グリフィンドールの剣
基本情報
- 製造者: 妖精王ラグヌク一世
記述と外観
グリフィンドールの剣は、熟練した妖精の職人技によって作られた、見事な銀製の剣である。柄頭には、卵ほどの大きさのルビーがはめ込まれている。柄のすぐ下には、ゴドリック・グリフィンドールの名前が刻まれている。妖精製の金属の特性により、汚れをはじき、手入れを必要とせず、常に輝きを保っている。
魔法の特性と用途
- ホークラックスの破壊: バジリスクの毒を吸収したことで、この剣はヴォルデモート卿のホークラックスを破壊できる数少ない道具の一つとなった。作中では、マールヴォロ・ゴーントの指輪、スリザリンのロケット、そして蛇のナギニを破壊するために使用された。
- 組分け帽子との関連: この剣はホグワーツの組分け帽子と深いつながりを持っている。助けを必要とする真のグリフィンドール生が帽子の前に現れると、その人物は帽子の中から剣を引き出すことができる。これは、その人物がゴドリック・グリフィンドールの正当な後継者であることを証明するものである。
歴史
グリフィンドールの剣は、中世期に妖精王ラグヌク一世によってホグワーツの創設者の一人、ゴドリック・グリフィンドールのために鍛えられた。妖精の伝承では、グリフィンドールがラグヌクから剣を「盗んだ」とされているが、魔法使い側の歴史では、ラグヌクが完成した剣に執着し、それを不正に手に入れようとしたため、グリフィンドールが正当な防衛として取り返したとされている。この所有権を巡る歴史的な対立は、後々まで魔法使いと妖精の関係に影を落とすことになる。 何世紀にもわたり、剣はホグワーツ城の校長室に保管されていた。1992年、ハリー・ポッターは秘密の部屋でトム・リドルの記憶と対峙した際、組分け帽子からこの剣を引き出し、バジリスクを打ち破った。 1997年、アルバス・ダンブルドアは遺言でこの剣をハリーに遺したが、魔法省は歴史的遺物であるとしてこれを差し止め、引き渡しを拒否した。しかし、これはセブルス・スネイプと協力したダンブルドアの計画の一部であった。スネイプはベラトリックス・レストレンジのグリンゴッツ銀行の金庫に偽物の剣を置き、本物の剣をディーンの森にある凍った池に隠した。ハリーはロン・ウィーズリーの助けを借りてこの剣を回収し、スリザリンのロケットを破壊した。 その後、剣は一行に協力していた妖精のグリップフックによって持ち去られるが、最終的にはホグワーツの戦いのクライマックスで再び組分け帽子から現れ、ネビル・ロングボトムの手に渡った。ネビルはこの剣でヴォルデモート卿の最後のホークラックスであるナギニを斬り殺し、闇の帝王の滅亡に大きく貢献した。
物語における役割
舞台裏情報
- J.K. ローリングは、グリフィンドールの剣がアーサー王伝説におけるエクスカリバーの伝説(正当な英雄が岩から剣を引き抜く)に類似していることを示唆している。(作者の発言)
- 映画『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』では、若き日のアルバス・ダンブルドアがこの剣を手にしている場面が描かれている。(『ファンタスティック・ビースト』シリーズ)