======薬瓶====== =====基本情報===== * タイプ: [[魔薬]]や[[記憶]]を保管するための容器 * 所有者: 多くの[[魔法使い]]や[[魔女]]。特筆すべき使用者として[[アルバス・ダンブルドア]]、[[セブルス・スネイプ]]、[[ホラス・スラグホーン]]が挙げられる。 * 製造者: 不明(特定の製造者は存在せず、ガラス職人などによって一般的に作られる道具と考えられる) =====記述と外観===== 薬瓶は、一般的にガラスや水晶で作られた小さな瓶であり、主に液状の物質を保管するために用いられる。多くはコルク栓で封をされており、形状や大きさは多岐にわたる。 内容物によってその外観は大きく変わる。例えば、[[幸運の液体]] ([[フェリックス・フェリシス]]) が入った薬瓶は、中身が溶けた黄金のように輝いて見える。一方、[[記憶]]を保管する薬瓶は、しばしば水晶で作られ、中に渦巻く銀色の物質が透けて見える。[[アルバス・ダンブルドア]]の校長室には、こうした記憶の入った薬瓶が数多く棚に並べられていた。 =====魔法の特性と用途===== 薬瓶の主な用途は、その魔法的特性を損なうことなく、物質を安全に保管することである。特に重要な用途は以下の二つである。 * **[[魔薬]]の保管:** 薬瓶は、調合済みの[[魔薬]]を保管し、その効力を維持するための最も一般的な容器である。光や空気による変質を防ぎ、安全に持ち運ぶことを可能にする。物語の中では、[[幸運の液体]] ([[フェリックス・フェリシス]])、[[ポリジュース薬]]、[[惚れ薬]]など、様々な重要アイテムが薬瓶に入れられて登場した。 * **[[記憶]]の保管:** [[魔法使い]]や[[魔女]]は、[[杖]]を使って自らのこめかみから銀色の糸のような[[記憶]]を引き出し、薬瓶に保存することができる。この[[記憶]]は、[[憂いの篩]]に注ぐことで追体験することが可能である。この方法は、重要な情報を他者に伝えたり、客観的に分析したりするために用いられる。[[アルバス・ダンブルドア]]は[[トム・リドル]]の過去に関する[[記憶]]を多数収集しており、[[セブルス・スネイプ]]は死の間際に自らの[[記憶]]を[[ハリー・ポッター]]に託した。 =====歴史===== 薬瓶という道具自体に特定の歴史的背景は語られていない。しかし、その存在は[[魔法薬学]]や[[記憶]]を扱う魔法の発展と密接に関連している。特に、[[憂いの篩]]と共に[[記憶]]を保管する技術は、古くから存在する高度な魔法の一つであると考えられる。[[ホグワーツ魔法魔術学校]]の創設以来、数多くの[[魔薬]]の達人や研究者が、自らの発見や調合した薬を保管するために薬瓶を使用してきたと推測される。 =====物語における役割===== 薬瓶は、物語の重要な転換点において、鍵となる情報を内包する容器として繰り返し登場する。 『[[ハリー・ポッターと謎のプリンス]]』では、[[ハリー・ポッター]]が[[ホラス・スラグホーン]]から手に入れた薬瓶入りの[[幸運の液体]] ([[フェリックス・フェリシス]])が、スラグホーンの改竄された[[記憶]]の真実を引き出す上で決定的な役割を果たした。その本物の[[記憶]]もまた薬瓶に保管され、[[ヴォルデモート卿]]の[[分霊箱]]に関する最大の秘密を暴くことにつながった。 『[[ハリー・ポッターと死の秘宝]]』において最も重要な容器(作中ではハーマイオニーが魔法で作り出したフラスコ)は、死に瀕した[[セブルス・スネイプ]]がハリーに託した[[記憶]]を収めたものである。この[[記憶]]によって、ハリーはスネイプの真の忠誠心、ダンブルドアの計画の全貌、そして自らが最後の[[分霊箱]]であり、死なねばならないという衝撃の真実を知ることになった。 このように、薬瓶は小さな道具でありながら、物語の根幹を揺るがす秘密や力を秘めた象徴的なアイテムとして機能している。 =====幕後情報===== * 映画版では、[[記憶]]を収めた薬瓶はしばしば精巧なデザインと手書きのラベルが施されており、視覚的に印象深い小道具として描かれている。(映画設定)