======門戸キー====== =====基本信息===== * タイプ (Type): [[魔法]]による[[交通手段]]、[[魔法道具]] * 所有者 (Owners): 主に[[魔法省]]によって認可・管理される。[[アルバス・ダンブルドア]]のような強力な[[魔法使い]]も作成可能。 * 製作者 (Maker): [[魔法使い]]や[[魔女]]が「//ポルトゥス//」の[[呪文]]を使用して作成する。 =====記述と外観===== [[門戸キー]]は、意図的に目立たない、ありふれた日用品の姿をしている。これは、何も知らない[[マグル]]が誤って拾い上げて使用してしまうのを防ぐためである。作中では、以下のような様々な物体が[[門戸キー]]として登場した。 * 古くて臭いブーツ ([[炎のゴブレット]]) * 黒く焦げた古い薬缶 ([[不死鳥の騎士団]]) * しわくちゃのポテトチップスの袋 ([[炎のゴブレット]]) * さびた空き缶 ([[炎のゴブレット]]) * ゴムの鶏 ([[ハリー・ポッターと呪いの子]]、舞台劇脚本) * [[三大魔術の杯]] ([[炎のゴブレット]]) [[門戸キー]]が作動する直前、それは青白い光を放ち、かすかに振動を始める。 =====魔法の特性と用途===== [[門戸キー]]は、一人または複数の[[魔法使い]]を、あらかじめ設定された特定の場所へ、特定の時間に瞬時に移動させるための[[魔法道具]]である。使用者は作動時刻に[[門戸キー]]に触れている必要がある。 移動が始まると、使用者はへその裏側から見えない鉤で強く引っ張られるような感覚を覚え、色と音の渦の中に巻き込まれる。移動中の感覚は極めて不快であり、多くの者が着地時に転倒したり、吐き気を催したりする。 [[門戸キー]]の作成には「//ポルトゥス//」という[[呪文]]が必要である。これは高度な[[魔法]]であり、その作成は[[魔法省]]の[[魔法交通局]]に属する[[門戸キー認可課]]によって厳しく規制されている。無許可で[[門戸キー]]を作成することは違法である。[[門戸キー]]は片道通行にも往復通行にも設定することができる。 =====歴史===== [[門戸キー]]が物語で初めて登場したのは、[[ハリー・ポッター]]が2年生の夏休み明け、ウィーズリー一家やディゴリー一家と共に[[クィディッチ・ワールドカップ]]会場へ向かう場面である。この時使用されたのは、丘の上に置かれた古いブーツだった。 最も重要な[[門戸キー]]は、『[[ハリー・ポッターと炎のゴブレット]]』に登場する[[三大魔術の杯]]である。[[バーティ・クラウチ・ジュニア]]は[[三大魔法学校対抗試合]]の優勝杯に密かに[[魔法]]をかけ、[[ホグワーツ]]の敷地外へ移動できる[[門戸キー]]に作り変えた。これにより、杯に触れた[[ハリー・ポッター]]と[[セドリック・ディゴリー]]は[[リトル・ハングルトン]]の墓場へ強制的に移動させられた。この[[門戸キー]]は往復設定になっていたため、ハリーは[[ヴォルデモート]]卿から逃れる際に杯を使い、[[ホグワーツ]]へ帰還することができた。 『[[ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団]]』では、[[アルバス・ダンブルドア]]がその場で[[門戸キー]]を作成する卓越した能力を二度見せている。一度目は[[アーサー・ウィーズリー]]が[[ナギニ]]に襲われた後、ハリーとウィーズリー家の子供たちを[[校長室]]から[[グリモールド・プレイス12番地]]へ送るため。二度目は[[神秘部]]の戦いの後、ハリーを[[魔法省]]から[[ホグワーツ]]へ安全に送り返すためであった。 『[[ハリー・ポッターと死の秘宝]]』では、「七人のポッター」作戦において、[[不死鳥の騎士団]]のメンバーが各々の目的地へ移動するための主要な手段として複数の[[門戸キー]]が使用された。 =====物語における役割===== [[門戸キー]]は、物語において重要なプロット装置としての役割を担っている。初期には、[[幻影顕現]]ができない未成年の[[魔法使い]]や、長距離を大人数で移動するための便利な手段として描かれる。 しかし、『[[炎のゴブレット]]』でその役割は一変する。本来は安全な移動手段であるはずの[[門戸キー]]が、敵の策略によってハリーを危険な罠へとはめるための道具として悪用された。この出来事は、魔法界の日常的な道具がいかに容易に武器となりうるかを示し、物語の緊張感を一気に高めた。[[三大魔術の杯]]が[[門戸キー]]であったという事実は、シリーズ全体の転換点である[[ヴォルデモート]]の復活を直接引き起こす原因となった。 また、[[ダンブルドア]]が緊急時に即座に[[門戸キー]]を作成する場面は、彼の計り知れない魔法の腕前を読者に示す象徴的なシーンとなっている。 =====舞台裏情報===== * **名前の語源**: 「Portkey」は、フランス語で「運ぶ」を意味する "//porter//" と、アクセスや解錠を意味する英語の "//key//" を組み合わせた造語である。 * **移動時の不快感**: 作者によれば、[[門戸キー]]による移動が意図的に不快なものに設定されているのは、[[魔法使い]]たちがこの便利な移動手段を乱用し、些細な用事で頻繁に使うことを防ぐためである。(Pottermore) * **映画での描写**: 映画版では、[[門戸キー]]による移動は、使用者が青いエネルギーの渦に激しく引きずり込まれる、視覚的にダイナミックなシーンとして描かれている。(映画設定)