ジャスティン・フィンチ-フレッチリー

ジャスティン・フィンチ-フレッチリー

ジャスティン・フィンチ-フレッチリー (Justin Finch-Fletchley) は、ハリー・ポッターと同級のマグル生まれの魔法使いであり、ホグワーツ魔法魔術学校ではハッフルパフ寮に所属していました。彼は物語において、ヴォルデモート卿の純血主義思想がホグワーツの生徒たちに直接的な脅威を与えた際の重要な被害者の一人として描かれています。特に『ハリー・ポッターと秘密の部屋』ではバジリスクによって石化させられ、『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』ではダンブルドア軍団に加わり、ドローレス・アンブリッジと闇の勢力に抵抗する意志を示しました。

ジャスティンはマグルの家庭に生まれました。ホグワーツ魔法魔術学校からの入学許可証を受け取るまで、彼は自分が魔法使いであるとは知らず、名門パブリックスクールであるイートン校への進学が決まっていました。彼は自分の名前を母親がリストに載せていたと語っており、魔法界の存在を初めて知ったときは大きな衝撃を受けたようです。

  • 二年次

ジャスティンの学校生活で最も特筆すべき出来事は二年次に起こりました。ギルデロイ・ロックハート教授の薬草学の授業で、彼はハリー・ポッターに気さくに話しかけ、自身のマグル生まれの出自について語りました。しかし、決闘クラブでハリーが蛇にパーセルタングを話したのを目撃して以降、ハリーが「スリザリンの継承者」ではないかと疑い、彼を恐れるようになります。友人のアーニー・マクミランと共にハリーを避けていましたが、その後、ほとんど首無しニックと一緒にいるところをバジリスクに襲撃されました。彼はほとんど首無しニックの半透明の体を通してバジリスクの目を見たため、直接の死は免れたものの石化してしまいました。学年末にマンドレイクの回復薬によって無事回復しました。

  • 五年次

ドローレス・アンブリッジが「防衛術」の教授としてホグワーツの実権を握り始めると、ジャスティンはハリー・ポッターの呼びかけに応じ、ダンブルドア軍団 (D.A.) の一員となりました。彼は他のメンバーと共に、実用的な闇の魔術に対する防衛術を学び、来るべき戦いに備えました。これは、かつてハリーを恐れていた彼が、共通の脅威に対して立ち向かう勇気を持つまでに成長したことを示しています。

  • 七年次

ヴォルデモート卿が魔法省を掌握すると、マグル生まれ登録委員会が設立され、マグル生まれの魔女や魔法使いは迫害の対象となりました。ジャスティンの名前は、委員会への出頭を拒否した者たちのリストに載っており、彼が逃亡生活を送っていたことが示唆されています。ダンブルドア軍団のメンバーとして、彼がホグワーツの戦いに参戦したかどうかは明記されていませんが、その可能性は高いと考えられます。

  • 外貌

原作では、彼の外見について「巻き毛」であること以外に詳しい描写はありません。

  • 性格

ジャスティンは当初、イートン校に通う予定だったことを自慢げに話すなど、少し気取った一面を見せました。しかし、基本的には陽気で社交的な性格です。秘密の部屋の事件では恐怖心からハリー・ポッターを疑うなど、パニックに陥りやすい面もありましたが、ダンブルドア軍団への参加は、彼の友情と正義感、そして勇気を証明しています。ハッフルパフ生らしく、忠実で公正な価値観を持っている人物です。

ジャスティンの魔法能力について特筆すべき描写は少ないですが、ダンブルドア軍団の一員として、武装解除呪文>エクスペリアームス失神呪文>ステューピファイ盾の呪文>プロテゴといった基本的ながらも重要な防衛呪文を習得しました。彼は標準的な魔法使いレベルの能力を持っていたと考えられます。

  • : ジャスティンは自身のを所有していましたが、その芯や木材、長さなどの詳細は不明です。
  • Justin: ラテン語の Iustinus に由来し、「公正な」「正しい」を意味します。これは、公正さと忠誠心を重んじるハッフルパフの価値観と一致しています。
  • Finch-Fletchley: 「フィンチ (Finch)」は鳥の一種、「フレッチリー (Fletchley)」は「矢を作る者 (fletcher)」を連想させるイギリスの地名に由来する可能性があります。ハイフンで結ばれた複合姓は、彼がイギリスの比較的裕福な上流階級のマグル家庭出身であることを示唆しており、イートン校への進学予定だったという設定とも整合します。
  • 映画『ハリー・ポッターと秘密の部屋』では、俳優のエドワード・ランデル (Edward Randell) がジャスティン・フィンチ-フレッチリー役を演じました。
  • 彼の存在は、魔法界に根強く残る純血主義の偏見が、マグルの世界で何不自由なく暮らしていた子供たちの人生をいかに脅かすかを示す象徴的な役割を担っています。