クィンタペッドは、極めて危険な肉食性の魔法動物であり、その名の通り5本の脚を持つ。ずんぐりとした胴体は赤茶色の濃い毛で覆われており、人間を好んで捕食することで知られている。この生物はスコットランド沖に浮かぶ孤島、ドレア島にのみ生息している。 この生物の危険性から、魔法省による分類は最高の「XXXXX」に指定されている。これは「魔法使い殺しとして知られ、飼いならしたり訓練したりするのは不可能」な生物であることを意味する。
クィンタペッドの起源については、ドレア島に伝わる不気味な伝説が有名である。この伝説の真偽は定かではないが、広く受け入れられている。 かつてドレア島には、マクリヴァート家とマクブーン家という二つの魔法使いの一族が住んでいた。ある日、両家の当主であるデュガルド・マクリヴァートとクインティウス・マクブーンが決闘を行い、デュガルドが命を落とした。復讐に燃えたマクリヴァート家の一族は、夜中にマクブーン家を襲撃し、そこにいたマクブーン家の人間を一人残らず、醜い5本脚の怪物に変身させた。 しかし、マクリヴァート家は自分たちが犯した過ちの重大さに気づくのが遅すぎた。変身術をかけられたマクブーンたちは、元に戻すためのあらゆる試みに抵抗し、元の姿よりもはるかに凶暴な生物と化していた。そして、この5本脚の怪物たち(クィンタペッド)は、島にいたマクリヴァート家全員を殺害してしまった。 この伝説により、クィンタペッドは「毛深いマクブーン」という別名でも知られている。魔法生物規制管理部は、伝説が真実かどうかを確かめるため、クィンタペッドを捕獲して変身術を解こうと試みたが、クィンタペッドがあまりにも獰猛であるため成功していない。
クィンタペッドは、『ハリー・ポッター』シリーズ本編の小説7部作には一切登場しない。この生物に関するすべての情報は、ニュート・スキャマンダーが著した教科書『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』に記載されている。