シビル・パトリシア・トレローニー(Sybill Patricia Trelawney)は、ホグワーツ魔法魔術学校の占い学の教授である。有名な予見者であったカサンドラ・トレローニーの玄孫(孫の孫)にあたる。普段の言動は芝居がかっており、多くの魔法使いや魔女から胡散臭い人物と見なされているが、無意識のうちに本物の予言を行う真の予見者としての能力を持つ。彼女がアルバス・ダンブルドアとの採用面接中に行った「選ばれし者」に関する予言は、ヴォルデモート卿によるポッター家襲撃の引き金となり、物語全体の根幹を成す重要な出来事となった。
ホグワーツ採用まで 著名な予見者、カサンドラ・トレローニーの子孫として生まれる。ホグワーツ魔法魔術学校の卒業生である。 1980年、ホッグズ・ヘッドにてホグワーツ魔法魔術学校の占い学教授の職を求め、アルバス・ダンブルドアと面接を行った。ダンブルドアは彼女の能力に懐疑的で採用を見送ろうとしたが、その瞬間、トレローニーはトランス状態に陥り、最初の本物の予言を口にした。それは「闇の帝王を打ち破る力を持つ者」の誕生を告げるものであった。この予言の一部は、当時死喰い人であったセブルス・スネイプによって盗み聞きされ、ヴォルデモート卿に報告された。自身の予言がヴォルデモート卿に知られたことで命の危険に晒されることを案じたダンブルドアは、彼女を保護するためにホグワーツに採用し、北塔の部屋を与えた。 第二次魔法戦争 ハリー・ポッターが3年生の時から、彼らに占い学を教える。授業では毎年必ず生徒の死を予言するなど、その大げさな言動からミネルバ・マクゴナガルやハーマイオニー・グレンジャーといった現実主義的な人物からは全く信用されていなかった。しかし、ハリーが3年生の終わりに行った二つ目の本物の予言では、「今宵、闇の帝王の召使いが鎖を解かれ、主人と再会するだろう」と告げ、ピーター・ペティグリューの逃亡とヴォルデモート卿への合流を正確に言い当てた。 1995年、魔法省から派遣されたドローレス・アンブリッジによって監視対象とされ、屈辱的な査定の末に解雇を言い渡される。しかし、ダンブルドアの介入によりホグワーツに留まることを許された。その後、ケンタウルスのフィレンツェと共同で教鞭を執ることになり、彼女はこれを屈辱と感じていた。 1998年のホグワーツの戦いでは、城を守るために戦いに参加。水晶玉を武器として使い、死喰い人を撃退し、狼人間のフェンリール・グレイバックを気絶させるなどの活躍を見せた。
外貌 非常に痩せており、巨大な眼鏡をかけているため、その目は数倍の大きさに拡大されて見える。常にショールや数珠を何重にも身につけている。彼女のいる北塔の部屋は、シェリー酒の香りが充満している。 性格 非常に芝居がかった、ドラマチックな話し方をする。常に悲劇的な未来を予言することを好み、生徒たちの不安を煽る傾向がある。自身の能力や占い学という学問が疑われることを極度に嫌い、非常に繊細で傷つきやすい一面を持つ。シェリー酒を好んでおり、しばしば精神的な支えとしている。しかし、その奇抜な性格の裏には、ホグワーツの戦いで勇敢に戦うなど、確かな勇気も秘めている。