[[ビクトール・クラム]]と[[フラー・デラクール]]に情報を流していた。 ハリーは、[[アラスター・ムーディ]](正体は[[バーテミウス・クラウチ・ジュニア]])から、自身の飛行技術を活かすよう巧妙に助言された。これを受け、彼は[[ハーマイオニー・グレンジャー]]の助けを借りて、呼び寄せ呪文「[[アクシオ]]」を必死に練習した。 ====各選手の挑戦==== - **[[セドリック・ディゴリー]]:** 彼は闘技場内の岩の一つを犬に変身させ、ドラゴンの注意をそらす作戦をとった。作戦は部分的に成功したが、ドラゴンは途中で犬への興味を失い、セドリックの方へ向き直って炎を吐いた。彼は顔に火傷を負いながらも、見事に卵を確保した。 - **[[フラー・デラクール]]:** 彼女はドラゴンを眠らせる魔法の歌のような呪文をかけた。ドラゴンはうとうとし始めたが、いびきと共に吐き出した炎が彼女のスカートに燃え移ってしまった。彼女は杖から水を噴射して火を消し、卵を手に入れた。 - **[[ビクトール・クラム]]:** 彼は[[中国火の玉種]]の目を狙って[[結膜炎の呪い]]をかけた。これは効果的だったが、苦痛で暴れたドラゴンが本物の卵の半分を踏み潰してしまったため、審査員から減点されることになった。 - **[[ハリー・ポッター]]:** 彼は呼び寄せ呪文を使い、自身の箒である[[ファイアボルト]]を呼び出した。そして、優れた飛行技術を駆使して[[ハンガリー・ホーンテール種]]を挑発し、巣から遠ざけた隙に急降下して卵を奪取した。その際、ドラゴンの尾の棘で肩を負傷した。 ====結果==== [[ハリー・ポッター]]と[[ビクトール・クラム]]は、それぞれ40点を獲得し、同点で一位となった。選手たちが手に入れた[[金色の卵]]は、水中で開けることによって[[第二の課題]]の謎を解くための手がかりとなる、気味の悪い歌を奏でた。 =====幕後情報===== * 映画『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』では、第一の課題は原作よりも大幅に脚色されている。(映画設定) * 原作では闘技場の中だけで完結するが、映画では[[ハリー・ポッター]]と[[ハンガリー・ホーンテール種]]が闘技場を飛び出し、[[ホグワーツ城]]の塔や屋根の上、さらには[[ホグワーツ魔法魔術学校の橋]]まで舞台を広げた、長時間の壮大な追跡劇として描かれている。この一連のシークエンスは原作には存在しない。