ポッター家

ポッター家 (Potter family) は、魔法界で最も古く、尊敬されてきた純血の家系の一つである。その歴史は12世紀にまで遡り、ペベレル三兄弟の末弟、イグノタス・ペベレルの血を引いている。一族は代々、優れた魔法薬の発明やウィゼンガモットでの活動を通じて富と名声を築いてきた。 物語の中心人物であるハリー・ポッターはこの一族の直系の末裔であり、彼の両親であるジェームズ・ポッターリリー・ポッター第一次魔法戦争ヴォルデモート卿に殺害されたことにより、一族の歴史は悲劇的な転換点を迎えた。しかし、ハリーがヴォルデモートを打ち破ったことで、ポッター家の名は魔法界の歴史に不滅のものとして刻まれた。

ポッター家の起源は、12世紀の魔法使い、スティンチカムのリンフレッドに遡る。彼は風変わりで愛すべき人物で、「ポタラー(potterer、ぶらぶら歩き回る人)」というあだ名で呼ばれており、これが後に「ポッター」という姓になったとされる。リンフレッドはスケレ・グロ (骨生え薬) やペッパーアップ薬といった、今日でも広く使われる魔法薬を数多く発明し、一族の富の礎を築いた (Pottermore)。 リンフレッドの長男ハードウィン・ポッターが、死の秘宝の一つである隠れマントの最初の所有者、イグノタス・ペベレルの孫娘であるゴドリックの谷のアイオランシ・ペベレルと結婚した。これにより、代々男系の跡継ぎに受け継がれるというペベレル家の伝統に従い、隠れマントがポッター家の家宝となった (Pottermore)。

ポッター家は代々、魔法界の重要な局面で役割を果たしてきた。

  • ラルストン・ポッター (1612-1652): ウィゼンガモットの議員であり、「国際魔法使い機密保持法」の強力な支持者であった (Pottermore)。
  • ヘンリー・ポッター (1892-1981頃): ハリーの曽祖父にあたり、彼もまたウィゼンガモットで活躍した。第一次世界大戦中、当時の魔法大臣がマグルへの支援を禁じた際に公然と大臣を非難し、マグルの権利を擁護したことで知られる (Pottermore)。

ハリーの祖父であるフリーモント・ポッターは、大ヒット商品「スリーク・イージーのさらさらヘア・ポーション」を発明し、一族の財産をさらに増やした。彼と妻のユーフェミアは高齢になってから一人息子のジェームズ・ポッターを授かった。しかし、二人はジェームズとリリーが殺害されるより先に、ドラゴン痘で亡くなっている (Pottermore)。 ジェームズ・ポッターリリー・ポッターは、第一次魔法戦争において不死鳥の騎士団の重要なメンバーとしてヴォルデモート卿に三度も立ち向かった。しかし、ピーター・ペティグリューの裏切りにより、1981年10月31日、ゴドリックの谷の自宅で殺害された。

ポッター家の男性には、代々受け継がれる顕著な外見的特徴がある。

  • 黒髪: 手櫛で整えても決してまとまらない、癖のある黒髪。ジェームズ・ポッターハリー・ポッター、そしてハリーの息子たちにも受け継がれている。
  • 眼鏡: 視力の悪さも遺伝的な特徴のようで、ヘンリー、ジェームズ、ハリーはいずれも眼鏡をかけていた。

ポッター家の一員は、しばしば強い道徳観と勇敢さを持ち合わせている。時にはそれが頑固さや向こう見ずな行動として現れることもあるが、不正に対しては断固として立ち向かう気概を持つ。

「ポッター (Potter)」は英語圏における一般的な職業姓であり、「陶芸家」を意味する。J.K. ローリングは、幼少期に近所に住んでいた家族の姓であり、昔から好きな名前だったと語っている (作者インタビュー)。

  • 物語の中で、ハリー・ポッターの祖先に関する情報は死の秘宝ペベレル家との繋がりを除いてほとんど語られていない。一族のより詳細な歴史やメンバーの名前の多くは、公式サイトPottermore (後のWizarding World) で明らかにされた。