======聖マンゴ魔法傷病病院====== =====基本情報===== * タイプ (Type): [[病院]] * 所在地 (Location): [[イギリス]]、[[ロンドン]] * 創設者 (Founder): [[マンゴ・ボナム]] * 重要特徴 (Key Features): [[マグル]]には廃墟の百貨店「パージ&ダウズ商会」に見える。特定のマネキンに話しかけることで入館する。治療者は「[[ヒーラー]]」と呼ばれ、ライムグリーンのローブを着用する。 =====解説と歴史===== 聖マンゴ魔法傷病病院 (St Mungo's Hospital for Magical Maladies and Injuries) は、[[イギリス]]の魔法界における主要な医療機関である。1600年代に著名な[[ヒーラー]]であった[[マンゴ・ボナム]]によって設立された。病院は[[ロンドン]]の中心部に位置するが、[[マグル]]の目から隠すため、正面は「**パージ&ダウズ商会**」という名の、窓が汚れて打ち捨てられた赤レンガ造りの百貨店に偽装されている。 病院への入り口は独特で、ショーウィンドウに飾られたマネキンの一つに話しかける必要がある。そうするとマネキンが頷き、訪問者はショーウィンドウのガラスを通り抜けて中に入ることができる。内部は外観とは対照的に、清潔で活気があるが常に混雑している。受付には「ようこそ魔女」が座っており、患者を適切な部署へと案内する。病院のシンボルは、交差した[[杖]]と骨である。 =====物語における役割===== 聖マンゴ魔法傷病病院は、特に『[[ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団]]』で重要な舞台として登場する。 * [[アーサー・ウィーズリー]]が[[魔法省]]での任務中に[[ヴォルデモート]]の蛇[[ナギニ]]に襲われた後、この病院に搬送され治療を受けた。[[ハリー・ポッター]]と[[ウィーズリー家]]の子供たちは、クリスマスの時期に彼を見舞うために病院を訪れた。 * この訪問の際、ハリーたちは偶然にも長期入院患者となっている元「[[闇の魔術に対する防衛術]]」教授、[[ギルデロイ・ロックハート]]に再会する。彼は自身の[[記憶呪文]]が逆噴射したことによる後遺症で入院していた。 * また、一行はここで[[ネビル・ロングボトム]]が彼の両親、[[フランク・ロングボトム]]と[[アリス・ロングボトム]]を見舞っている場面に遭遇する。ネビルの両親は、[[ベラトリックス・レストレンジ]]ら[[死喰い人]]による[[許されざる呪文]]の一つ、[[磔の呪い]]で拷問され、精神に回復不能なダメージを負っていた。 * 『[[ハリー・ポッターと謎のプリンス]]』では、呪われた[[オパール]]のネックレスに触れた[[ケイティ・ベル]]や、[[ミネルバ・マクゴナガル]]が複数の[[失神呪文]]を受けて病院に運ばれたことが言及されている。 =====既知の区域===== 聖マンゴは専門分野ごとにフロアが分かれている。 * **グラウンドフロア (Ground Floor): アーティファクト事故科 (Artifact Accidents)** * [[大鍋]]の爆発、[[杖]]の逆噴射、[[箒]]の衝突事故など、魔法道具が原因の事故を扱う。 * **1階 (First Floor): 魔法生物傷害科 (Creature-Induced Injuries)** * 噛み傷、刺し傷、火傷、棘が刺さった場合など、[[魔法生物]]による傷害を専門とする。アーサー・ウィーズリーは「危険な」ダイ・ルウェリン病棟に入院した。 * **2階 (Second Floor): 魔法的バグ科 (Magical Bugs)** * [[ドラゴン痘]]や消失病などの伝染性の病気を扱う。 * **3階 (Third Floor): 魔法薬・植物中毒科 (Potion and Plant Poisoning)** * 発疹、嘔吐、制御不能な笑いなど、[[魔法薬]]や[[魔法植物]]による中毒症状を治療する。[[秘密部]]の職員であったブロデリック・ボードは、この階で[[悪魔の罠]]によって殺害された。 * **4階 (Fourth Floor): 呪文ダメージ科 (Spell Damage)** * 解呪不能な[[呪い]]や[[まじない]]、誤ってかけられた呪文による後遺症などを専門とする。[[ギルデロイ・ロックハート]]やロングボトム夫妻が入院している「ヤヌス・シッキー病棟」がこの階にある。 * **5階 (Fifth Floor): 来客用ティールームと病院売店 (Visitor's Tearoom and Hospital Shop)** * 見舞客が休憩したり、お見舞いの品を購入したりできる場所。 =====舞台裏情報===== * **名前の由来**: 病院の名前の由来である「聖マンゴ」は、スコットランドのグラスゴーの守護聖人である聖ケンティゲルンの別名である。彼は治癒を含む奇跡を起こしたとされており、病院の名前にふさわしい。(Pottermore) * **映画での扱い**: 映画『[[ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団]]』では、聖マンゴ魔法傷病病院を訪れる場面は完全にカットされており、原作でのみ詳細が描かれている。(映画設定)