炎のゴブレット
基本情報
- タイプ: 魔法道具、審判
- 所有者: ホグワーツ魔法魔術学校 (三校対抗試合開催期間中)
- 製作者: 不明
説明と外観
炎のゴブレットは、荒削りな木製の大きな杯です。普段は宝石がちりばめられた木箱に保管されています。 三校対抗試合の代表選手を選出する際には、杯の中から青白い炎が燃え上がります。その外観は、魔法がかけられていない状態では特に印象的ではないとされています。
魔法の特性と用途
炎のゴブレットの主な機能は、三校対抗試合に参加する各校の代表選手を選び出すことです。
- 代表選手の選出:
- 候補者は自分の名前と学校名を書いた羊皮紙をゴブレットに投じます。
- 締め切り後、ゴブレットの炎は赤く燃え上がり、各校から最も優れた候補者と判断した生徒の名前が書かれた羊皮紙を一枚ずつ噴き出します。
- 公平な審判: ゴブレットは極めて強力な魔法の品であり、「公平な審判」として機能します。通常、年齢制限のような外部の魔法(年齢線など)を突破しようとする者を退ける力を持っています。
- 拘束力のある魔法契約: ゴブレットによって選ばれた者は、拘束力のある魔法契約を結んだと見なされ、競技への参加を辞退することはできません。この契約を破ることは極めて危険です。
- 錯乱呪文による干渉: しかし、ゴブレットは完全に干渉不可能なわけではありません。非常に強力な錯乱呪文をかけることで、その選考プロセスを欺くことが可能です。1994年には、ヴォルデモートの指示を受けたバーテミウス・クラウチ・ジュニアが、アラスター・ムーディに化けてゴブレットに強力な錯乱呪文をかけ、「参加校は3校である」という基本条件を忘れさせ、存在しない第4の学校の唯一の候補者としてハリー・ポッターの名前を選出させました。
歴史
炎のゴブレットは、三校対抗試合の創設以来、代表選手を選出するために使用されてきた古い歴史を持つ魔法道具です。 試合が開催されない期間は、おそらくアルバス・ダンブルドアの校長室のような安全な場所に保管されています。1994年から1995年にかけてホグワーツで開催された三校対抗試合で再び使用され、セドリック・ディゴリー (ホグワーツ代表)、フラー・デラクール (ボーバトン魔法アカデミー代表)、ビクトール・クラム (ダームストラング専門学校代表)、そしてハリー・ポッター (4人目の代表) を選出しました。
物語における役割
炎のゴブレットは、シリーズ第4巻『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』の物語の中心となる極めて重要な魔法道具です。 このゴブレットがハリー・ポッターを4人目の代表選手として選出したことで、物語の主要な謎(「誰がハリーの名前を入れたのか?」)が生まれ、ハリーは命がけの危険な試合への参加を強制されます。この出来事全体が、ヴォルデモートがハリーをリトル・ハングルトンの墓場へとおびき出し、自らの復活を遂げるための巧妙な計画の一部でした。ゴブレットの選択が、第二次魔法戦争の本格的な始まりへの引き金となりました。
舞台裏情報
- 原作では「荒削りな木製の杯」と描写されていますが、映画版ではより大きく、装飾的な金属製の聖杯のようなデザインに変更されています。(映画設定)