====== 魔法使いの無線ネットワーク (Wizarding Wireless Network) ====== ===== 概要 ===== **魔法使いの無線ネットワーク** (WWN) は、イギリスの魔法界における主要なラジオ放送網です。音楽、ニュース、トークショー、子供向け番組など、多岐にわたるプログラムを魔法族の家庭に届けています。このネットワークは、平時においては文化的な娯楽の中心であり、第二次魔法戦争のような動乱期には、真実を伝え、抵抗運動を鼓舞するための極めて重要な情報源となりました。 WWN の受信機は「無線機 (wireless)」と呼ばれ、多くの場合、ありふれた[[マグル]]のラジオとは異なり、電力ではなく魔法によって作動します。 ===== 既知の番組とパーソナリティ ===== WWN で放送されたことが確認されている主な番組は以下の通りです。 * **ウィッチング・アワー (Witching Hour)** * 有名な魔法族の歌手、[[セレスティナ・ウォルベック]]が司会を務める人気の音楽番組。[[モリー・ウィーズリー]]は彼女の熱心なファンであり、特にクリスマスの特別番組を楽しみにしていました。 * **毒キノコ物語 (Toadstool Tales)** * 魔法族の子供向けの番組。[[ニンファドーラ・トンクス]]が子供の頃に聴いていたと、彼女の父である[[テッド・トンクス]]が言及しています。 * **ポッターウォッチ (Potterwatch)** * [[第二次魔法戦争]]の最中、[[ヴォルデモート]]が[[魔法省]]を掌握した後に設立された、秘密の抵抗組織によるラジオ番組。この番組は、[[死喰い人]]に支配された[[日刊予言者新聞]]や公式放送では伝えられない真実のニュースを報道し、[[不死鳥の騎士団]]や[[ダンブルドア軍団]]の支持者たちを勇気づけることを目的としていました。 * 放送は不定期で、聴取するには毎回変わる**合言葉**が必要でした。 * 主な関係者は以下の通りです: * **リバー (River)**: 司会者。正体は[[リー・ジョーダン]]。 * **ロイヤル (Royal)**: 特派員。正体は[[キングズリー・シャックルボルト]]。 * **ロミュラス (Romulus)**: 特派員。正体は[[リーマス・ルーピン]]。 * **レイピア (Rapier)**: 特派員。正体は[[フレッド・ウィーズリー]]。 ===== 技術と運用 ===== 魔法使いの無線機は、[[杖]]で軽く叩き、聞きたい放送局の名前を告げることで周波数を合わせることができます。これは、[[マグル]]がダイヤルを回してチューニングするのとは対照的な、純粋に魔法的な操作方法です。無線機自体も魔法によって機能しており、外部の電源を必要としません。 [[アーサー・ウィーズリー]]は[[マグル]]の物品に強い関心を持っていましたが、彼の家にある無線機も魔法仕様のものでした。 ===== 物語における役割 ===== * **平時における文化の象徴** * 物語の前半では、WWN は魔法界の日常生活や文化を背景で彩る存在として描かれています。『[[ハリー・ポッターと謎のプリンス]]』では、[[隠れ穴]]でクリスマスを過ごす[[ハリー・ポッター]]が、[[セレスティナ・ウォルベック]]の歌声が流れる無線放送を耳にします。これは、戦争の影が迫る中でも失われていない、魔法界の穏やかな日常を象徴していました。 * **第二次魔法戦争における希望の光** * 『[[ハリー・ポッターと死の秘宝]]』において、WWN は物語の重要な要素へと変化します。特に、ゲリラ放送局である **[[ポッターウォッチ]]** は、[[ヴォルデモート]]の恐怖政治下で唯一信頼できる情報源となりました。 * [[分霊箱]]を探す旅の途中、[[ハリー・ポッター]]、[[ロン・ウィーズリー]]、[[ハーマイオニー・グレンジャー]]は、この放送を聴くことで外部の状況を把握し、自分たちが孤独ではないことを確認して士気を保ちました。放送は、[[マグル生まれ]]の保護を訴え、[[ヴォルデモート]]への抵抗を呼びかけるなど、反体制運動の生命線として機能しました。 ===== 舞台裏情報 ===== * J.K. ローリングが公式サイト Pottermore で発表した情報によると、[[セレスティナ・ウォルベック]]は「歌う魔女」として非常に高い人気を誇り、WWN で定期的に自身の番組を持っていたことが明記されています。彼女の曲には「大鍋、熱い愛でいっぱい」などがあります。(Pottermore)