守護霊の呪文

  • 呪文名 (Incantation): エクスペクト・パトローナム
  • 発音 (Pronunciation): イクスペクト・パトローナム (ik-SPEK-toh pə-TROH-nəm)
  • 杖の動き (Wand Movement): 原作小説では特定の杖の動きは記述されていない。術者の幸福な記憶への集中が最も重要とされる。(映画設定では、杖で円を描くような動作が描かれている)
  • 光の色 (Light Color): 銀白色
  • 効果 (Effect): 守護霊 (パトローナス) と呼ばれる、実体を持つ魔法的な守護者を召喚する。主に吸魂鬼 (ディメンター) やレスフォールドを撃退する唯一の手段として知られる。また、熟練した術者は伝言を運ばせることも可能。
  • 分類 (Type): 呪文 (チャーム)、高度な防御魔法

守護霊の呪文は、魔法界で最も強力で高度な防御魔法の一つである。その主な機能は、人間の幸福な感情を吸い尽くす暗黒の生物、吸魂鬼から術者を守ることである。

  • 学習難易度: この呪文は非常に高度な魔法とされており、多くの成人した魔法使いでさえ、実体のある守護霊を召喚することはできない。
  • 習得の要件: 呪文を成功させるためには、術者は一つの、非常に強力で幸福な記憶に精神を集中させなければならない。恐怖や絶望といった否定的な感情は、呪文の詠唱を妨げる。
  • 守護霊の形態:
    • 実体のない守護霊 (Non-corporeal Patronus): 銀色の蒸気や盾のような形で現れる、不完全な形態。ある程度の防御力はあるが、多数の吸魂鬼には対抗できない。
    • 実体のある守護霊 (Corporeal Patronus): 動物の姿を完全に形成した守護霊。術者の性格や特性を反映した特定の動物の姿をとり、はるかに強力な防御力を誇る。
  • 対抗策: 守護霊の呪文そのものに対する直接的な対抗呪文は存在しない。吸魂鬼がこの呪文によって撃退されるだけであり、魔法使い同士の決闘で直接的な攻撃手段となることはない。

呪文の名称である「Expecto Patronum」はラテン語に由来する。

  • Expecto: 「私は待つ」「私は待ち望む」を意味する動詞。
  • Patronum: 「守護者」を意味する名詞 patronus の対格(目的格)。
  • 全体の意味: 「我、守護者を待ち望む」と解釈できる。