ウィーズリーの暴れバンバン花火 (Weasleys' Wildfire Whiz-bangs) は、フレッドとジョージ・ウィーズリーが開発した、非常に強力で持続性のある魔法の花火です。この商品は二つの主要な製品ラインで販売されていました。一つは「基本爆発ボックス (Basic Blaze-box)」で、こちらは比較的予測可能な花火のセットです。もう一つは「デラックス大爆発セット (Deluxe Detonator)」で、こちらはより壮大で予測不可能な効果を引き起こします。 個々の花火は、一度点火されると単なる光や火花ではなく、魔法によって実体を持った形を成します。これには、燃え盛る巨大なドラゴン、きらめく蛇、銀色の星の尾を引くロケット、さらには悪態をつく単語を綴る火花などが含まれます。キャサリン・ホイール（渦巻き花火）は、標的を執拗に追いかける性質を持っています。これらの花火は非常に騒々しく、極めて明るい光を放ち、強烈な印象を与えます。
この花火の最も顕著な魔法特性は、その驚異的な耐久性と除去魔法への耐性です。一度打ち上げられると、簡単には消すことができません。
主な用途は、壮大な娯楽や、大規模な悪戯、そして権威に対する反抗の手段として使われることです。その除去の困難さから、対象の施設や人物に長期間の混乱をもたらすことができます。
この花火は、フレッドとジョージがホグワーツ魔法魔術学校に在学中、特に7年生の時に開発・完成させました。これは彼らが将来ダイアゴン横丁に開店することを夢見ていた悪戯専門店、ウィーズリー・ウィザード・ウィーズの主力商品の一つとして考案されたものです。 在学中、彼らはふくろう便を使った通信販売サービスを通じて、秘密裏に注文を受け、製品のテストを行っていました。この花火が歴史の表舞台に初めて登場したのは、1996年春、ウィーズリーの双子による「ホグワーツ大脱走」の際でした。
ウィーズリーの暴れバンバン花火は、『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』において、ドローレス・アンブリッジの圧政に対する反逆の象徴として極めて重要な役割を果たしました。 フレッドとジョージは、アンブリッジと魔法省の支配から逃れるため、この花火をホグワーツの玄関ホールで一斉に点火しました。これにより城中に大混乱が巻き起こり、二人はその隙に箒に乗って見事に学校から脱出しました。この出来事は、残された生徒たちの士気を大いに高め、双子を伝説的な存在に押し上げました。 花火はその後も数日間にわたって城内を飛び回り、アンブリッジとアーガス・フィルチを悩ませ続けました。フィリウス・フリットウィックをはじめとする他の教師たちは、内心この騒動を楽しんでおり、花火の除去には非協力的でした。フリットウィック教授は、双子の功績への敬意を表して、一つの渦巻き花火の残骸を魔法で天井に永久保存したほどです。この事件は、アンブリッジの権威を著しく失墜させる一因となりました。