======ダンブルドア軍団====== =====概要===== ダンブルドア軍団 (Dumbledore's Army)、通称 **D.A.** は、[[ホグワーツ魔法魔術学校]]の生徒たちによって秘密裏に結成された組織である。1995年、[[魔法省]]から派遣された[[ドローレス・アンブリッジ]]が「[[闇の魔術に対する防衛術]]」の授業で一切の実践的な魔法訓練を禁じたことに対抗し、[[ハーマイオニー・グレンジャー]]の発案で設立された。指導者は[[ハリー・ポッター]]が務め、生徒たちは[[ヴォルデモート卿]]とその[[死喰い人]]との戦いに備えるため、実践的な防衛術を自主的に学んだ。 この名称は、当時[[アルバス・ダンブルドア]]を失脚させようとしていた魔法省への反抗心と、彼への忠誠心を示すために[[ジニー・ウィーズリー]]によって提案された。一度は裏切りによって解散に追い込まれたが、1997年にヴォルデモート卿が魔法界を掌握すると、[[ネビル・ロングボトム]]らを中心に再結成され、ホグワーツにおける抵抗運動の中核を担い、最終的に[[ホグワーツの戦い]]で重要な役割を果たした。 =====基本情報===== * **通称:** D.A. * **創設者:** [[ハーマイオニー・グレンジャー]] * **指導者:** [[ハリー・ポッター]] * **目的:** 実践的な[[闇の魔術に対する防衛術]]の学習、[[ヴォルデモート卿]]と[[死喰い人]]への対抗 * **活動拠点:** [[ホグワーツ城]]の[[必要の部屋]] * **連絡手段:** 魔法がかけられた偽の[[ガレオン金貨]] * **創設年:** 1995年 =====歴史===== ====創設 (1995年-1996年)==== 1995年、[[コーネリウス・ファッジ]]率いる[[魔法省]]は、ダンブルドアがヴォルデモート卿の復活を口実に「私設軍隊」を組織していると疑い、省の上級次官である[[ドローレス・アンブリッジ]]を防衛術の教授としてホグワーツに送り込んだ。彼女の授業は魔法理論のみに終始し、生徒たちが実戦で身を守る術を学ぶ機会を完全に奪った。 この状況を危惧した[[ハーマイオニー・グレンジャー]]は、ヴォルデモートとの戦いを経験した[[ハリー・ポッター]]を指導者として、秘密の防衛術学習グループを結成することを提案。[[ホッグズ・ヘッド]]で行われた最初の会合には28名の生徒が集まり、組織の結成に同意した。当初は「防衛協会」などの名前が候補に挙がったが、最終的に[[ジニー・ウィーズリー]]が提案した「ダンブルドア軍団」が満場一致で採択された。 活動は[[必要の部屋]]で秘密裏に行われ、ハリーは[[武装解除呪文]]の[[エクスペリアームス]]、[[失神呪文]]の[[ステューピファイ]]、[[盾の呪文]]の[[プロテゴ]]、そして高度な[[守護霊の呪文]]に至るまで、様々な防衛魔法をメンバーに教えた。 ====発覚と解散==== アンブリッジは学生のあらゆる自主的組織を禁じる「教育令」を発令し、[[尋問官親衛隊]]を結成してD.A.の活動を嗅ぎ回った。最終的に、メンバーの一人である[[レイブンクロー]]生の[[マリエッタ・エッジコム]]が、魔法省で働く母親の立場を守るためにアンブリッジに密告した。ハーマイオニーが参加者名簿にかけていた呪いにより、マリエッタの顔には「密告者 (SNEAK)」という文字が消えない吹き出物で浮かび上がった。 組織の存在が明るみに出た際、[[アルバス・ダンブルドア]]はハリーと生徒たちを守るため、自らが軍団を組織したと主張。魔法省の役人たちを制圧し、ホグワーツから姿を消した。これによりダンブルドア軍団は公式に解散させられたが、その数週間後、メンバーの多くはハリーと共に[[魔法省]]の[[神秘部]]へ向かい、[[死喰い人]]との激しい戦いを繰り広げた。 =====再結成 (1997年-1998年)===== [[アルバス・ダンブルドア]]の死後、[[セブルス・スネイプ]]が校長となり、[[アミカス・カーロー]]と[[アレクト・カーロー]]が教鞭を執るホグワーツは、死喰い人の支配下に置かれた。この暗黒時代に、[[ネビル・ロングボトム]]、[[ジニー・ウィーズリー]]、[[ルーナ・ラブグッド]]が中心となり、ダンブルドア軍団を再結成。校内でのサボタージュや抵抗活動を通じて、生徒たちの希望の象徴となった。 彼らはハーマイオニーが作った魔法の[[ガレオン金貨]]を使い、散り散りになったメンバーと連絡を取り続けた。1998年5月、ハリーがホグワーツに戻ったことをきっかけに、ネビルは金貨を通じてメンバーを召集。集まったD.A.のメンバーは[[不死鳥の騎士団]]と共に[[ホグワーツの戦い]]の中核戦力となり、ヴォルデモート軍に勇敢に立ち向かった。 =====判明しているメンバー===== * **グリフィンドール** * [[ハリー・ポッター]] (指導者) * [[ハーマイオニー・グレンジャー]] (創設者) * [[ロン・ウィーズリー]] * [[ネビル・ロングボトム]] (再結成時の指導者) * [[ジニー・ウィーズリー]] (再結成時の指導者) * [[フレッド・ウィーズリー]] * [[ジョージ・ウィーズリー]] * [[ディーン・トーマス]] * [[シェーマス・フィネガン]] * [[ラベンダー・ブラウン]] * [[パーバティ・パチル]] * [[アンジェリーナ・ジョンソン]] * [[ケイティ・ベル]] * [[アリシア・スピネット]] * [[リー・ジョーダン]] * **ハッフルパフ** * [[アーニー・マクミラン]] * [[ジャスティン・フィンチ-フレッチリー]] * [[ハンナ・アボット]] * [[スーザン・ボーンズ]] * [[ザカリアス・スミス]] * **レイブンクロー** * [[ルーナ・ラブグッド]] (再結成時の指導者) * [[チョウ・チャン]] * [[マリエッタ・エッジコム]] (密告者) * [[パドマ・パチル]] * [[マイケル・コーナー]] * [[テリー・ブート]] * [[アンソニー・ゴールドスタイン]] =====名前の由来===== 組織の名称は、最初の会合で議論された。[[チョウ・チャン]]は「防衛協会 (Defence Association)」を提案し、その頭文字が **D.A.** となる点が評価された。しかし、[[ジニー・ウィーズリー]]が「ダンブルドア軍団 (Dumbledore's Army)」を提案すると、メンバーはそのアイデアを熱狂的に支持した。この名前は、魔法省が最も恐れていることが「ダンブルドアが私設軍隊を組織すること」であったため、省に対する明確な反抗の意思を示すものであり、同時に生徒たちのダンブルドアへの忠誠心を象徴していたからである。 =====幕後情報===== * **映画版での変更点:** * 映画『[[ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団]]』では、D.A.の裏切り者が[[マリエッタ・エッジコム]]ではなく、[[チョウ・チャン]]に変更されている。彼女はアンブリッジに[[真実薬]] (Veritaserum) を飲まされ、意図せず白状してしまったという設定になっている。(映画設定) * 映画では、メンバーは[[必要の部屋]]で一枚の羊皮紙に署名する。この名簿が組織の証拠となるが、原作にはこのような羊皮紙は登場しない。原作での密告防止呪いは、会合で交わした口約束そのものにかけられている。(映画設定)