バジリスク (Basilisk)
基本情報
- 魔法省分類 (Ministry of Magic Classification): XXXXX (魔法省が最高の危険度を示す分類)
- 別名 (Alias): 蛇の王 (King of Serpents)
- 原産地 (Native to): ギリシャ
- 特徴 (Characteristics): 鮮やかな緑色の鱗を持つ巨大な蛇、致死性の凝視、極めて強力な毒を持つ牙
説明と生態
バジリスクは「蛇の王」として知られる、魔法界で最も危険な生物の一つです。その体長は最大で50フィート(約15メートル)に達することもあります。全身は毒々しいほどの鮮やかな緑色で、一対の大きな黄色の目を持ち、これが最大の武器となります。オスのバジリスクは、頭部に緋色の羽飾りを持っていることでメスと区別されます。(秘密の部屋に登場した個体の性別は不明) この生物は、闇の魔術である「ヒキガエルに鶏の卵を孵させる」という方法でのみ誕生します。著名なパーセルマウスであったギリシャの闇の魔法使い、卑劣なるヘルポが最初にバジリスクを創り出したとされています。 バジリスクは非常に長寿であり、十分な食料があれば数百年は生きると言われています。ホグワーツ魔法魔術学校の秘密の部屋に棲んでいたバジリスクは、約千年間生き続けていました。蜘蛛はバジリスクを天敵として恐れ、その存在を感知すると逃げ出します。バジリスクの唯一の弱点は、雄鶏の鳴き声であり、これを聞くと即死します。
魔法能力と危険性
バジリスクの危険性は、主にその二つの強力な武器に由来します。
- 致死性の凝視 (Lethal Gaze):
- 間接的な凝視: 鏡や水の反射、カメラのレンズ、あるいはゴーストを通して間接的に目を見た場合、死は免れるものの、代わりに石化(Petrification)します。作中では以下の犠牲者が出ました。
- ミセス・ノリス: 床の水たまりに映った姿を見た。
- コリン・クリービー: カメラのレンズ越しに見た。
- ジャスティン・フィンチ-フレッチリー: ほとんど首無しニックの体を通して見た。
- ハーマイオニー・グレンジャー: 手鏡に映った姿を見た。
- ほとんど首無しニック: ゴーストであるため、二度死ぬことはできず、完全に石化した。
- 石化の治療には、成熟したマンドレイクから作られるマンドレイク回復薬が必要です。
- 猛毒の牙 (Venomous Fangs):
物語における役割
- サラザール・スリザリンの怪物: ホグワーツの創設者の一人であるサラザール・スリザリンは、マグル生まれの生徒を学校から排除するため、秘密の部屋にバジリスクを隠しました。彼のスリザリンの継承者だけが、パーセルタングを使ってバジリスクを操ることができるとされていました。
- 分霊箱の破壊: バジリスクを倒した際にグリフィンドールの剣がその毒を吸収したため、剣は分霊箱を破壊する能力を得ました。以降、この剣はヴォルデモート卿の分霊箱を破壊するための重要な武器となります。また、『ハリー・ポッターと死の秘宝』では、ロン・ウィーズリーとハーマイオニー・グレンジャーが秘密の部屋に戻り、バジリスクの骸骨から牙を抜き取って、ヘルガ・ハッフルパフのカップを破壊しました。
関連する魔法と物品
- パーセルタング (Parseltongue): バジリスクを制御するための蛇語。
- 不死鳥の涙 (Phoenix Tears): バジリスクの毒に対する唯一の解毒剤。
- グリフィンドールの剣 (Sword of Gryffindor): バジリスクの毒を吸収し、分霊箱を破壊する力を持った。
- マンドレイク (Mandrake): その回復薬はバジリスクによる石化を治療できる。
名前の語源
「バジリスク (Basilisk)」という名前は、ギリシャ語で「小さな王」を意味する「basiliskos (βασιλίσκος)」に由来します。これは、神話上のバジリスクが頭に王冠のような模様を持つとされたことから来ており、「蛇の王」という別名と一致します。
舞台裏情報
- 『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅 (書籍)』では、バジリスクの繁殖が17世紀から非合法化されていることが記されています。(公式副読本)
- 映画版『ハリー・ポッターと秘密の部屋』では、バジリスクはより巨大で威圧的な蛇として描かれていますが、原作で言及されたオスの特徴である緋色の羽飾りは見られません。(映画設定)