『ザ・クィブラー』(The Quibbler、日本語版では「ザ・クィブラー」または「月刊クィブラー」と表記されることがある) は、ルーナ・ラブグッドの父親であるゼノフィリウス・ラブグッドが編集長を務める魔法使い向けの月刊雑誌。魔法界の主流メディア、特に日刊予言者新聞とは一線を画し、陰謀論や未確認生物、常識外れの主張を専門に扱うことで知られている。 その内容は、「コーネリウス・ファッジがゴブリンをパイに入れて焼いている」といった突飛な見出しや、「ラックスパート」や「しわくちゃ角スノーカック」といった存在が疑わしい生物に関する記事が中心である。そのため、魔法界の大多数の魔法使いからは信頼性の低い、ジョークのような出版物と見なされている。しかし、その独自の内容を信じる熱心な読者層も少数ながら存在する。 雑誌の表紙はしばしば派手で、けばけばしい色彩が用いられる。『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』で登場した号には、付録としてスペクトレスペックスが付いていた。
『ザ・クィブラー』自体に特別な魔法的特性はないが、その主な用途は情報の伝達である。特に、他の出版物が報じない、あるいは報じられない「もう一つの真実」を提供することにその価値がある。
『ザ・クィブラー』の創刊時期は不明だが、物語開始時点ですでに発行されており、ゼノフィリウス・ラブグッドが自宅兼編集事務所であるオッタリー・セント・キャッチポール村近くの家に住み、一人で出版を続けていた。長年にわたり、その評判は「風変わりなゴシップ誌」というものであり、発行部数も決して多くはなかった。 しかし、第二次魔法戦争の勃発に伴い、その歴史は大きな転換点を迎えることになる。
『ザ・クィブラー』は物語、特に後半において極めて重要な役割を果たす。