速記羽ペン
基本信息
記述と外観
速記羽ペンは、鮮やかなアシッドグリーンの色をした羽ペンです。自律的に動く能力を持ち、インタビューの際には羊皮紙の上でいつでも書き留める準備ができています。まるで独自の意志を持っているかのように、生き生きと動くのが特徴です。
魔法の特性と用途
この羽ペンの最も顕著な魔法の特性は、単に話された言葉を書き留めるだけでなく、それを歪曲し、扇情的に書き換える能力にあります。このペンは、インタビュー対象者の言葉をより劇的で、しばしば中傷的な内容に作り変えるために、引用を捏造したり、文脈を無視したり、事実にない感情的な脚色を加えたりします。本質的に、タブロイド紙のジャーナリストのような悪意ある知性を持っており、リータ・スキーターの記事作成を補助します。 しかし、このペンの機能は制御可能です。ハーマイオニー・グレンジャーがハリー・ポッターのインタビューをセッティングした際には、彼女の厳格な監視の下で、速記羽ペンはヴォルデモート卿の復活に関するハリーの証言を一言一句正確に記録しました。これは、ペンの扇情的な性質が使用者の意図や監視の有無によって抑制、あるいは無効化できることを示唆しています。
歴史
速記羽ペンの製造者やリータ・スキーター以前の所有者については知られていません。その歴史は、完全に所有者であるリータ・スキーターのジャーナリストとしてのキャリアと結びついています。彼女はこのペンを使い、日刊予言者新聞での物議を醸す記事や、後に発表される暴露本『アルバス・ダンブルドア、その生涯と嘘』を執筆し、名声(あるいは悪名)を築きました。
物語における役割
速記羽ペンは、魔法界の報道機関、特に日刊予言者新聞の信頼性の欠如と扇動的な性質を象徴する重要な小道具です。
- ハリー・ポッターと炎のゴブレット: このペンは、三大魔法学校対抗試合の代表選手となったハリー・ポッターへのインタビューで初めて登場します。ハリーが言ってもいないことを書き留め、彼を悲劇的で注目を集めたがる少年として描写することで、世論を誤解させました。
- ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団: 物語の中で、このペンの役割は皮肉にも逆転します。ハーマイオニー・グレンジャーの監督下で、それは「真実を語る道具」として使われました。ハリーが語るヴォルデモート卿の復活の真相を正確に記録し、その内容はザ・クィブラーに掲載されました。この記事は、魔法省によるプロパガンダに対抗し、世論を転換させる上で極めて重要な役割を果たしました。
- ハリー・ポッターと死の秘宝: 直接の登場はありませんが、リータ・スキーターが『アルバス・ダンブルドア、その生涯と嘘』を執筆する際に、このペンや同様の手段を用いたことが強く示唆されています。
舞台裏情報
- 映画版では、速記羽ペンが自動で羊皮紙の上を滑るように動き、必死に書き留める様子が視覚的に強調されており、その魔法的でやや不気味な性質がより際立っています。(映画設定)