パーセルマウス
概要
パーセルマウス (Parselmouth) とは、蛇の言語である パーセルタング を理解し、話すことができる魔法使いや魔女を指す、極めて稀な呼称である。この能力は通常、サラザール・スリザリン の血筋と深く関連しており、魔法界では闇の魔法や闇の魔法使いの印として広く恐れられている。 この能力を持つ者は、多くの場合、自分が人間の言語ではなくパーセルタングを話していることに気づかない。話していない者にとって、その言葉は単なるシューシューという蛇の嘶きにしか聞こえない。
能力と特徴
パーセルマウスの能力は、ほとんどの場合、生まれつきのものであり、血統によって受け継がれる。学習によってこの言語を習得することはほぼ不可能とされるが、例外も存在する。
- 遺伝的特性: この能力は、サラザ-ル・スリザリンの子孫であるゴーント家に代々受け継がれてきた。
- 世間からの評判: サラザール・スリザリンとの関連性から、パーセルマウスであることは、しばしばその人物が邪悪であるという偏見を招く。ハリー・ポッターがこの能力を持っていることがホグワーツで明らかになった際、彼は「スリザリンの継承者」であると疑われ、生徒たちから孤立した。
歴史と評判
この能力の最も有名な保持者は、ホグワーツ魔法魔術学校の創設者の一人であるサラザール・スリザリンである。彼はこの能力を誇りにしており、スリザリン寮の紋章にも蛇が描かれている。スリザリンは、自分の子孫だけが秘密の部屋を開け、そこに潜む怪物を操れるように、部屋の入り口をパーセルタングでしか開かないように設計した。 この歴史的背景により、パーセルタングを話す能力は、何世紀にもわたって闇の魔法と結びつけられてきた。ヴォルデモート卿がスリザリンの正当な後継者としてこの能力を行使したことで、その悪評はさらに決定的なものとなった。
既知のパーセルマウス
- サラザール・スリザリン: 歴史上最も有名なパーセルマウス。
- ハリー・ポッター: 例外的なケース。彼はスリザリンの血を引いていないが、赤ん坊の頃にヴォルデモート卿の「死の呪い」が跳ね返った際、ヴォルデモートの魂の一部が彼に付着した。この分霊箱化により、彼はパーセルタングを話す能力を得た。ハリー・ポッターと死の秘宝において、ヴォルデモートの魂の欠片が破壊された後、彼はこの能力を失った。
幕後情報
- 能力の本質: J.K. ローリングは、パーセルマウスの能力が本質的に悪ではないことを明言している。ハリー・ポッターやアルバス・ダンブルドアのような善良な魔法使いも、この言語を(話したり理解したり)できたことがその証拠である。(作者インタビュー)
- 古代ギリシャのパーセルマウス: 古代ギリシャの有名な闇の魔法使いである「卑劣なるヘルポ」もパーセルマウスであったことが知られている。彼は最初のバジリスクを創り出した人物でもある。(幻の動物とその生息地)