======許されざる呪い====== =====概要===== **許されざる呪い (Unforgivable Curses)** は、魔法界で最も邪悪とされる三つの[[黒魔術]]の呪文の総称である。これらの呪文は、その残忍で非道な効果から[[魔法省]]によって固く禁じられている。いかなる理由であれ、人間に対してこれらの呪いの一つでも使用した場合、[[アズカバン]]での終身刑が科される。 三つの呪いは以下の通りである。 * **[[インペリオ]] (Imperio)** - //服従の呪い// * **[[クルーシオ]] (Crucio)** - //磔の呪い// * **[[アバダ・ケダブラ]] (Avada Kedavra)** - //死の呪い// これらの呪いは極めて高度な魔法力と、邪悪な意図を必要とするため、多くの魔法使いは生涯にわたって一つも成功させることはない。 =====三大呪い===== ===服従の呪い (Imperius Curse)=== * 呪文: [[インペリオ]] (Imperio) * 効果: 犠牲者を術者の完全な支配下に置き、あらゆる命令に従わせる。呪いをかけられた者は、幸福感に満ちた夢うつつの状態になり、自らの意志を失う。 * 特徴: 非常に強力な意志を持つ魔法使いは、この呪いに抵抗し、最終的に打ち破ることが可能である。[[ハリー・ポッター]]は4年生の時に[[バーテミウス・クラウチ・ジュニア]]([[アラスター・ムーディ]]に変身中)の指導の下で、この呪いへの抵抗力を身につけた。 ===磔の呪い (Cruciatus Curse)=== * 呪文: [[クルーシオ]] (Crucio) * 効果: 犠牲者に肉体的な損傷を与えることなく、耐え難いほどの激しい苦痛を与える。長時間この呪いに晒されると、犠牲者は心神喪失に陥ることがある。 * 特徴: この呪いを効果的に使用するには、単に呪文を唱えるだけでは不十分であり、術者が心から相手に苦痛を与えたいと望む、真のサディスティックな意図が必要である。[[ベラトリックス・レストレンジ]]はこの呪いの名手であり、[[フランク・ロングボトム]]と[[アリス・ロングボトム]]を廃人になるまで拷問したことで知られる。 ===死の呪い (Killing Curse)=== * 呪文: [[アバダ・ケダブラ]] (Avada Kedavra) * 光芒の色: 眩い緑色の閃光 * 効果: 犠牲者を即座に、苦痛なく死に至らしめる。この呪いは犠牲者の身体に一切の傷跡を残さない。 * 特徴: この呪いに対する直接的な防御呪文は存在しない。[[盾の呪文]]([[プロテゴ]])なども無効であり、唯一の対抗策は物理的な障害物で光線を遮るか、身をかわすことだけである。唯一の例外は、[[リリー・ポッター]]が[[ハリー・ポッター]]を救うために自らを犠牲にした際に作用した、愛に基づく古代の魔法である。 =====法的地位と歴史===== 1717年、[[魔法省]]はこれら三つの呪文を「許されざる呪い」として正式に分類し、人間に対する使用を法律で禁止した。 しかし、歴史上、この法律には例外が設けられたことがある。 * **第一次魔法戦争:** [[バーテミウス・クラウチ・シニア]]が魔法法執行部長だった時代、彼は[[死喰い人]]との戦いを有利に進めるため、[[闇祓い]]に対し、許されざる呪いの使用を許可した。 * **第二次魔法戦争:** [[ヴォルデモート]]が魔法省を掌握した後、許されざる呪いは合法化され、[[ホグワーツ魔法魔術学校]]では[[アミカス・カロー]]と[[アレクト・カロー]]によって、罰として生徒たちに磔の呪いが使われるなど、公然と教えられていた。 =====主要な使用者===== 許されざる呪いは、主に[[ヴォルデモート卿]]と彼の信奉者である[[死喰い人]]によって広範囲に使用された。彼らは拷問、殺人、支配のためにこれらの呪いを躊躇なく用いた。 一方で、[[ハリー・ポッター]]自身も極限状況下でこれらの呪いを使用したことがある。 * 彼は[[ベラトリックス・レストレンジ]]に対して[[磔の呪い]]を使用しようと試みたが、当初は憎しみが足りず不完全に終わった。しかし、後に[[レイブンクローの塔]]で[[アミカス・カロー]]に対しては、完全に成功させている。 * [[グリンゴッツ魔法銀行]]への侵入の際には、ゴブリンのボグロッドと死喰い人のトラバースに対して[[服従の呪い]]を使用した。 * 彼は生涯を通じて[[死の呪い]]を使用したことは一度もない。